議案に対する態度表明について
狛江市議会公明党のニュース
狛江市議会公明党が2月に発行したニュースでは、新生児への10万円の給付について日本共産党が反対したかのような見出しで報道されました。
しかし12月議会で日本共産党市議団が、新生児への給付金を含む補正予算に反対したのは、市民の理解が得られていない市民センター改修関係予算が含まれていたからで、新生児への給付金に反対したものではありません。それどころか日本共産党市議団は、市民からの要望に基づき、昨年8月31日の本会議で補正予算の組替え提案を行い、その中でひとり親家庭への家賃補助制度やPCR検査の拡大などと合わせ新生児への給付金の支給を他会派に先駆けて提案しています。この予算組替え提案は自民、公明などの反対で否決されました。
議案に対する態度表明のあり方については、3月26日の本会議で岡村しん議員が、新年度一般会計予算に対する討論の中で日本共産党市議団の見解を述べていますので、その要旨を紹介します。
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予算に反対しても個々の施策に反対したことにはならない
議員や会派は議案に対し原則2者択一で判断しなければなりません。提出された予算の中に、市民の切実な要望で会派としても実現を求めてきた施策があっても、予算全体として、市民の生活実態との関係で対応が不十分であったり、民主主義に関わる原則的な問題がかかわっていたりした場合には、反対の立場をとらざるをえない場合があります。しかしそれは、予算に盛り込まれた、個々の施策に対して反対を表明するものではありません。
予算組替え提案は、予算全体の中で、市民の生活実態との関わりで施策が不十分であることや民主主義に関わる問題など、原則的な問題で改善が求められることなどを具体的に示して、市長に対して、その内容に沿った予算に組み替えをするよう求めるものであり、予算に対する議員また会派の態度をよりわかりやすく鮮明にするものです。
したがって予算に反対したからといって予算に盛り込まれた他の市民要望、組替え提案で削除等の対象にしなかった施策にも反対したことにはなりません。仮に組替え提案が可決されれば、提案で削除等の対象にしなかった施策は、そのまま執行されるわけです。
この間、狛江市議会公明党(以下、公明党)から日本共産党市議団に対して、私たちが提案した組替え提案が否決され原案に反対したことをもって、提案で削除等の対象にしなかった施策についても全部反対したことになると決めつける発言が繰り返されています。しかしこうした発言は、議会における議員・会派の態度表明の内容について、市民に誤解を広げるものであり、議会の品位を汚すものと言わなければなりません。
矢野市政時代、公明党も予算に反対していた
この点では、平成19年第1回定例会において、狛江市議会公明党を代表して佐々木議員が平成19年度狛江市一般会計予算に対して反対討論を行っていますが、その内容について指摘せざるをえません。
佐々木議員は「今回の予算の中には、子育て支援の面での新規事業や拡充、都議会公明党がかち取った義務教育就学児医療費助成や、安全・安心の面で学校安全対策費、全小・中学校の耐震に向けた予算等、また市民要望に少しでもこたえていこうとする個々の予算案には一定の評価をするところであります。しかしながら平成19年度の予算を総括的に考えるとき…」と述べながら、矢野市政のもとでの財政運営等に危惧があることを述べ、最後に「狛江市民に安心感を与えられていないと判断し,予算の原案、修正案について反対といたします」と述べています。
この討論の中で公明党として、義務教育就学児医療費助成や全小中学校の耐震化に向けた予算等を評価しています。この討論を素直に読めば、公明党は、こうした個々に施策に反対したわけではないと思います。しかし、この間繰り返されてきた公明党の立場に立つと義務教育就学児医療費助成や全小中学校の耐震化の予算に反対したことになってしまうのではないでしょうか。私たちが調べた限り公明党は矢野市政時代に5回、当初予算に反対しています。しかしそれは反対理由で述べた部分以外の個々の施策に反対したものではないと思います。
組替え提案や討論の内容こそが大切
各議員・会派が行う態度表明については、反対・賛成の理由、また組替え提案が提出されている場合は、その具体的内容、これが重要と思います。
予算組替え提案を提出したり、討論で明確に反対理由を述べているのに、原案に反対したら、予算に盛られている施策全部に反対したという主張は、市民の世論をミスリードするものであり民主主義に反します。