「都立中高一貫校で学び続けられるように」ついて文書質問をしました。
質 問 事 項 一 公立中高一貫校について
一 公立中高一貫校について 現在、都立中高一貫校は10校あります。 近年、高校受験の大変さなどから、中学で受験をして、高校まで同じ学校で学ぶことを希望する人も増えてきた中で、公立の中高一貫校を選ぶ人も少なくありません。 一方で、中途退学や、転学をする生徒も一定数おり、「詰め込みの教育で体調をくずし退学を余儀なくされた」などの深刻な声もあり、看過できません。 実態把握と改善を求め、以下質問いたします。
Q1 都立中高一貫校10校の2023年度の各学年における入学時点の募集人員と在籍数をお示しください。
回 答: 都立中高一貫教育校10校の令和5年度の各学年における入学時点の募集人員は、
附属中学校及び中等教育学校第一学年は1,640名、第二学年は1,600名、第三学年は1,520名、
高等学校第一学年及び中等教育学校第四学年は1,440名、高等学校第二学年及び中等教育学校第五学年は1,520名、高等学校第三学年及び中等教育学校第六学年は1,680名です。
都立中高一貫教育校10校の令和5年5月1日現在の在籍者数は、
附属中学校及び中等教育学校第一学年は1,647名、第二学年は1,607名、第三学年は1,498名、
高等学校第一学年及び中等教育学校第四学年は1,393名、高等学校第二学年及び中等教育学校第五学年は1,417名、高等学校第三学年及び中等教育学校第六学年は1,543名です
コメント:比べるべき数字を同色にしました。中高一貫校のどの学年でも募集人数よりも、少し上回って在籍していることがわかります。ただ、募集人数は2023年時のもののため、在校生の募集時にはもっと多く募集していた可能性があります。
Q2 併設型中高一貫校5校の中学校における2018年度の募集数と入学手続者数および、高校における2021年度の募集数と入学手続者数、第1学年の在籍者数および2023年度の第3学年の在籍者数を伺います。 また、中等教育学校5校の2018年度の募集数と入学手続者数、2021年度の第4学年の在籍者数および2023年度の第6学年の在籍者数を伺います。 併せて、進学指導重点校7校の2021年度の募集数と入学手続者数、2023年度の第3学年の在籍者数を伺います。 それぞれの学校ごとの数字をお示しください。
併設型中高一貫教育校5校の募集人員、入学手続者数等については、以下のとおりです。
(単位:人)
区分 白鷗 両国 富士 大泉 武蔵
平成 30 年度附属中学校募集人員 160 120 120 120 120
平成 30 年度附属中学校入学手続者数 160 120 120 120 120
令和3年度高校募集人員 80 80 0 80 0
令和3年度高校入学手続者数 81 79 0 81 0
令和3年度高校第一学年在籍者数 235 195 116 195 114
令和5年度高校第三学年在籍者数 221 186 111 182 103
中等教育学校5校の募集人員、入学手続者数等については、以下のとお
りです。
(単位:人)
区分 小石川 桜修館 南多摩 立川国際 三鷹
平成 30 年度募集人員 160 160 160 160 160
平成 30 年度入学手続者数 160 160 160 160 160
令和3年度第四学年在籍者数 156 157 159 149 156
令和5年度第六学年在籍者数 149 151 154 139 147
コメント:核中高一貫校5校ではH30年の入学時は、募集人数と入学手続き者数は一緒です。その後、高校の学年になる際、80人の募集を行っている学校が3校ありますが、白鴎では入学者数でみると160人+81人=241人いるはずですが、在籍者数は235人と6人少なく、何らかの理由で中学部時代に退学、転学になったと考えられます。その後卒業年度の令和5年では221人まで減りますので、中高わせて20人転学、退学していることになります。
入学者と6年後の在籍者を比べた減少人数は、両国では13人、富士で9人、大泉19人、武蔵で17人,
小石川11人、桜修館9人、南多摩6人、立川国際21人、三鷹13人となっており、各校で多くの子どもたちが学校を去っていることがわかります。留学した人もいる可能性がありますが、全員が留学したとは考えられません。
進学指導重点校7校の募集人員、入学手続者数等については、以下のとおりです。
(単位:人)※在籍者数は令和5年5月1日現在の数値
区分 日比谷 戸山 青山 西 八王子東 立川 国立
令和3年度募集人員 320 320 280 320 320 320 320
令和3年度入学手続者数 323 321 281 324 321 323 320
令和5年度第三学年在籍者数 320 321 271 318 310 308 311
コメント:進学校の高校でも聞いてみましたが、入学者数と在籍者数がほとんど変わらない学校もあれば、差がある学校もあります。
Q3 2023年度に実施した二学期の転学・編入学募集における中高一貫校10 校の各学校、各学年の募集人数と進学指導重点校7校の同様の人数を区分ごとにお示し下さい。
回 答
令和5年度に実施した二学期の都立高等学校転学・編入学募集における募集人員については、以下のとおりです。
1 中高一貫教育校 (単位:人)
白 鷗 が第二学年の区分2で14人、第3学年の区分2で 19人募集
両 国 が、第3学年の区分2で14人募集
大 泉 が、第3学年の区分2で18人募集、それ以外の区分では募集していない。
2 進学指導重点校 (単位:人)
第一学年 第二学年 第三学年
区分1 区分2 区分1 区分2 区分1 区分2
日比谷 1 2 1 1 1 0
戸 山 2 2 2 0 2 1
青 山 1 2 0 3 0 8
西 2 2 2 2 2 1
八王子東 2 2 2 2 2 8
立 川 2 2 2 2 2 10
国 立 2 2 2 5 1 5
※ 「 区 分 1 」 は 保 護 者 の 転 勤 等 に よ る 都 外 か ら の 一 家 転 住 者 、「 区 分 2 」
は一般の募集区分である。
コメント:中高一貫校では、ほとんどが募集がありませんが、一般募集が高校2,3年生で10人台の募集がある学校もあります。一般募集は、クラスの人数が何らかの理由で減ったことを意味しますが、ただ、募集してもほとんど転入する人はいないということです。進学校では、区分1という保護者の転勤などで入学する枠も設けてあります。区分2も多い学校もあります。
4 学校が大学進学の数的目標を持っていることが事前に知らされておらず、朝学習、朝練習などの授業時間以外の拘束時間がある学校があり、任意と言いながらほぼ強制的に参加になる場合があるという声を聞いています。 各学校の経営目標のうち、国公立大、私立大などの大学への進学目標をお示し下さい。
回 答
校長は、学校経営計画の中で進路に関する目標を定めており、各学校の
ホームページで公表しています。
都立中高一貫教育校において、令和6年度の学校経営計画に記載された
進路指導の数値目標は、以下のとおりです。
5 「セーター登校禁止」「第一ボタンは閉めること」、衣替えの期日が厳格に設定されており、実際の寒暖差に対応できないなど校則が厳しくて不自由な学校があるということです。 各学校の校則について、制服や標準服の有無、服装をチェックする学校、「高校生らしい」などの表記が校則にある学校、黒染め指導のある学校数をお示しください。また、生徒自身の意見、話し合いにより校則を変えた学校をお示しください。
回 答
都立中高一貫教育校では、校則において制服や標準服を指定しております。服装のチェックについては、記載されておりません。また、現在「高校生らしい」等の表記がある学校や頭髪を黒色に染色する指導をしている学校はありません。
学校は生徒の実情や意見等を踏まえて毎年点検し必要な見直しを行っています。
6 民間の学力テストや検定を実施している学校と各学校のテストの回数をお示しください。 中高一貫校の導入にあたり中央教育審議会は、その意義として、「ゆとり」ある学校生活を可能にすることを掲げ、また、受験準備に偏した教育が行われることのないよう配慮が必要であることなどを示しています。また、国会では、いわゆる「受験エリート校」化することがあってはならない旨の附帯決議が付されています。 今の中高一貫校は、これらを踏まえているとは言えません。
回答
都立中高一貫教育校では、各学校の学校経営計画に基づき模擬試験等を
適切に実施しております。
7 過度な詰め込み教育、厳しい校則は改め、入学した子どもたちが退学、転学とならないよう、子どもたちに寄り添って、学校教育、学校活動を行われるべきです。中高一貫校でも入学した子どもたちが全員卒業できるようにすべきものではないですか。認識を伺います。
回答
都立中高一貫教育校では、社会の様々な場面、分野において人々の信頼
を得て、将来のリーダーとなり得る人材を育成することとしており、6年
間継続した探究的な学習など多様な教育活動に取り組んでいます。
8 東京都教育委員会は、中高一貫校に入学した子ども達を責任もって卒業させるために、どのような努力をして、どのようにして退学者、転学者を減らしていくのですか。
回答
都立中高一貫教育校を含む全ての都立高校では、多様な教育活動を展開
する中で、生徒一人一人に対するきめ細かな指導を行っています。
9 また、遠方からの電車通学者も多いにもかかわらず、中学段階の生徒は学校の売店やコンビニの利用が禁止で、授業が午前のみで給食がない日は14時ごろまで空腹で過ごさなければならないなどの声も届いています。都教委が示した考え方などがあるのですか。学校は生徒や保護者の意見も良く聞き、実情に合わせた見直しが必要ではありませんか。
回答
都立中高一貫教育校を含む全ての都立高校では、各学校の校長が、学校
の実情とともに学校運営連絡協議会や生徒の意見を踏まえ運営方針を定め、
学校経営を行っています。