特別支援教室の教員減らしはやめて
11月18日文教委員会の事務事業質疑で、私は特別支援教室について質疑しました。
特別支援教室は、発達障害や発達に課題があるお子さんのための教室で、普通教室に通いながら、週に2回程度通い、その子にあった勉強方法で、課題を一つひとつ改善や乗り越えていく学びの場です。
最初にwiscという発達障害のテストを受けて、その子がどのような課題があるのか、正確に判定して、その後本人の意思(保護者の判断)で通わせるものです。
特別支援教室になる前の東京都が行っていた「情緒障害通級指導学級」の拠点校を以前視察したことがありますが、そこでは低学年のお子さん5名程度に対し、様々なその子にあったわかりやすい教材を使いながら、学習し、後ろにも先生が一人配置され、例えば集中ができない子がいたら、そばに行ってこうやるんだよ、と教えていました。本当に手厚い教育がされていました。
現在は、全校に特別支援教室が設置され、ほとんどの区市町村では先生が各学校に、教材を背負って、巡回します。先生は一人で教える体制になっています。
その先生の配置が、これまで(4月段階で特別支援教室に通う子どもたち)÷10人=先生の配置数 (10対1)だったのが、今年の7月に突然、東京都は来年度から(12対1)にすると表明、各区市町村に教員を異動させる計画を提出せよ、と求め現在全区市町村が提出しました。小学校で428人、中学校で81人だと答弁しました。
現場の先生からは、10対1の今でさえ、年度途中で入室する子どももいて、担当する子どもが10人を超え、ベテランの先生には20人近く担当する場合もある、という実態が報告されています。年度途中で入室した子どもの人数の分の先生を配置しないためです。
このことを問いただすと
都は、こうしたことを認識しながら、「年度途中で安定した指導ができる体制を維持するため年度途中に児童生徒が増減した場合でも、教員数の増減は行っていない」と答弁しました。
なぜ、「安定した指導」につながるのか、全く説明がついていません。
今回の特別支援教室の教員削減は、35人学級対応のためではないか?
今回小中合わせて500人以上の教員が普通の学級に異動することを求められ(一部新任の教員が配置されます。12対1で)、一方(来年の新採用の教員)-(退職見込みの教員)=120人であると答弁されています。純増が120人ということです。
しかし、来年度小学三年生の35人対応の必要教員数は、363人と答弁され、後の263人はどこから連れてくるのか?ということになります。増える要因は、まさに特別支援教室の500以上の教員し考えらえません。
その他教員が減る要因としては、毎年、産休育休の1年以上の取得の方は毎年400人以上、病休の先生は毎年7~800人にも上ります。このことを考えると、採用の純増120人だけでは、35人対応は足りなすぎる、ということになります。
教員の採用を抜本的に増やすことが、求められています。
特別支援教室は2年以上でも可
これまで、この診断に基づいて特別支援教室で教員が、どういう状況に子どもたちがあるのか見極めながら、本人の意思も尊重しながら、通う期間を決めていました。
子どもによっては、数年で「退室」になる子もいるし、小学校6年間通う子もいます。発達障害は年齢が上がるごとに新たな課題が出る場合もあると、現場の教員からも指摘されています。
こうした現場の声が届き、第3回定例会の代表質疑で共産党都議団の答弁で、2年以上いられることが答弁、今回の事務事業質疑で、通知を出しなおすよう求めたところ、必要な児童生徒には2年以上特別支援教室にいられることを詳しく書いた書面を各区市町村に出していることがわかりました。
こうした前進を徹底するとともに、子どもたちに、教育委員会から1年で見直しがあるということは伝えるべきではないと私は思います。1年で解決できる子どもはいないと思うし、「自分は課題をできなかった」と否定的になってしまったら本末転倒です。
一人ひとりの子どもの発達に応じた教育を提供できるよう、引き続き全力を尽くします。