文教委員会速記録第2号

2015年都議会文教委員会での論戦都議会質問

◆特別支援学校の寄宿舎への入舎要件の緩和、スクールバスの改善について

○里吉委員 それではまず、特別支援学校の寄宿舎や教室不足の問題などに関連して伺います。  特別支援学校の寄宿舎は都内に11舎ありましたが、統廃合され、現在6舎、第3次計画では5舎まで減らすことになっています。
通学困難な子供たちのためだった寄宿舎でしたが、その後は、教育的入舎や家庭の事情による入舎がふえていきました。障害のある子たちが生活リズムを身につける、生活をする力を身につける場など、子供たちの成長にとって貴重な場になっています。
今でもそれは変わらないと思いますが、都の基準が変更されたために、現在は通学困難に限定されています。その内容は、島しょに住んでいる、常に90分以上の通学時間がかかる、視覚障害の場合、家庭の事情となっています。
保護者の方などからいつもいわれるのですが、スクールバスは60分以内を目指すというのに、どうして通学困難は通学時間90分以上なのか。60分以上かかったら通学困難と認めてほしいということです。
そこでまず、スクールバスの乗車時間60分以内を目標としている根拠は何か伺います。

○松川特別支援教育推進担当部長 スクールバスの乗車時間につきましては、利用する児童生徒の精神的、身体的な負担を考慮いたしまして、現在、乗車時間の目標を60分以内としております。

○里吉委員 精神的、身体的な負担の軽減を図るために60分以内にすべきだと、こういう考えだということを確認しました。実際には、60分以内を目指していますけれども、解決できていないのが現状だと思います。
現在、通学に60分以上かかってしまう児童生徒はどれくらいいるでしょうか。毎回でなくても、道路の混雑ぐあいで60分以上かかる児童生徒、どれくらいいるのか伺います。

○松川特別支援教育推進担当部長 児童生徒一人一人のスクールバス乗車時間は、道路の混雑状況等によりまして日々異なりますため、平均時間といたしまして把握しております。
今年度、平均乗車時間が60分を超える児童生徒の数は、スクールバスを利用する児童生徒5562人のうち500人、約9%でございます。

○里吉委員 現在でも、スクールバスで通っている児童生徒のうち、500人も、9%というお子さんが平均乗車時間60分以上かかっているということでした。
では、スクールバスで60分以内に全員が通学するためには、あと何が必要なんでしょうか。学校関係者の方からは、学校の敷地の問題もあり、これ以上バスの本数をふやせないという話も聞いていますが、都はこの問題をどうやって解決しようとしているのか伺います。

○松川特別支援教育推進担当部長 都教育委員会では、スクールバスの乗車時間を60分以内にするため、増車による運行コースの細分化や経路設定の工夫とともに、新たな特別支援学校の開校に伴う通学区域の再編などによりまして、スクールバスを利用する児童生徒の乗車時間の短縮に努めております。
なお、全てのスクールバスを停車すると、学校内に保護者が送迎する際に必要なスペースがとれない場合などは、登下校時以外、車両を運行業者の営業所等に戻すようにしております。

○里吉委員 学校に駐車スペースがない場合は業者の営業所に戻す、こういう工夫もしているというお話でした。まだそうした対応ができていない学校もあるようですから、引き続き進めていただきたいと思います。
先日視察させていただいた葛飾盲学校では、ことしのスクールバスの運行を見ますと、始発場所から学校の近くまで1時間程度で来るんですが、学校には寄らず、その先まで行ってから学校に戻ってくる、こういうコースで、始発から学校到着までちょうど90分になっていました。こういった場合はバスを2台にふやすなど、対応をお願いしたいと思います。
そして、こうしたスクールバスでの通学時間短縮は引き続き行っていただきながらも、いまだに50人ものお子さんが平均乗車時間60分以上かかっている。こういう現状ですから、この解決をどうするのかということが問題になってくるわけです。この皆さんは寄宿舎に入りたいと希望しても、入舎理由が90分以上になっているために通学困難とは認めてもらえない。
ここで改めて伺いますが、寄宿舎の入舎理由で通学困難といわれているのは、なぜ片道90分以上となっているんでしょうか。伺います。

○松川特別支援教育推進担当部長 入舎基準にございます通学時間につきましては、児童生徒の健康面及び学習面への影響を考慮して設定しております。
なお、都教育委員会といたしましては、特別支援学校の適正配置やスクールバスの増車などを進めながら通学時間の短縮に努めております。

○里吉委員 60分以内で通えるように努力されているとか、いろいろありましたけれども、今、60分以内の理由と、90分の理由と、2つの理由を聞きました。今の入舎基準の方は、児童生徒の健康、学習面への影響を考慮すると90分が入舎基準だと。スクールバスは、精神的、身体的な負担の軽減を図るため、60分以内を目指すと。
どうしてこういうことになるのか、本当によくわからない。お母さんたち、いつもいっていますけれども、そのとおりだと思うんですね。60分以上は生徒たちに、子供たちに精神的、身体的な負担がかかるんだと。だから60分以内を目指すんだということで一生懸命スクールバスを配車していただいていますけれども、それでもなお、それを超える場合は、素直に通学困難と認めて、入舎基準の緩和をするべきではないでしょうか。
入舎基準の緩和という点では私、前回いろいろほかの問題も取り上げましたけれども、少なくとも通学時間60分以上かかっている方は希望すれば入舎できるようにすべきだと思いますが、見解を伺います。

○松川特別支援教育推進担当部長 寄宿舎への入舎基準につきましては、児童生徒の健康面及び学習面への影響を考慮して設定しております。都教育委員会といたしましては、児童生徒はできる限り自宅から通学することが望ましいことから、こういった見解をとっております。
スクールバスの乗車時間につきましては、引き続き短縮に努めてまいりたいと存じます。

○里吉委員 今、できる限り自宅から通学するのが望ましいということをいわれました。それはそのとおりだと思います。
しかし、今、ひとり親でお子さんを育てている方、複雑な家庭の事情とか、親の病気とか、そういう中でお子さんに障害があるということで、保護者の負担が大変だと。そういう中で寄宿舎の存在が本当に大きいものになっているんです。障害があっても安心して学べる環境をつくることは行政の責任です。寄宿舎の存在も、そういう見地からもう一度その存在意義に光を当ててほしいと思うわけです。
家庭にはいろいろ困難があったけれども、寄宿舎があったから学校に通えた。そういう存在に、東京都のこの特別支援学校の寄宿舎はなるべきではないでしょうか。寄宿舎を必要としている子供は決して減ってはいません。これ以上の寄宿舎の統廃合はすべきでない、請願でこう出ていますが、もう一度都の見解を伺います。

○松川特別支援教育推進担当部長 寄宿舎は、通学困難な児童生徒の就学を保障することを目的として設置しております。都教育委員会は、これまで特別支援学校の適正配置やスクールバスの増車などによりまして、通学困難の解消に努めてまいりました。
その結果、通学困難を理由とする入舎が減少した状況を踏まえまして、東京都特別支援教育推進計画第3次実施計画におきまして、平成28年度末をもって5舎に再編することといたしております。

○里吉委員 通学困難による入舎が減少したというお答えでしたが、都が基準を厳しく変更してしまったために入舎が減少したのであって、寄宿舎に入りたいという入舎希望の児童生徒数が減っているわけではありません。
入舎したいと相談しても認めてもらえなかったという話も幾つも聞いています。これからますます入舎を厳しく制限し、舎生を減らして、また寄宿舎を減らすのではないかと、請願に来られた皆さんは本当に心配していらっしゃいました。
現在、盲学校には全て寄宿舎がありますが、昨年、文京盲学校では、入舎を希望したが入れなかった生徒さんが9名いらっしゃいました。今までそんなことはなかったのに、どうしてなんだ。次は盲学校の寄宿舎も統廃合するつもりではないか。こんな話まで出ているんです。
寄宿舎を必要としている児童生徒は本来もっといるわけですから、くれぐれもこれ以上寄宿舎を統廃合しないこと、そして、必要としている児童生徒が入舎できるよう、基準の改善を強く求めておきます。

◆特別支援学校の教室不足問題について

次に、特別支援学校の教室不足問題についてです。
昨年の予算特別委員会での共産党の質疑で、第3次計画での整備が完了しても、まだ特別支援学校の教室は221足りないということが明らかになりました。カーテンでの間仕切り教室が問題なのはいうまでもないことですが、特別教室の転用が余りにも多いことに私自身も大変驚きました。
町田の丘学園に伺ったときに、校長先生が校内を歩きながら、また学校図を示しながら、ここは音楽室だったとか、プレールームだったとか説明してくださいました。転用した教室は特別教室で10教室、その他の部屋、更衣室などで転用した部屋が5つもありました。
もともと必要な特別教室を普通教室に転用してしまうわけですから、全く問題ないということはないと思います。具体的にはどのような問題が起きているのか伺います。

○松川特別支援教育推進担当部長 普通教室に転用されております特別教室は、プレールーム、美術室、音楽室などでございます。
例えば美術室を転用した場合は、絵を描く学習などは普通教室で実施し、作業を伴う学習は共通の用具を使用する木工室や陶芸室などを活用して授業を行っております。
このように特別教室を普通教室に転用する場合には、児童生徒の障害の種類や程度に応じた指導計画上の必要性を勘案して適用する教室を選定するなど、最大限の配慮を行い、可能な限り教育活動に支障が生じないようにしております。

○里吉委員 今、最大限の配慮を行っているということをおっしゃいましたけれども、最大限の配慮を行っているから問題はないということでしょうか。転用する場合、少しでも影響が出ないように配慮するのは当然だと思いますし、学校現場でそれぞれいろんな工夫をされています。
しかし、だから、それでよしというのが都教育委員会の考えなのでしょうか。私はいろいろ問題が起きていると思いますが、そういう認識はないのか改めて伺います。

○松川特別支援教育推進担当部長 都教育委員会といたしましては、東京都特別支援教育推進計画第3次実施計画に基づきまして、新設、増設を含めまして、教室の整備に努めているところでございます。

○里吉委員 話がまたもとに戻ってしまったんですけれども、その第3次計画で221、教室が足りないわけです。
それで、先ほどの答弁でも私、また感じたんですけれども、特別教室の転用は仕方ないと思っているんじゃないかというふうに感じざるを得ないんですね。公立の小中学校で普通教室が不足したからといって、特別教室を転用するなどということはあり得ないわけです。
ですから、早期にこの教室不足を解消するための対策、第3次計画だけでは不十分なわけですから、学校を新設する、普通教室や、特別教室や、体育館、プール、校庭なども含めて教育環境を保障する新たな計画をぜひとも立てていただきたい。このことを求めておきます。

◆久留米特別支援学校と光明特別支援学校の統合について

次に、久留米病弱特別支援学校についてなんですが、久留米特別支援学校は、先ほどの請願の説明のところでございましたけれども、医療の進歩や社会状況の変遷により在籍数が減り、適正な学習集団の確保が難しいという説明がありました。これは病弱の児童生徒にとって適切な学習集団というのがあるということだと思うんですが、それはどのようなものだと捉えているのか伺います。
それとあわせて、大規模設置校によって、より効果的に教育活動ができるというふうにご説明いただきましたけれども、それは具体的にはどういうことなのか、あわせて伺います。

○松川特別支援教育推進担当部長 久留米特別支援学校では、教科学習を主とした指導を実施しており、児童生徒は前籍校への復帰や進学などを目指しております。
しかし現在、児童生徒数は学年によっては皆無、あるいは1、2名など極めて少なく、今後も大幅な増加が見込まれない状況でございます。児童生徒が学習内容を確実に身につけ、自立と社会参加に向けた社会性を育むためには、集団の中で互いに切磋琢磨できるよう、学級編制基準に基づく一定規模の学習集団を確保することが必要でございます。
光明特別支援学校に病弱教育部門を併置し、久留米特別支援学校の教育機能を移転することによりまして、両部門において進学等を目指す児童生徒に対して、適正な学習集団により教科指導の充実を図ることができます。
また、特別支援学校で実施しております病院内における病弱教育と、久留米特別支援学校で実施しております病弱教育が連携し、小児がんや糖尿病等の病気の理解や生活管理等について相互に学ぶなど、教員の専門性の向上を図ることができます。
さらに、肢体不自由教育と病弱教育のそれぞれの部門の専門性を活用した連携や、児童生徒の交流を積極的に行うなど、併置校の特色を生かした教育活動を実施してまいります。

○里吉委員 今、適切な学習集団が必要だと。しかし、病弱教育部門では今後も大幅な増加が見込めないというお話がありました。
しかし、これは以前も指摘したかもしれませんが、実際は、児童生徒はふえるのではないかといわれているんです。関係者の方にお話を聞くと、教育相談などで久留米を紹介する数が減っているという話もありました。久留米を希望したのに、決定するまで1年近くかかったという方もいました。
光明特別支援学校の肢体不自由教育部門の障害の軽いお子さんたちと、久留米特別支援学校の病弱教育部門の子供たちでクラスを編成して授業を行うから適正な学習集団ができるというようなお答えだと思いましたけれども、どちらも本当に準ずる教育を受けている子は少なくて、光明は中高合わせて5人と伺いました。光明に行けば切磋琢磨できるという単純なものではないと思うんですね。
それから、病弱の子は、小中学校などで学校生活が難しくなって久留米に来て、また元気になって、もとの小中学校に帰る。そういうお子さんですから、求められることは切磋琢磨よりも、その子のペースで学習して、生活を整えられるきめ細かい教育ではないかと考えます。
請願では、病弱単独校の寄宿舎を存続し、専門的な教育を保障することとあります。この保護者の思いを強く酌んでいただきたいと思います。
また、寄宿舎や校舎の整備が予定よりおくれていると聞いています。施設が整わないまま開校したことで、例えば私が知っている例では、鹿本学園ではいろいろと大変だったという話を聞いています。都教育委員会はそのような話は認識しているでしょうか、伺います。

○松川特別支援教育推進担当部長 併置化している大規模校、鹿本学園についてですが、1人の校長のリーダーシップのもとで開校することによりまして、異なる教育部門の間での連携や交流を進め、より効果的な教育活動を行うことができております。
開校後に新しい校舎の一部が完成する場合、できる限り早く教育環境の充実を図るため、年度途中で教室を移転することもございます。その場合、移転前に児童生徒が新しい校舎を見学するなど、学習環境の変化について見通しを持ち、円滑に適応できるようにするとともに、移転の体験を学習に取り入れるなどの取り組みを行っております。

○里吉委員 私がお話を伺った鹿本学園では、開校してから校舎が完成するまで8カ月間あったわけですが、その間どんな様子だったのかといいますと、知的教育部門のお子さんが4月に1回目の引っ越し、翌年の1月に2回目の引っ越しをしたと。知的障害のあるお子さんですから、環境の変化が大変苦手です。教室の引っ越しは本当に負担が大きかった、大変だったというふうに伺いました。
移転の体験を学習に取り入れるなどの取り組みを行っているというご答弁もありましたが、それも結果として、先生たちがそういう機会を前向きに捉えて対応されたのだと思いますが、子供たちに大きな負担となったのは明らかだと思います。
また、校舎が完成するまでの間、肢体不自由教育部門の教室を借りていたと伺いました。その間、特別教室を貸していたわけで、肢体不自由の子供たちからすれば、特別教室を普通教室に転用する。こういうことがここでもあったと。
何といいますか、先ほどもいいましたけれども、この転用が、余り重大問題として扱われていないような印象をやっぱり持ってしまうんです。少なくとも施設や環境がしっかり整うまでは移転や開校はするべきではないということを強く申し上げたいと思います。
統廃合で寄宿舎を減らし、学校は大規模併置校をどんどんつくってきたのが今進行中の第3次計画ですが、毎年議会にはその問題点や改善を求める請願が出されているわけです。
新たな計画は関係者の声や要望をきちんと聞いてつくるよう強く求め、次の質問に移ります。

◆都立高校の増設について

次に、都立高校の増設について伺います。
我が党はこれまでも都立高校を増設することの必要性を繰り返し求めてきましたが、都は増設ではなく、学級増で対応することを繰り返してきました。都教育委員会は、1学年6学級の3学年の学校、つまり18学級の学校を標準としていますが、現在それを超える都立高校は何校あるのか伺います。

○早川都立学校教育部長 毎年度の就学計画に基づき、1校当たり3学年合計で18学級を基本としつつも、それぞれの学校の状況に応じ、最大24学級程度、最小12学級程度で調整し、各学校において適切に受け入れております。
平成26年度の全日制課程高校175校のうち、19学級以上の学校は82校でございます。

○里吉委員 いろいろと調整しているということでお答えいただきましたけれども、都立高校統廃合でどんどん都立高校がなくなっていく中で、都教育委員会は、1学年6学級掛ける3学年、18学級が標準なんだといってきたわけですよね。今お話を伺いましたら、半分近くがその適正規模を超えているということがわかりました。
今お答えいただいたように、最大は24学級を上限としていると伺いました。1学年8クラスですよね。しかし、これも超える1学年9クラスという学校も今あります。現在、1学年9学級の学校は幾つあるのか伺いたいと思います。また、その学校では選択授業や少人数授業などを行うときの教室、どのような対応をしているのか、あわせて伺います。

○早川都立学校教育部長 平成26年度の全日制課程の高校175校におきまして、9学級の学年がある学校は9校でございます。
習熟度別少人数指導や選択科目授業等に当たりましては、普通教室や講義室、特別教室等を使用し、適切に実施しております。

○里吉委員 都が上限と決めた最大24学級を超える高校も9校生まれているというご答弁でした。学校では本当に苦労して、工夫しながら授業をやっているのが実情だと思います。
平成23年に出された都立高校白書の資料によりますと、来年度入学者までは増加傾向が続いて、さらに、減りますけれどもその後、平成33年度以降に大幅増加になる見通しと書かれております。平成23年に出されたこの白書には平成36年までしか記載はありませんけれども、出生数から見ますと、その後も高どまりが予想されます。
請願にもありますように、私は、都立高校を増設する必要があると思うんですね。3年以上も前に、東京都自身が都立高校白書でこのような予測を明らかにしたわけです。今から5年、6年先のことですから、今から準備をしなければ間に合いません。少なくとも、適正規模の学校で対応できるように計画を持つべきではありませんか。都立高校の増設計画を策定すべきと考えます。都の見解を伺います。 ○早川都立学校教育部長 学ぶ意欲と熱意のある生徒を一人でも多く受け入れていくため、毎年度、都内の公立中学校卒業予定者のうち、都立高校及び都内私立高校で受け入れる人数を定めた就学計画を私学側と協議の上、策定しております。この就学計画に基づきまして、都内公立中学校の卒業予定者の増減に応じて募集学級数を定めております。
先ほど申し上げたとおり、18学級を基本としつつも、最大24学級、最小12学級程度で調整し、各学校において適切に受け入れてまいります。

○里吉委員 15の春を泣かせないということで、都立高校をもっとつくってほしいという運動がかつてあって、都立高校がたくさんつくられました。現在では、都立高校統廃合で、それを余りにも減らし過ぎてしまったんじゃないか、こういう声が出されています。実際に全日制の都立高校に行きたいけれども行けなかった、こういう声は毎年この時期出てくるわけです。
改めて、都が行ってきた統廃合計画、人口の予測が正しかったのかどうか見直す時期に来ているのではないかと思います。この質疑はまた別のところで別の機会に行いたいと思います。

◆夜間定時制高校の廃止計画について

次に、定時制高校について伺います。
現在、定時制高校が果たしている役割について、都の認識を伺います。

○早川都立学校教育部長 定時制高校に入学する生徒は、勤労青少年が大幅に減少している一方、学習習慣や生活習慣等に課題がある生徒や、全日制高校から転学してきた生徒、外国人の生徒など、多様な生徒が在籍するようになり、大きく変化してきております。
定時制高校は、こうした状況を踏まえ、個々の生徒の状況に応じたきめ細かい学習指導や生活指導を行っており、真に社会人として自立した人材に育成する上で重要な役割を果たしていると認識しております。

○里吉委員 かつての働く青年が学ぶといった役割から、今では、さまざまな課題を抱えた子供たちが学ぶ、そして、外国人も含めていろいろな方が学ぶ場ということで、きめ細かい学習指導により、社会人として自立した人材を育成する上で重要な役割を果たしている。それが定時制高校だというご答弁をいただきました。
この定時制高校が、統廃合で大分なくなってしまったということで、請願では8王子地区の夜間定時制課程が統廃合として廃課になってしまった。これを再開してほしい。こういう請願です。この統廃合で、八王子地区の夜間定時制がなくなってしまった、この経緯について伺います。

○早川都立学校教育部長 都教育委員会では、平成9年度からの都立高校改革推進計画に基づき、新しいタイプの高校を新設するなど、都立高校の適正な規模と配置を進めてまいりました。
定時制高校におきましても、多様化する生徒、保護者のニーズに応えるため、午前部、午後部、夜間部の授業時間帯を選択できる3部制の昼夜間定時制独立校を新設するなど、定時制の教育条件を改善するという考え方のもと、全都的視点に立って配置と規模の適正化を図ってまいりました。

○里吉委員 今、適正な規模と配置ということでおっしゃいましたけれども、八王子市内では、普通科では南多摩高校、富士森高校、そしてそのほか、八王子工業高校、第2商業高校、合わせて4校の夜間定時制がなくなったと。現在、八王子市内には夜間定時制高校はなくなって、八王子拓真高校という昼夜間定時制が1校あるのみということなんですね。
これで適正といえるんでしょうか。ちょっと減らし過ぎじゃないかなというふうに思うんですが、具体的にこういう請願が出ているわけですから、実態を調べて、八王子地区の定時制を再開すべきだと思うんですが、都の見解を伺います。

○早川都立学校教育部長 平成26年度実施の入学者選抜では、東京都全体における夜間の時間帯で独立して募集枠を設けている定時制の第1次募集につきましては、募集人員2646人に対し、応募人員は1175人、応募倍率は0・44倍でございます。
当初から夜間定時制を希望する生徒につきましては、総体として募集枠は、第2次募集、第3次募集も含めて十分に確保されていることから、中学校段階で適切な進路指導を行うことにより、現在の募集枠で受け入れることが可能と考えております。

○里吉委員 十分可能だといいますが、八王子市内にある唯一の定時制、八王子拓真高校の1次募集の倍率はどうなっているのか伺います。

○早川都立学校教育部長 八王子拓真高校は、午前部、午後部、夜間部の授業時間帯を選択できる3部制の昼夜間定時制高校でございます。
平成26年度実施の入学者選抜における同校の分割前期の応募倍率は、夜間の時間帯で授業を行う3部につきましては1・75倍でございます。

○里吉委員 さっき0・44倍という話がありましたけれども、八王子拓真では1・75倍だと、やっぱり高いんですね。
それで、この地域でいろいろな教育活動をされている方にお話を聞きましたが、今、定時制高校を希望しても入れない子供たちがどこに行っているか。通信制高校に多く行っている現状があるんですね。これは都の資料を見ましても、年度ごとに通信制に行っている子供たちがふえているのがわかると思いますので、ご存じだと思います。
この通信制高校なんですが、なかなか勉強するのが大変な子供が、通信制高校で卒業まで行くのは大変だと。サポート校というのがありまして、それをフォローするんですが、通信制高校に行くお金と、サポート校に行くお金と、払えるご家庭はまだいいんですが、そうでなければ、なかなか卒業まで結びつかない。片や定時制に行けば、本当に、先ほどご紹介がありましたようなきめ細かな教育環境があるわけです。定時制の今日的な役割もあるということを先ほどご答弁いただきました。
そういうことですから、ぜひこういう高校を、必要な子供たちが通えるように、改めて再開を検討していただきたいということを求めておきます。

◆30人学級、少人数学級について

最後に、30人学級について伺います。少人数学級についてです。
10数年間もの間、この議会でもそうだと思うんですが、毎年のように少人数学級を求める請願が出されています。子供たちにはゆったりと落ちついた環境で生活してほしい、どの子にも先生の目が行き届く少人数学級は多くの都民の長年の願いです。私がいろんな場で、都議会で文教委員会に所属していますと自己紹介しますと、本当に多くの方から少人数学級を進めてほしいという要望が出されるんです。
特に小学校2年生の保護者の方は、せっかく少人数で今、2年生で落ちついて学校生活を送っているのに、どうして小学校3年生になったら40人学級に戻ってしまうのかと、こういう怒りといいますか、そういうものを私にぶつけてくるんですね。
私も、本当にそのとおりだということをいうわけですけれども、学校の視察に行っても、別の用事で学校に行っても、校長先生が小学校1、2年生のゆったりした教室と、3年生以上のぎゅうぎゅうした教室をわざわざ案内してくれるんですね。何とか東京都として3年生以上の少人数学級に踏み出してほしい。幾つもの学校でこういうことを経験しました。
全国で少人数学級に取り組まれていますが、どこでも子供一人一人の発言回数がふえたとか、不登校が減ったとか、いじめや問題行動などに早く気づくことができるので早期対応ができるようになったなど、いろんな効果が報告されています。
かつて東京都が少人数学級を行っていなかったときに、少人数学級を求める我が党の質問に対して、30人学級も当然効果はあるでしょうと。しかし、限られた教員をいかに有効に活用するかといった場合には、少人数指導が最もいい指導方法である。こんなふうに答弁していました。
現在は、東京都も小学校1、2年生などで少人数学級にも取り組んでおりますので、改めて少人数学級と少人数授業のそれぞれの効果の違いについて、都の認識を伺いたいと思います。

○金子指導部長 私どもが把握している範囲では、学級規模の大小と学力、問題行動などの相関を直接示すデータはさまざまございますが、結果もさまざまであり、明確な結論は出ておりません。
なお、入学後の落ちつかない状況がいつまでも解消されずに継続するという状態の改善のために、都は各学校の状況に応じて学級規模の縮小とチームティーチングの活用のいずれかを選択できる柔軟な制度を実施しておりまして、この制度により、教員の加配を受けた学校からは小1問題、中1ギャップの予防、解決に効果があったとの報告を受けております。
一方、一人一人の習熟の程度に応じた指導を行う少人数指導は、学習到達度に着目し、個々の状況に応じて、前の学年の内容に立ち戻る指導を行うなど、指導方法や教材を変えることにより、都が行う調査において正答率が上昇するなど、確かな学力の向上に効果がございます。

○里吉委員 今の答弁はちょっと驚きました。データはさまざまあるが、結果もさまざまだと。少人数学級の効果は都としてはわからないというご答弁でしたよね。
しかし、全国で少人数学級を実施している自治体はそれぞれ調査を行って、どれもその効果を明確に示していると思いますよ。各県で効果があるという結果が出ているから、県独自で予算も組んで、国の基準以上に加配をして、35人学級だったり、33人学級だったり、さまざまな少人数学級に取り組んでいるんだと思います。
財務省が、効果が明確でないなどとして40人学級に戻そうという動きもありましたが、県などで少人数学級の効果がわからないから、チームティーチングなどに変えた、こういうところはありますか。知っていたら教えてください。

○小竹委員長 どなたがお答えいただけるんでしょうか。

○里吉委員 知らないなら知らないと答えてくれればいいんだけど。

○小竹委員長 ないですか。

○里吉委員 今、ご答弁がないようなので、わからないということだと思うんですね。
時間がないので先に進みますけれども、本当に小学校1、2年生、中学校1年生、せっかく東京都も少人数学級を始めたわけですよね。小学校1、2年生は、国の予算ですけれども、独自の予算も使って少人数学級を始めたわけですから、その効果がどうなのかということをぜひ検証していただきたいと思うんです。
それで、先ほど、都が推進している少人数指導、習熟度別のことについては大変細かく説明がありましたけれども、ぜひそれと同じように、少人数学級についても、その内容、どのような効果があるのか都として検証していただきたい。
少人数学級は全国各地で取り組まれて、本当に大きな効果が生まれていて、東京都にも毎年こういう要求が出ているわけですから、ぜひ改めて小学校3年生以上、中学校2年生以上の少人数学級、都として取り組んでいただきたいということを申し上げます。
ぜひそのことを強く申し上げまして、私の質問を終わります。