文教委員会速記録第17号

2015年都議会文教委員会での論戦都議会質問

◆東京方式中学校英語科少人数・習熟度別指導に関する陳情について

○里吉委員 それでは、請願27第7号、東京方式中学校英語科少人数・習熟度別指導に関する請願についてお伺いしてまいります。
この請願は、来年度から実施される中学校英語少人数指導について、2つの学級を3つに分ける2学級3展開だけでなく、1つの学級を2つに分ける1学級2展開の少人数指導の道を開くことを求めたものです。
そこでまず、基本的なことからお伺いいたします。
少人数指導を行うためには先生の人数が多く必要になるわけですが、都教育委員会は、国の加配定数を利用して、学校からの申請に基づき教員の加配を行っていると思いますが、現在、中学校への教員加配にはどのようなものがありますか。教科別、それぞれ何人を何校に加配しているのか伺います。

○江藤人事部長 平成27年度に習熟度別指導を実施するに当たり、英語は348人を347校に、数学は498人を498校に、理科は76人を76校に加配しております。

○里吉委員 都内の中学校数は621校ですから、英語の場合は347校、来年度も20数名ふやす予定と伺っておりますので、半分強の学校に1人ずつ加配を行っているということです。  これらの加配は昨年までも行われており、都教育委員会は1学級を2人の先生で教えるチームティーチングにも少人数指導の加配を行ってきました。
しかし、今回示されているこの東京方式では、基本的にチームティーチングではなく、少人数、習熟度別授業を行うこととしております。なぜ少人数、習熟度別に限定しているのか、その理由を伺います。

○伊東指導部長 中学校英語科の指導におきまして、聞く、話す、読む、書くなどのコミュニケーション能力を総合的に育成するためには、生徒一人一人が実際に英語を使用して活動する機会を十分に確保することが重要でございます。
こうしたことから、チームティーチングよりも、少人数学習集団による指導が有効であると考えております。

○里吉委員 学習集団を小さくすることが有効だとのことでした。その学習集団を小さくする場合に、今回の東京方式では、基本的に2学級3展開にすることになっていることから、学校現場ではさまざまな難しい問題が生じていて、今回の請願につながっているわけです。
同じ少人数でも、1学級2展開だったら、よりきめ細かく効果的な学習ができる場合も少なくないと思います。2学級3展開する学校や学年があってもいいけれども、1学級2展開も認めてほしいというのが今回の請願です。
この会には中学校の英語の先生もたくさん加わっていらっしゃるとのことで、また、1学級2展開も認めてほしいというのは校長会などからも要望を承っておりますので、学校現場の共通の願いなのだと感じております。
お話を伺いますと、特定の授業だけ学級のまとまりを崩す2学級3展開では、安心して学習に取り組める学習集団を成り立たせ、また、学習効果を上げようと先生方は努力するわけですが、本当に大変な困難と苦労が伴うとのことでした。
例えば、学校には当然課題を抱える生徒もおりますし、場合によってはいじめなどの人間関係も大変複雑な場合もあります。毎年のクラス編制では、先生方は、学力の平均化はもちろん、そうした生徒のさまざまな状況に配慮して、考えに考え抜いてクラス編制を行って、行事などでクラスの団結を図るなどして、生徒が気持ちよく勉強でき、また成長できる学級づくりに心を砕いているそうです。
ところが、習熟度別の2学級3展開の場合、主に学力のみを基準にして学習グループをつくらなければいけないので、その集団が崩れてしまうという弊害があるとのことです。このことに対する都教育委員会の認識を伺います。

○伊東指導部長 都教育委員会は、少人数、習熟度別指導を実施するための学習集団を編制するに当たりましては、各学校において、教員が生徒それぞれの人間関係を的確に把握するとともに、生徒本人への面談や家庭との連携などにより、適切に決定するよう指導しております。

○里吉委員 人間関係を把握して編制するように指導しているということで、都教育委員会の皆さんも、思春期の中学生の複雑な人間関係への配慮が必要なことは認識していらっしゃるんだと思います。
実際、都教育委員会がつくっているこの東京方式を進めるに当たってガイドラインをつくっていらっしゃいますが、この中にグループの編制が4つ載っていました。そのうち3つまでは、生徒同士の人間関係上の課題等を考慮しつつ編制する方式というふうになっています。そう書いてあります。
残りの一つは学力だけを基準に分けるやり方で、4つのやり方が載っておりました。
現場の先生にお伺いしたところ、既に人間関係に配慮して編制されている1学級を2つに分ける方が、2学級を3つに組み合わせ直すよりはるかにやりやすいし、うまく分けることができるとのことでした。これは普通に考えてもそうだろうと思います。だとしたら、やはり1学級2展開も都教育委員会として認めていくべきではないでしょうか。
また、英語の授業だけ2学級3展開の学習グループで、一から人間関係をつくらなければならないことが、都教育委員会が重視している実際に英語を使ってコミュニケーションする量をふやすことも難しくするんだというお話も現場の先生から伺いました。
英語学習は翻訳マシンではありませんから、感情と切り離して言葉を発することはできません。生徒同士がペアで、またグループで話す場合も、違う学級の知らない相手同士ではなかなか言葉が出てこないそうです。特に学年3学級の場合は、2学級3展開の学級の組み合わせと1学級2展開の組み合わせを入れかえたりして、何回も組分けをすることが多いそうです。そうなると、さらに大変だというお話を伺いました。
1学級2展開なら、既にさまざまな学級活動を通じて知り合った者同士なので、そこがスムーズに進みやすい、こういうお話でした。
また、習熟度別授業で学力差のみに着目してグループ分けをすると、一瞬効果が上がる場合もあるとは思いますが、長期的に見ると必ずしもそうではないというのは大学の先生の研究結果などでも示されておりますが、現場の先生の経験でも、やはりそうだということなんですね。
習熟度別グループを分けた場合、上中下という言葉は余り使いたくありませんが、勉強がおくれているクラスの場合、小さな充実感はあるが、劣等感を持ちやすい。やんちゃな子が集まって、席に座りなさいとか、教科書を出しなさいとか、生活指導だけで時間が過ぎてしまうこともあると。
また、じっくり教えたいと思っても、進度をそろえなければいけないので難しい。こういうお話でした。真ん中のグループでは、自分もあんなふうに話せるようになりたいというモデルとなる生徒がなかなか存在しないので目標を持ちにくい。英語の得意なグループは他人よりぬきんでようという意識が強くなって、自分の力を他人のために使おうとする姿勢が弱くなりがちであるというお話も伺いました。
このようなことを聞いて、東京都教育委員会は、この心配の声をどのように認識しているのか伺います。

○伊東指導部長 学習集団が編制される場合には、一般的に生活指導が大変な生徒や、リーダー性を持たない生徒ばかりが習熟の遅いコースに集まったりしているわけではございません。
また、習熟の遅いコースにつきましては、指導力の高い教員を配置するなど、適材適所の対応を行っております。
いずれにいたしましても、各学校におきましては、生徒一人一人の習熟の程度や生徒が直面する課題に寄り添い、丁寧な指導を展開しております。

○里吉委員 もちろん先生は頑張って教えていらっしゃると思います。生徒の習熟の程度や、生徒が直面する課題に寄り添って丁寧な指導をやっていると思います。
でも、それであっても、今起きている学力差のみのグループ分けにはこうした懸念があることは否定できないわけですね。そもそも学校は、さまざまな子供たちが通っていて、どんな生徒でも受け入れて、その成長と発達を保障するために頑張っているところです。
その中で、生徒同士の学力向上や人間的な成長を最も図ることができると思われる学級編制、集団づくりに先生方は心を砕いているわけです。学びというのは先生から教えてもらうというだけではなくて、仲間からの学びが一番大きいといいます。2学級3展開の習熟度別編制にこだわるのではなく、1学級2展開も含め、生徒の状況に合わせて、学校の判断で一番適切な形態の学習集団を編制しての少人数指導が望ましいのではないかと考えます。
また、請願者の皆さんは、2学級3展開では、1グループが22人とか27人になってしまって、少人数とはいえないと。1学級2展開なら1グループが15人に近づくので、英語教育に有効だとおっしゃっております。確かに、15人の方が実際に英語を使う、先生と会話する機会もふやせることは明らかです。
そこで、改めてお伺いしますが、1学級2展開ではなく、2学級3展開を基本としたのはなぜなのか伺います。

○伊東指導部長 中学校英語科の指導において1学級2展開を実施いたしますと、年間授業時数や学級数等の関係から、時間割りの編成や教室の確保が困難になる場合がございます。
そのため、都教育委員会は、少人数、習熟度別指導に係る教員の加配に当たりましては、加配した学校の全ての学年で少人数、習熟度別指導を実施し、生徒一人一人の習熟に応じた指導が可能となるよう2学級3展開を基本としております。

○里吉委員 今のお答えを伺いますと、1学級2展開にしなかったのは、加配の人数もあると思いますが、教室の数など、物理的な理由によるものということですね。これは確認したいと思います。
私は、都教育委員会が今おっしゃった物理的な理由は、学校の工夫、裁量でどうにでもなると思います。そもそも1学級2展開が2学級3展開より時間割りなどの制約が大きいというのは、本当にそうなのだろうかと疑問にも思いますし、例えば週4時間の英語のうち2時間は一斉授業で文法などの学習、2時間は1学級2展開にして実際の英語を話す活動をするなども考えられると思いますし、学校の裁量で一番効果的だと考えられるやり方をすればよいことだと思います。  ほかにも、学校の先生からお話を聞きましたら、2学級3展開を続けると、学級担任なのに、自分が担任する生徒の中に1年間ほとんど教えることのない生徒が出てしまうというお話、担任としてその生徒のことをよく知った上での的確な生活指導が難しくなり、大変つらいというお話も伺いました。
また、そもそも2学級3展開だと、同じ教材が同時に3つ必要になるが、3つ買う予算もなく、教材が用意できないまま授業を行わざるを得ないという実態もあると伺いました。
現場の先生方は、目の前の生徒たちの状況や、これらさまざまな状況や条件を総合的に考えて、どうすればよりよい教育ができるか判断しております。現場で英語を教えている教員の方々から出された声に応えて、1学級2展開も行えるようにすべきと考えます。もっと柔軟に対応していただきたいと考えますが、見解を伺います。

○伊東指導部長 先ほどもお答えいたしましたけれども、都教育委員会は、少人数、習熟度別指導に係る加配に当たりましては、加配した学校の全ての学年で少人数、習熟度別指導を実施し、生徒一人一人の習熟に応じた指導が可能となるよう、2学級3展開を基本としております。

○里吉委員 同じ答弁の繰り返しをされましたけれども、私、今の答弁は説得力ないと思いますよ。困難とおっしゃいますけれども、学校が加配を提案するわけですから、工夫してこうやりますといえば、当然認めるべきだと思います。
子供たちに直接向き合う先生が、その子供たちに合った教育を考えて実践し、子供たちの学力向上や人間的成長を支えていく、それが学校の役割です。その条件を整備し、後押しするのが都教育委員会の役割ではありませんか。
この英語の東京方式のガイドラインは、先生方の意見も反映させてつくられたともお伺いいたしました。だとしたら、それをもう一歩進めて、少人数の学習集団のつくり方も1学級2展開も含めて柔軟に認めていくことを強く要望し、この請願は採択を主張して質問を終わります。

○里吉委員 陳情27第35号の2について一言意見を申し上げます。
この陳情は、ヘイトスピーチを許さないという意識改革を学校教育で取り組むよう、国に意見書を提出することを求めております。
ヘイトスピーチへの対応については、都議会としても外国人の人権が十分尊重されることを求める意見書を提出しております。特定の民族や国籍の人々を排斥する民族差別をあおるヘイトスピーチは断じて許されない行為です。都教育委員会としても人権教育を行っている旨のご説明がありましたが、この問題の根本にある人種差別につながる偏見を根絶することが大切です。
学校教育の中で、世界にはさまざまな国があること、人種や宗教があること、その多様性について理解を進めることが大切だと考えます。オリンピック憲章でも、人種、宗教、政治、性別、その他の理由に基づく国や個人に対する差別を禁じており、オリンピック教育の一環としても取り組むべき課題です。
以上から陳情は趣旨採択とすることを求め、意見といたします。

◆夜間定時制校の給食についての陳情について

○里吉委員 それでは、私からも質疑を行っていきたいと思いますが、まず、夜間定時制の給食について伺ってまいります。
定時制高校の給食はさまざまな理由から喫食率が低下しているとご説明がありましたが、かつては全ての学校で自校方式で、デザートに至るまで手づくりだったこともありました。それが効率化の名のもとに、グループ方式や外部委託方式に変わってきたことも私は影響しているのではないかと考えます。
そこでまず、現在の定時制高校の給食は、その学校で調理する単独方式やグループ方式、外部調理方式などがあると思いますが、それぞれ何校あるのか、また、生徒全体の喫食率はどのように推移しているのか伺います。

○早川都立学校教育部長 都教育委員会は、定時制高校における勤労青少年の在籍割合の低下や生徒のライフスタイルの多様化等を踏まえ、調理方式を見直すとともに、衛生管理の徹底と、鮮度や味覚の保持にも努め、給食の提供を適切に行っております。
定時制高校のうち、自校内の給食室で調理を行い、自校の生徒のみに提供する単独方式の学校は19校でございます。
また、自校内で調理した給食を他校にも提供するグループ方式の学校は、調理を担当する学校15校と、他校で調理された給食が提供される学校20校、合わせて35校でございます。
調理業務委託業者の施設で調理された給食が配送される外部調理方式の学校は1校でございます。
喫食率の推移でございますが、平成22年度は30・2%、平成26年度は26・4%で3・8ポイントの減であり、年々低下しております。

○里吉委員 さまざまな理由から喫食率が年々微減しているということですが、給食の調理方式ごとの喫食率は特に調査していないということで、それはわからないということなんですが、この年々減っているという喫食率を引き上げるための取り組みを進めるべきだと思います。
定時制高校に通う生徒は、家庭環境など、さまざまな問題を抱えている生徒も少なくありません。今、子供の貧困が社会問題となっていますが、小中学生の中でも学校給食だけがまともな食事という子供たちに対して、栄養のあるおいしい食事を無料で、もしくは安価で提供する子供食堂の取り組みも広がっております。
定時制高校生の中にも、同じような貧困など困難を抱えた生徒が一定数おります。そういう生徒に給食を食べてもらうための取り組みをぜひ進めていただきたいと思います。  私が幾つか入学式や卒業式でお伺いした定時制高校の校長先生からは、まとめての支払いが困難で給食を申し込まない生徒も多い、こういう話も伺っております。
現在の生徒の負担は1食当たり幾らになるのか、この数年で値上がりはしているのかどうか、また、給食費の補助は1食当たり幾らなのか、金額はこの数年で変化しているのか、あわせて伺います。

○早川都立学校教育部長 都教育委員会では、都立学校給食事務の手引を定め、給食費の徴収回数の設定に関して、保護者等に過度な負担がかからないことに留意するよう各学校に指示しております。
給食費は、それぞれの地域において学校給食にふさわしい食材の調達に必要な経費をもとに各学校が決定しており、平成26年度における給食費の平均単価は1食当たり約383円、前年度の約373円に比べ、およそ10円の増でございます。
勤労青少年の定時制課程への就学を促進し、教育の機会均等を保障するため、有職者、求職中の者等を対象に、給食費のうち1食当たり60円を補助しており、補助額は平成18年度以降、同額でございます。

○里吉委員 補助率は10年間ほど変わっていないということで、1食当たり平均383円ですと、20日間給食があるとすると、1カ月で7660円、60円の補助があっても6460円と、この1カ月ごとの徴収にしたとしても、まとめて支払うことがきつい、こういうお話を伺ってきました。
さらに、一度払ってしまうと、食べなくても一度払った代金は戻ってこないということを考えますと、それだったらカップ麺やコンビニのお弁当などを買って食べようと、毎食お金を出してその都度食べようということで、そういう生徒がふえてくるわけですね。
これが毎食ということですと、本当に栄養的にも心配です。ここを生徒のライフスタイルの多様性で仕方ないと見るのではなく、育ち盛りの生徒の体をつくる給食を食べてもらうにはどうしたらいいか、ぜひ考えていただきたいと思います。
改めて小中学校の就学援助のように、一定の所得以下の家庭については給食費免除、または減額するなどの対策も必要だと思います。国においては昨年から給付制の奨学金が始まりました。これが低所得のお宅に出るわけです。今、第1子の場合は給付額が3万7400円、大学生など兄弟がいる第2子は12万6000円と格差があって、第1子、第2子とも同じ金額に引き上げるべきだという議論もあって、これは文部科学省も来年度予算概要で要求しております。
こういうものも引き上げて、給付制奨学金なども使って、ぜひこういう制度も活用して、東京都としても、お金がなくて給食が食べられない、こういう生徒がいなくなるように努力していただきたいということを要望しておきます。
少なくとも陳情にありますように給食制度、給食費補助制度の堅持及び給食の安全性を確保していただきたいということを強く求めておきます。

◆全日制・夜間定時制の併置校におけるスクールカウンセラーの拡充を求める陳情、夜間定時制専用スペースを求める陳情について

次に、定時制高校へのスクールカウンセラーの配置、相談日数について伺います。
これは先ほど質問がありましたので、重なる部分は割愛させていただきますが、全日制と夜間定時制高校を併設している高校において、スクールカウンセラーが定時制高校の課程の生徒から受けた相談件数、具体的にどれくらいあるのか、相談内容はどのようなものがあったのか伺います。

○伊東指導部長 全日制課程と夜間定時制課程を併置している都立高校42校におきまして、スクールカウンセラーが平成27年4月から9月までに定時制課程の生徒から受けた相談件数の合計は846件、1校当たりの平均相談件数は約20・1件でございます。
また、平成26年度からは、いじめの未然防止や早期発見などを目的としまして、第1学年に在籍する全ての生徒を対象に面接を実施しております。
生徒からの相談内容につきましては、友人関係に関すること、進路希望と成績に関すること、学業と仕事の両立に関することなど、さまざまでございます。

○里吉委員 特に仕事と学業の両立にかかわることなどの相談というのは、定時制高校に通う生徒独特の本当に悩みだと思うんですけれども、この件数を見ますと、やっぱり、本来、1日きちんといれば、もっと相談に乗ってあげられるんじゃないかなというふうに思います。
また学校では、こうした問題に対して、スクールカウンセラーとともにスクールソーシャルワーカーも注目されておりまして、今幾つかの学校に試行で入れていると、定時制高校にも入れていると伺っております。
今年度、都立学校においては、スクールソーシャルワーカーの活用をどのように行っているのか、目的について伺いたいと思います。

○伊東指導部長 スクールソーシャルワーカーの活用の目的は、学校だけでは解決が困難な福祉分野からの支援を必要とする問題に対応することでございます。

○里吉委員 スクールソーシャルワーカーの活用、学校だけで解決が困難な福祉分野の支援に必要な対応をしていただけるということで、定時制課程の生徒は、こういった対応も本当に必要だと思います。
全日制課程の生徒に比べて、さまざまな問題を抱えている。家庭にも抱えていたり、本人も不登校を経験していたり、いじめられたことを経験していたりと、そういう生徒たちも多く、中退者も多いことを考えますと、全日制以上に、スクールソーシャルワーカーもそうですし、スクールカウンセラーも必要としている生徒が多いと考えます。
この点については学校からも要望が多いのではないかと思いますが、伺います。

○伊東指導部長 定時制課程に限らず、小中学校を含めて多くの学校から、スクールカウンセラーをより効果的に活用できるようにするために、スクールカウンセラーの常駐や、さらなる資質、能力を向上させるための方策など、さまざまな要望を受けております。

○里吉委員 さまざまな要望があって、都教育委員会としても前向きに検討しているということですから、ぜひスクールカウンセラーのさらなる配置、そしてスクールソーシャルワーカーも含めて、その配置を要望したいと思います。
また、学校図書館については、意見を述べさせていただきますが、民間委託ではなく、正規の職員で定時制高校に司書を配置することを求めます。
学校図書館法が改正されて、学校の図書館司書が法制化されました。この法律でいう学校司書は、学校設置者が雇用する職員であり、事業者が雇用して学校図書館に勤務する者は校長の指揮監督下にならないことから、学校司書に該当しないとされています。実際に業務委託導入校では、1年のうち学校司書が何人も入れかわるなどの事態も起きております。改正された学校図書館法にのっとった改善を求めます。
その他の項目も、前年も含めてこれまで質疑してまいりましたが、毎年陳情が出てくるというその背景には、まだ改善の余地がある、もっと取り組んでほしいというご要望だと思います。
定時制高校生にとって専用スペースの確保や、部活動のための施設などの整備は、学校生活を営む上で欠かせないと思います。さらに工夫し、改善していただくよう求めます。
以上、陳情の全項目の趣旨採択を主張して質問を終わります。