文化芸術・芸能従事者のみなさんを応援する政策を
3月14日、文教委員会で生活文化局の質疑で、文化芸術・芸能従事者のみなさんの支援を求めました。
東京都は、様々なアーティストが活動する拠点です。そうした方々を支援することを定めた「東京都文化振興条例」が都にはあります。
「第六条 都は、芸術文化活動を行う個人又は団体に対する援助、助成その他の芸術文化の振興を図るために必要な措置を講ずるよう努めるものとする。」
ちなみに、第1条は「(目的)第一条 この条例は、民主的で文化的な国家を建設して世界の平和と人類の福祉に貢献しようとする日本国憲法の精神にのつとり、文化の振興に関する東京都(以下「都」という。)の施策の基本を明らかにすることによつて、都民が東京の自然及び歴史的風土に培われた、国際都市にふさわしい個性豊かな文化を創造することに寄与し、もつて都民生活の向上に資することを目的とする。」ということをうたっています。
日本国憲法に基づいてつくられていることがわかります。
さて、委員会では「東京文化戦略2030」の中身を議論しました。
まず、アーティストや文化芸能従事者のほとんどが個人事業主扱いで、働く環境が十分ではない状況があった中で、コロナ禍でも窮地に追い込まれている現状をどう改善し、支援するのか求めました。
個人事業主であると、会社員ではない社会保険や労災などなかなか入りにくく、また個人で契約するため、口約束や契約内容がはっきりしない、休憩時間がない(昼食がない)、PCR検査は自腹、セクハラ・パワハラなど、改善を求めたくても、仕事がなくなる恐れから、言えない。相次ぐ休演などで先が見通せず、芸能従事者の団体の調べでは芸能従事者の53%が「仕事が原因でこのままだと生きていけない」と答えるほど深刻な状況があります。
諸外国では当たり前のアーティストのメンタルケアが保障されていない。など、本当に過酷な現状があることを知りました。以下のことを質問しました。
○文化芸能従事者のPCR検査への費用負担の補助
→「都の主催する事業ではPCR検査費用も支出対象である」
○文化芸能従事者へのメンタルヘルスケアの仕組みを作る事
→「文化事業でアーティストに対する助成事業を実施して幅広く支援している」
○セクハラ、パワハラなどハラスメントをなくしていく取り組み
→「各現場において、関係法令等を遵守し、自主的に進めていくべきものである」
○芸能従事者の方々が労災保険に加入できるようになり、周知や加入支援
→「芸能従事者が特別加入ができるようになったことは有益であると認識している。労災保険制度を所管する国において適切になされるものと認識している」
○契約書のひな形をHPで公開し、利用してもらうこと
→「現在文化庁において、文化芸術分野の適正な契約関係構築に向けた検討が進められており、この動向を注視していく」
○休憩の確保、トイレ、更衣室の確保、衣装や機材などの経費の明確化など契約書に明記を義務づけること
→「各事業協力者の判断で、法令等を遵守し、適切に対応している」
○アーティストへの直接の支援とアトリエや劇場など場所への支援。
→「文化戦略においてアーティストや文化芸術団体等が継続的に活動できる仕組みを作ることを掲げている」「都が実施している文化事業、アーティスト支援が、事業を実施する会場となる民間の劇場等の支援につながっているものと認識している」
○文化芸術に親しむ若者の支援として、ウェルカムユース事業の対象の拡大と機関の拡大を
→「(従来通り)18歳以下の方を対象として、3月19日から4月3日まで実施いたいます」
という議論でした。まだまだ、文化芸能従事者への、条例のような「必要な措置」までは遠い部分もありますが、文化芸能従事者の関係者の方々が声を上げ、努力し、政治や社会に働きかけていることが、少しずつではありますが、動いていると思います。引き続き、文化振興のため文化芸能従事者の支援を求めていきます。