ハラスメント根絶、市民生活支援しっかりとー日本共産党が決算の認定に反対
9月26日、狛江市議会決算特別委員会が開かれ、2018年度決算についての討論、採決が行われました。日本共産党市議団は、一般会計決算、国民健康保険特別会計決算、介護保険特別会計決算の認定に反対する討論を行いました。その他の特別会計決算の認定には賛成しました。決算は他の会派・議員の賛成で認定されました。一般会計決算の認定に反対する討論は宮坂良子議員が行いました。以下その要旨を紹介します。
平成30年度は、高橋市長がセクハラ問題で辞職し市長選挙が行なわれ松原市長が就任。松原市長には、市政への信頼を取り戻し、前市政の強権的な差し押さえ、介護保険料や国保税などの低所得者への負担増、参加と協働の後退など市政の歪みをただし人権と暮らしを守るとりくみが求められていました。
この立場から決算を見ると、待機児解消のための認可保育園の増設や、北部児童館の建設、子育て・教育支援複合施設の実施設計、またシルバー相談室の増設などが行われており、これらは評価できるものです。
しかし第1に、市民生活を支援する施策については充分な対応ができていません。「子どもの生活実態調査」が実施されたことは評価するものですが、生活困難層の3~5割弱は、金銭的な理由から食料が買えなかった経験があり(グラフ)、暮らし向きも、「大変苦しい」「やや、苦しい」が6~8割になっているにも関わらず、具体的な支援策が実施されていません。また、国民健康保険税が平均4900円値上げとなり、介護保険料も13%の値上げとなっており低所得世帯にとっては重い負担となっています。
第2に、安全・安心については、住宅の耐震化に関する啓発訪問や、災害時の避難行動要支援者への個別計画の策定が推進されましたが、住宅耐震化対策の拡充や防災行政無線戸別受信機の貸し出し制度、家具転倒防止器具の設置助成など、積極的な対応がとられませんでした。今後、多発する豪雨・台風等に対して避難訓練の実施や非常用電源の確保、「こまラジ」を活用したきめ細かな情報発信など、予防対策の推進を図るべきです。
第3に、個人番号カードを利用した住民票等のコンビニ交付はでは一枚当たりの発行経費が31年度2141円と非常に高額で利用率も全体のわずか5%弱にとどまっています。個人番号カードを持ち歩く機会を増やし個人情報漏洩の危険のあるコンビニ交付は中止し、利用率の高い市役所の自動交付機を存続すべきです。
第4に、財政運営の問題です。
一般会計では10億余の黒字です。市債残高は平成11年度と比べると約60億円減少しています。長期にわたる財政確立の努力が実を結んできており、改善されてきた財政を市民生活支援にぜひ使っていただきたいと思います。
また臨時財政対策債の発行によって財政が悪化することはありません。実質的な交付税である臨時財政対策債を活用してこそ、標準的な行政サービスを維持していくことができます。「あくまで借金」だとして臨財債を抑制し、切実な市民要望の実現を後回しにするやり方は賛同できません。
公共施設整備基金と公共施設修繕基金の目標額をそれぞれ17億円としたものの、この中には市民センター増改築への積み立ては含まれていません。今後の市民センターの増改築等に向け更なる積み立てが必要ですが、本決算ではその姿勢は見られませんでした。
第5に、職員体制についてです。
月45時間を超える残業を行っている人が179人で依然として高い状況です。超過勤務の多い福祉相談課や児童青少年課など必要な職員配置を強く求めます。また公立保育園4園は、私立保育園と連携し狛江市全体の保育水準確保のためにかけがえのない役割を果たしておりこれ以上の民営化はやめるよう求めるものです。
第6に、市長の政治姿勢です。
前市長のセクハラ問題は市政を揺るがしました。前市長の言動は人権を踏みにじるものであり、絶対に許されません。しかも長期にわたり隠され、多くの職員に重い精神的負担をかけたことに厳しい反省が求められます。
松原市長には二度とこうした不祥事を起こさずこの問題をきちんと総括し、ハラスメント根絶への意思を明確にし、研修内容の抜本的な充実、全職員への無記名アンケートの実施、敏速で人権に配慮した被害者救済の仕組みを作るなど、積極的な取り組みが求められていました。
しかし研修は行ったものの無記名アンケートの実施など、この問題をしっかり総括しようという姿勢が感じられません。また人権尊重基本条例の策定にあたっても、条例策定前に当事者の声を聞き多くの市民と一緒に学び合いながらつくるという姿勢が見られません。十分な市民参加と協働の立場で進めるよう求めます。