文教委員会速記録第5号

2016年都議会文教委員会での論戦都議会質問

◆小中学生の不登校対策について

○里吉委員 では、私からはまず初めに、ことし2月に出されました不登校・中途退学対策検討委員会報告書、特に小中学生の不登校対策について伺っていきたいと思います。
都内の小中学校の不登校児童生徒数は、2014年度で、小学校で2565人、中学校で7514人となっております。私の身近なところにも、小学校の低学年からの不登校のお子さんがいて、最初はびっくりしたのですが、不登校の親の会の方などから話を聞くと、最近はそんなに珍しくないといわれました。
そこでまず、不登校に対する基本的な認識について伺いたいと思います。
この報告書では、不登校は特定の子供に起こり得る心の問題ではなく、どの子にも起こり得ることであり、進路の問題として捉えることが必要とありますが、これは具体的にどういうことなのか伺います。

○安部教育政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 不登校は、心の問題のみならず、さまざまな要因によって引き起こされるものであることから、どの児童生徒にも起こり得るものとして捉えることが適当でございます。
また、不登校という状況が続くことは、児童生徒の進路選択や社会的自立のために望ましいことではないことから、不登校を児童生徒の進路の問題として捉え、児童生徒の将来の社会的自立に向けて支援していく必要がございます。
先月公表いたしました不登校・中途退学対策検討委員会の報告書では、こうした考え方を示したものでございます。

○里吉委員 さまざまな要因なので、どの子も不登校になる可能性があるんだと。特別な子に起きていることではないんだという認識なんですね。これは、文部科学省の報告などにも書いてありました。
不登校というと、本人が怠けているんではないかとか、親が甘いんではないかとか、昔はそういわれたこともありましたけれども、そんなことではないさまざまな要因があるんだということです。
次に、そのきっかけ、背景についてですけれども、この報告書には不登校の要因については、きっかけも背景もさまざまであり、複雑だと書かれております。このことについても具体的にどのようなことがあると捉えているのか伺います。

○安部教育政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 文部科学省の児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査によりますと、不登校のきっかけは、不安など情緒的混乱や無気力が多く、次いで親子関係など家庭に係る状況、友人関係、学業の不振、教職員との関係などとなっております。
また、中学3年生のときに不登校であった生徒を追跡し、5年後に不登校のきっかけについて尋ねた文部科学省の別の調査によりますと、友人との関係や生活リズムの乱れ、勉強がわからない、先生との関係などとなっております。
前者の調査は学校から見た、後者の調査は本人から見た不登校のきっかけではございますが、いずれの立場から見ても、不登校のきっかけは多様かつ複合的であると捉えております。

○里吉委員 これは、どちらも文部科学省の調査を使っての結果がここに載っているわけですが、文部科学省とか都教委が行った調査で不登校の要因として、無気力とか生活リズムの乱れ、インターネットやメール、ゲームに夢中、そういうことが挙げられていますけれども、当事者の方にお話を伺いますと、無気力だから、生活のリズムが乱れているから、ゲームに夢中だから学校に行かないのではなくて、学校でさまざまなことがあって、そのことから自分を守るために、つらい気持ちを和らげるために昼夜逆転の生活になったり-昼間起きていると、この時間、みんな学校にいるんだなと思うわけですよね。そうすると、その時間、どうしても起きて行きたくない、そうしてみんなが寝た夜中に起きてくる、こういう心理的なものから昼夜逆転が起きる、こういうこともかつて不登校を経験したお子さんから聞きました。
そして、今自分が置かれている状況、本当は学校に行かなきゃいけないのに行けない、そういう状況から、現実から目を背けるためにゲームに没頭してしまう、こういうことが学校に行けない原因としてたくさん報告されています。私も本人からも、お母さんからも、そういう話を聞いています。原因と結果が逆転しているんじゃないかと。
捉え方を誤りますと、ゲームをやめさせれば学校に行くのではないかと、こういう働きかけになってしまいかねませんので、ゲームをやっている背景になるのが何なのかということをしっかりつかむことが必要だと思うんです。
また、本人から見た学校を休み始めたきっかけで多いのは、友達との関係ですね。学校、友達との関係が本当に大きな割合を占めています。しかし、これをよく見ますと、学校の中での教育が競争的だったり、指導が一面的、画一的であったりして、とにかく息苦しく感じられる。そういう中で、子供同士の人間関係も、お互いを尊重し、助け合う、思いやる、温かい人間関係を築きづらくなっているのではないか、こういうことを、親の会もそうですし、教育関係者の方ですとか、いろんな方から私はお伺いしております。
多くの先生が頑張ってくださっていますが、本当に忙し過ぎて、子供たちのトラブルがあったときに、その場で子供とじっくり向き合って対応をし切れない。不登校とは欠席30日以上ですが、そこまで行く前のちょっと欠席してしまったときに、丁寧な対応をする余裕がないのではないか、こういう声も少なくないわけです。
お伺いしますけれども、文部科学省は、学校を休み始めたきっかけの中で、不登校だった方の後追い調査もやっているんですね。これは、平成18年、不登校であった中学3年生の5年後に不登校であった本人に追跡調査したアンケートの結果ということなんですが、この中で学校を休み始めたきっかけについて、26・2%が先生との関係と回答しているんです。これはどういう内容なのか、つかんでいるようであればお伺いしたいと思います。

○安部教育政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 お話の文部科学省の調査は、先ほどの答弁の中にありましたが、不登校であった生徒本人から見たアンケート調査でございます。  学校を休み始めたときのきっかけについて14の選択肢を設け、複数回答により調査をしておりますが、回答の割合が多い上位5つは、友人との関係が52・9%、生活リズムの乱れが34・2%、勉強がわからないが31・2%、先生との関係が26・2%、クラブや部活動の友人、先輩との関係が22・8%の順となっております。
先生との関係の選択肢につきまして、先生が怒る、注意がうるさい、体罰などが例示として示されております。

○里吉委員 例示があるだけで、これ、文部科学省の調査を用いているので、具体的にはわからないということだと思うんですが(発言する者あり)この前のページ、8ページには、学校に対して……

○植木委員長 ご静粛に願います。

○里吉委員 行った調査で、不登校になったきっかけを聞いているんです。これは教職員の方が答えているんですが、不登校になったきっかけ、本人の調査と大きく異なって、小学校で1・7%、中学校では0・5%となっておりまして、この開きが大変気になったわけです。
今の学校がどういう場所になっているのか、子供たち一人一人を本当に大切にする場所になっているのかということも、もう少し掘り下げて考える必要があるのではないかと思いました。  この報告書の中に出てくる文部科学省、そして都教委の調査の全体を見せていただきたいといったんですけれども、これはなかなか公表していただけないので、全体像がよく見えないんですけれども、ここに発表されているものを見ただけで-全体を後でぜひ示していただきたいと思うんですが、ちょっと質問項目が不登校の原因を主に子供の心理的な問題だとか、家庭環境の問題として捉える向きが強いんじゃないかなというふうに感じました。
ぜひ、どういう目的で都教委が、どういう方たちにどういう調査をやったのかというのは示してほしいと思いますし、今後、ぜひ学校のあり方という角度からも、不登校の問題を調査していただきたいというふうに申し上げておきます。
そして、今回は小中学校の不登校対策ということで、この問題をずっと都教委としても、それから各区市町村の教育委員会も、学校現場も頑張って対応していただいていると思うんですが、本当にこれがなかなか解決できていないということが、こういうものが出てきたきっかけだと思うんですね。
私は、不登校になってしまった後のさまざまな対策とか、子供の心に寄り添った対応、将来社会でしっかりと自立していける力をどう身につけさせるのか、このことを考えることは大変大切なことだと思うんです。
特に義務教育の小中学校で、学校に行けない、行かないということは、本人にとっても、周りの親や家族にとっても苦しいことだと思います。
現在の相談窓口や学校での対応はどうなっているのか、また、こういう報告書も出して、新しい対策をこれから進めていかれるということなんですが、不登校対策の課題と今後の対応についてまとめてお伺いいたします。

○安部教育政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 児童生徒が不登校となる要因や背景は多様でございます。そうした一人一人の状況に応じた適切な支援を実施するためには、学校や教育委員会による取り組みのみならず、関係機関や専門家と連携した取り組みを強化していく必要がございます。
このため、都教育委員会は、来年度、区市町村教育委員会と連携して、学校や関係機関との支援ネットワークを構築するモデル事業を実施することとしております。

○里吉委員 学校だけでは解決できない場合に、関係機関と連携していくことは本当に重要だと思います。例えば不登校のきっかけ、要因が学校にあった場合は、先生がさらに何度も家に連絡をとることが逆効果になる場合もあると伺いました。
また、親の虐待、ネグレクトや、親が病気で子供が学校に行けない場合などは、地域の保健師さんが訪問したり、場合によっては児童相談所との連携も必要になってくると考えます。
スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーもさらに拡充するとともに、福祉分野との連携を推進するべきと考えますが、今後どのように進めていくのか伺います。

○伊東指導部長 不登校問題の解決を図るためには、教員がスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの協力を得て、児童生徒一人一人に応じた適切な支援を行うとともに、必要に応じて学校と福祉分野の関係機関が連携し、家庭環境の改善に向けて働きかけることが重要でございます。
そのため、都教育委員会は、学校と児童相談所が連携して家庭を支援し、不登校の改善が図られた取り組み等を学校間で共有できるよう、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーによるパネルディスカッションなどを開催してまいりました。
平成28年度は、全小中学校に配置しているスクールカウンセラーの勤務日数を年間35日から38日に増加するとともに、区市町村におけるスクールソーシャルワーカーの配置の拡充を図り、学校と福祉分野との連携を一層推進してまいります。

○里吉委員 スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーという方は、学校の中で福祉的な対応、自治体との橋渡しなど、先生とは別の角度で不登校の子供や家族の支援ができる方です。
来年度も若干勤務日数を拡大するというご答弁でしたけれども、引き続きこの拡大、拡充に力を入れていただきたいと思います。
また、報告書では、教育支援センター、適応指導教室とも呼ばれていますが、この適応指導教室について、児童生徒にとって心の居場所となり、少しでも気軽に通えることができるような仕組みについて検討することが必要だと、指導内容や指導員等の充実が挙げられております。
私は、この適応指導教室という呼び方も考えていった方がいいのではないかというふうに思うんですけれども、教育支援センター、これまで学校復帰に向けた支援を行う施設として設けられてきたわけですが、これをもっと不登校児童生徒の状態に応じた支援を、より一層充実させるという観点から、より幅広く社会的自立を支援していくことを目的として位置づけることが望ましいというのがこの報告書の結論なんですね。
本当に、より幅広く受け入れる体制、それから、専門的な知識を持った指導員を配置できるようにしていただきたいと思います。
私が聞いたあるお子さんは、教育支援センターにやっと行ったら、ちゃんと頑張って通ってくださいね、そういうふうに一言いわれただけで、あれでは学校と一緒だ、あそこに行けるなら学校に行けると、お母さんにいったそうです。毎日同じ場所に通えないからここに来たのに、毎日ちゃんと通ってねと。悪気はなかったと思うんですけれども、そういうところなんだなというふうに、私もお母さんの話を聞いて思いました。
まずは、学校に行けない子供の安心できる居場所として、教育支援センターが各区市町村に配置されるように考える必要があると思うんです。
これまで教育支援センターは、区市町村の事業として、特に国や都の支援はなかったわけですが、都として今後はどのような対策を検討していくのか伺います。

○安部教育政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 不登校の小中学生の学校復帰を支援するため、区市町村教育委員会では、学校外の施設として適応指導教室を設置しております。
不登校児童生徒の支援のためには、再チャレンジのための教育の場の充実が必要であり、都教育委員会は今後、適応指導教室のあり方について、設置主体である区市町村教育委員会とともに検討していくこととしております。

○里吉委員 ぜひ子供たちの安心できる居場所として拡充していただきたいと思います。  そして最後に、この報告書、70ページですかね、未然防止ということで、基本的に不登校を生まない、そのための対策について書かれております。
魅力ある学校、学級づくりを推進していく必要があるというふうに書かれておりますが、どう対応するのかということが問題なんですね。学校が一人一人の個性を認めるようなゆとりがないんじゃないかという声もあります。
先ほどいいましたけれども、先生が忙し過ぎる、子供と向き合う時間が少ないという問題を解決しないと、現実、実現することは難しいんではないかという声もあります。
都教育委員会として、この未然防止についてどのように対応を考えているのかお伺いいたします。

○伊東指導部長 小中学生の不登校を未然に防止するためには、児童生徒にとって、学校や学級が確かな学力を獲得できる場であるとともに、豊かな心や体力、健全な人間関係を身につけられる場であることが重要でございます。
都教育委員会は、こうした魅力ある学校、学級づくりを推進するためには、子供に直接指導する教員の指導力を高めることが必要であると考えておりまして、研修等を通して、教科の指導力だけでなく、カウンセリングマインドなど、子供に寄り添い、悩みを受けとめることができる教員を育成しております。
また、不登校傾向にある子供への対応は、校長を初めとして学校内の全ての教員が適切な役割分担のもと、組織として丁寧に行うとともに、関係機関とも連携を図るなど、校内体制を整備するよう、区市町村教育委員会と連携して各学校を指導しております。

○里吉委員 いろいろお答えいただきました。不登校の親の会の方などから、何人かからお話を聞く中で、不登校対策の未然防止として、学校ができることはまだまだあると私は感じました。それは、学校がみんな違ってみんないいという、一人一人を本当に尊重した場になることだと思います。子供一人一人が学校で、教室の中で自分を認めてもらっているという実感が持てることです。少人数学級にすることや先生の多忙化を解決することがやっぱり必要だと思いました。  今後、この報告書を具体化して対策に取り組んでいただくと伺っておりますので、この問題については引き続き注視してまいりたいと思います。

◆夜間定時制高校の廃止問題について

それでは、次の質問に移ります。次に、都立高校改革推進計画新実施計画の中の特に夜間定時制高校廃止問題について伺います。
この計画案が昨年11月26日に発表され、寄せられたパブリックコメント252件中177件が定時制に関する意見で、そのほとんど、170件以上が小山台、雪谷、江北、立川の定時制の存続を求める意見だったということが報告されました。
都議会にも冒頭にご説明いただいたとおり、学校それぞれの存続を求める会や廃止に反対する会、同窓会、また夜間中学の会などから請願陳情が出されています。夜間定時制は大切な学校である、これは多くの都民の共通の思いだと思います。
我が党は、白石たみお議員の本会議の代表質問でもこの問題を取り上げて、廃止撤回を求めました。白石議員が本会議でも伺いましたが、夜間定時制高校の中でも、なぜたくさんの生徒の通っている学校、交通の便がよく通いやすい学校を廃止にするのかというのは、都民の素朴な疑問です。
そこで改めて伺いますが、なぜ立川高校定時制のような生徒数の多い人気のある学校を廃止にするのか伺います。

○出張教育改革推進担当部長 立川高校定時制は、交通利便性が比較的よいため、生徒は広範な地域から通学しております。そのため、閉課程を行っても代替して受け入れ可能な夜間定時制高校が多数存在しております。
具体的には、請願陳情審査説明でもご説明したとおり、周辺に福生高校、町田高校、神代高校、農業高校普通科、青梅総合高校、五日市高校併合科、瑞穂農芸高校併合科などの夜間定時制課程が存在しており、これらの夜間定時制課程の平成27年度の募集人員480人に対する在籍生徒数は354人、割合は73・8%であり、立川高校定時制課程の閉課程後も、夜間定時制課程を希望する生徒を受け入れられます。
また、立川高校定時制の第1学年の募集人員に対する在籍生徒の割合は、平成27年5月1日現在107・8%でありますが、今後、立川地区チャレンジスクールの新設開校や近隣にある砂川高校の夜間部の増学級により、相当程度低下することが見込まれます。
このようなことから、立川地区チャレンジスクールの新設や既存のチャレンジスクールと昼夜間定時制高校の夜間部の規模拡大の進捗や、夜間定時制課程の応募倍率の推移などの状況を考慮しながら、立川高校の夜間定時制課程を閉課程してまいります。

○里吉委員 代替として受け入れ可能な夜間定時制が多数存在、たくさんあるというのは、私は驚くべき答弁だと思いますよ。今周辺の高校として挙げた7校、これは多摩地域にある夜間定時制の普通科と併合科のほとんど全部ですよね。定員いっぱいに生徒が入学している東久留米総合だけ外れていましたけれども、多摩地域というのはとても広いです。それを一まとめにして、募集人員に対する充足率が73・8%だからあきがある、そこへ通えというのは余りにも乱暴です。
例えば、私も実家が八王子市ですのでよくわかりますが、八王子というのは本当に広くて、八王子の駅に出るまでだって大変なところがたくさんあるわけです。そして、かつて八王子市内には、南多摩、富士森、第2商業、八王子工業の4つの定時制がありました。それが前回の統廃合のとき、全てなくなりました。かわりにできた昼夜間定時制の八王子拓真は、前期試験も後期試験も高倍率で、極めて入りにくい学校です。だから、八王子の生徒はみんな立川に通っているんです。
そこで、改めて伺いますが、八王子市内の生徒の周辺のどこに夜間定時制高校があるというんでしょうか。お答えください。

○出張教育改革推進担当部長 先ほど答弁いたしましたが、具体的には八王子周辺ですと、福生高校、町田高校、神代高校、農業高校普通科、青梅総合高校、五日市高校、瑞穂農芸高校等がございます。
なお、八王子の中から立川高校に通う場合ですが、自宅から立川高校への経路でございますが、さまざまな場所に住んでいると思います。その中では41分ほどかかりまして、通学定期代は1万2320円というような状況でございます。
なお、この立川高校に通わず、京王線を使って農業高校などに参れば、45分で参れまして、金額は9810円となっているところでございます。そのようにさまざまなところで受け入れてまいりたいと考えております。

○里吉委員 そうなんです。さまざまいるんです。だから、行ける子もいるかもしれません。でも、例えば、じゃ、八王子はJRと京王八王子、分かれているわけです。歩いて7、8分かかります。ですから、京王線を使うのに、JRの八王子駅から歩いていかなければならない生徒、そういう生徒さんはさらに余計時間がかかります。
今、私は、JRの西八王子駅までバスで15分というところから通っている方からお話を聞きましたけれども、今部長がお答えになったように、まず家からJR西八王子駅までバスで15分、立川駅まで15分、駅から学校まで10分弱、40分ほどあれば行けます。
ところが、町田高校に行こうと思えば、まず駅までバスで15分、西八王子駅から八王子で乗りかえて、町田駅まで35分、町田駅から学校まで15分弱、1時間以上かかります。
私も全部調べましたけれども、本当にたくさん時間がかかるんですね。立川定時制高校が廃止になれば、八王子の子供たちは、さらに遠い学校に通うしかなくなることは事実ではありませんか。そのことについてはどうですか。

〔発言する者あり〕

○植木委員長 ご静粛に願います。

○出張教育改革推進担当部長 先ほど答弁させていただきましたように、八王子から立川高校に通うお子さんが農業高校の方に行った場合のことでございまして、町田ですと西八王子に出ていくというのは、やはり非常に不自然な経路ではないかと思っております。

○里吉委員 八王子はすごく広くて、どこに住んでいるかで議論してもしようがないのでやめますけれども、

〔発言する者多し〕

八王子市内は……

○植木委員長 ご静粛に願います。

○里吉委員 八王子に住んでいる子供たちの多くが立川定時制高校に行っているのは事実なんですよ。立川の次に八王子から通っている子が多いことは事実なんですよ。
それはなぜかといえば、4年間通い切れるという場所にあるからではありませんか。4つの定時制高校を八王子市内から廃止しておいて、最後、中央線沿線ではもうここしかないという立川定時制高校を何でなくすのか。
通えるところがあるじゃないか、それは本当に心身ともに健康な子供で、本当に根性がある子は通いますよ。でも、定時制高校に通う子というのはそういう子ばかりじゃないんです。だから、身近なところに高校があることが大事なんだということをこれまでも繰り返し求めてまいりました。
それから、チャレンジ高校のことについても、かわりにあるんじゃないかということで、最初の説明のときにお話がありましたけれども、多摩地域にチャレンジ高校はぜひつくっていただきたいと思います。
しかし、それは多摩地域にチャレンジ高校がない、入試倍率が高いということを解決するためです。先日の入試でも、1次試験だけで八王子拓真と砂川合わせて216人の不合格者が出ています。3月10日の2次でも99人が不合格です。チャレンジ校1校では吸収できませんよ。
立川定時制高校の廃止とは関係なく、八王子の地域、多摩の地域にチャレンジスクールはつくるべきなんだということをいいたいと思います。そして、それをつくったからといって、八王子定時制の受け皿にはないということもあわせていっておきたいと思います。
それでは、もう一つ代表質問にかかわってお伺いしたいんですけれども、江北高校のかわりに通学可能な周辺校として板橋区の大山高校を代表質問で挙げました。白石議員はその話で、大山高校に行くには、電車だけで50分、3回乗りかえが必要だと、そういう質問をしました。

(発言する者あり)

そうしたら……

○植木委員長 ご静粛に願います。

○里吉委員 足立高校に通学するのが自然だという答弁でしたよね。
しかし、2015年の進学実績を見れば、40人通っているんですが、いただいた資料によれば、高校の生徒の8割は足立区民ですから、単純計算では32人程度足立区民が行っています。
足立高校は定員90名ですが、72人が入学手続しております。ですから、足立高校に全部入り切らないんじゃないですか。足立高校で全部吸収できるんですか。お答えください。

○出張教育改革推進担当部長 夜間定時制課程の閉課程後の通学についてでございますが、江北高校では現在、地元の足立区を中心に葛飾区、江東区、北区から通学しております。このように、夜間定時制課程に在籍する生徒はさまざまな地域から通学しており、江北高校の定時制課程の閉課程後も周辺の定時制高校に通うことで、時間的にも、交通費の面でも影響は受けないと判断しております。
具体的に申しますと、江北高校の今年度の第1次募集、夜間定時制に希望して入ろうとしているお子さんの数でございますが、定員60名のところに16名で、一方の足立高校でございますが、これは定員90名のところに第1次募集で29名でございますので、まだ61名収容が可能な数がございます。先ほどのように、16名以外の30余名、これも入れていくことができると考えるところでございます。

○里吉委員 今、ことしの募集でいっていただきましたけれども、まだこれから2次募もあります。先ほど紹介していただいた校名、陳情説明のときに挙げていただいた南葛飾高校だとか荒川商業というのも挙げていただきましたよね。それもやっぱり八王子と立川高校のときと一緒で、本当にすごい広い地域を挙げているんですよね。(発言する者あり)具体的にはそこを名前で挙げないでいただきたいんですよ。

(発言する者あり)

南葛飾高校は常磐線沿線にあるならまだしも……

○植木委員長 静粛に願います。

○里吉委員 2回も乗りかえが必要なわけですよ。荒川商業は、足立区でも荒川の向こう側ですよね。ほとんど荒川区の区境ですよね。本当に通いにくいところなんです。荒川商業には現在、夜間定時制が3クラスあります。その生徒が行かなきゃいけないわけですから、そこはなかなか募集の対象にはならないんじゃないかということです。
そして、実際に通えないようなところを対象に入れないでいただきたいということ、そして足立区だけでは入り切らない場合のことをいっているんです。そして、夜間定時制の卒業生は皆さんが周辺校として挙げた学校を見て、都教育委員会は心身ともに健康な高校生しか想定していないのではないかと、実際に自分が在籍していたクラスには心身障害者のある生徒などもいたと、そういう生徒は遠くの学校にはとても通えない、そういうことを全く考えていないのではないかといっておりました。生徒の実情を見ていただきたいと思います。
さらに、教育庁は、全定併置の問題で、PTA団体から定時制課程専用の教室、フリースペース等確保してほしいなどの陳情が毎年出されていると答弁をしました。それは、議会に毎年陳情をいただいている定時制通信制PTA連合会のことだと思うんですが、この陳情は夜間定時制の教育課程の改善を求めるものであって、夜間定時制を廃止してほしいという要望ではないと思いますが、確認したいと思います。

○出張教育改革推進担当部長 代表質問で白石たみお議員がご質問された内容は、全日制定時制併置校は、生徒の施設利用や学習時間に制約があるとするが、定時制併置校だからこそできるかけがえのない教育効果を生み出しているという内容がありましたので、その中で、全定併置の課題について述べさせていただいた中にPTA団体から、全定併置校の施設の共用を改善して、定時制課程専用の教室、フリースペース等を確保してほしいなどの陳情がございましたということをご答弁させていただいているところでございます。

○里吉委員 PTAの皆さんがいったのは、全定併置校でも、例えばあいている教室一つ定時制のために確保することができないか、そういうことを実際やっている全定併置校もあるので、ほかの全定併置校でも定時制課程の子供たちの学習環境をもっとよくしてほしい、こういう立場から出したものですよね。
PTAの方々、保護者の皆さんからは、夜間定時制高校が家の近くにあってよかった、子供は定時制に入学して大きく成長した、こうした大切な役割を果たしている夜間定時制をなくさないでほしいという意見を伺っています。
しかも、全定併置の課題の解決といって、結局定時制がそのしわ寄せを受けるというのはおかしいんじゃないでしょうか。定時制高校の教育環境の改善を求めた陳情を定時制高校廃止の説明に持ち出すなどということは、PTAの皆さんにも本当に失礼だと思います。
そして、都教委の皆さんはいろいろおっしゃいますが、結局、45校ある夜間定時制のうちなぜこの4校なのかというのは、12月の文教委員会でも伺いましたが、納得できるお答えはいただけませんでした。
都教委の皆さんはいえないでしょうけれども、さまざま大方都民の見方は、この4校の全日制が進学指導重点校などに挙げられているからではないかということがいわれております。表立ってはいえないけれども、施設や時間の制約なしに進学実績を上げられるようにしたいということではないかと皆さんおっしゃっていますよ。
全日制の生徒が将来の希望を実現するために頑張ることは大事なことです。大切なことです。でも、生徒や保護者、地域の皆さんは、だからといって定時制を邪魔になどしておりません。工夫して勉強して、部活も頑張って甲子園にも行った。定時制と全日制は心の交流もある。教育効果も大きいといっている。このことを考えていただきたいと思います。
そして、きょう、たくさんの請願陳情が出ておりますが、PTAの皆さんだけでなく、4校の定時制廃止計画の見直しを求める声は今もどんどん広がっています。先ほどもこの請願陳情の審査に間に合わなかった、時間が過ぎてしまって千通を超える陳情署名を受け取ってもらえなかったということで持ってきました。そういう意味では、請願の仕組みをよくわからない方もあわせて、今も一生懸命集めている。どんどんふえ続けているんです。
一昨日、陳情を出している会の方が会派回りということでお見えになりました。皆さんのところにも行かれたんじゃないかと思います。署名が2万3千を超えたとおっしゃっていました。1月末時点でも2万以上集まっている。定時制高校廃止の見直しを求める署名が11月末から1月末までの短期間に2万筆も集まっていることを都教育委員会はどのように受けとめているのか伺います。

○出張教育改革推進担当部長 都教育委員会に対しましても、定時制に関する請願等の声が寄せられたこと、また、新実施計画の審議に際して、都民に対して丁寧に説明を行っていくことについて、教育委員から意見があったことなども踏まえ、先ほどお答えしたとおり、さまざまな場面を活用いたしまして、新実施計画に理解を得られるよう説明してきているところでございます。
今後とも、ご理解とご協力を得られるよう努めてまいりたいと考えております。

○里吉委員 理解と協力を得られるように努めるといいますけれども、立川定時制高校の廃止については、昨年12月22日、都教委宛てに地域で説明会を開いてほしいという要望がありましたが、都教委は1月26日に説明会は開催しませんと回答、説明会開催を拒否したと聞いています。
しかし、その後開催された1月28日の都教育委員会では、夜間定時制の閉課程に反対する意見が170件以上あったことが報告され、何人もの教育委員から丁寧に説明していくことが大事だと、大切だという意見も出ていました。
都教育委員会の対応はこの意見と矛盾するものではないかと考えますが、見解を伺います。

○出張教育改革推進担当部長 先ほどもご説明いたしましたが、新実施計画の策定に当たっては、昨年11月の新実施計画案の骨子公表に先立ちまして、新配置計画の対象となっている学校に説明するとともに、校長からの要請により、同窓会等の学校関係者に個別の説明を丁寧に行うとともに、中学生への進路指導にかかわる区市町村教育委員会へも説明を行い、周知しております。
また、都教育委員会に、骨子に対する都民からの意見及び都教育委員会宛ての請願等についても報告し、新実施計画とともに審議に付しております。
新実施計画決定後は、新実施計画とあわせて、新実施計画案の骨子に対する都民からの意見とそれに対する都教育委員会の考え方についてプレス発表を行い、東京都ホームページに掲載して都民に周知しております。
また、都教育委員会宛の請願の審査結果を請願者に個別に回答しているところでございます。  さらに、新実施計画案の骨子、新実施計画とともに、都民の代表である当委員会に報告いたしまして、審議をしていただいているところでございます。
このように、都民、特に立川高校の関係者に対して、決定計画前からさまざまな場面で新実施計画の内容と都教育委員会の考え方を十分説明していると考えているところでございます。

○里吉委員 さまざま説明しているというご答弁でしたが、本当に丁寧に説明していくという対応をとられたいのであれば、最低限求められた場所に行って説明はするべきではないでしょうか。
各学校関係者の方、保護者やOBの方が中心になって、学校近くの駅前などで署名を集めていました、ここに出すためにね。小山台高校の前では、武蔵小山の駅前では1時間で400筆集まったそうです。
立川駅前では、毎回30人以上の方々が参加して、何回も署名を集めているそうです。立川駅前では、立川定時制のOBだという方が話しかけてきて、この宣伝を見て立川定時制の廃止計画を知ったけれども、本当かと。今の自分があるのは立川定時制があったからだと。絶対になくさないでほしいと署名をしてくれた、こういう話がいろんなところで出ているわけです。こういう声が広がっているから説明会の要望をしているわけです。
少なくとも都教育委員会は責任を持って、説明会をしてくれという要望があれば応えるべきだと思います。そして、私は、そこに署名した人たちの思いを受けとめて、計画は見直すべきだというふうに思うことも申し上げておきたいと思います。
そして、次に、定時制高校はこれまでもいろいろ議論がありましたけれども、いろいろな生徒のニーズを受けとめている学校だということについて幾つか伺っていきたいと思います。
夜間定時制は、高校に行きたい生徒たちにとって最後のセーフティーネットの役割を果たしています。募集人員に達していなければ、基本的には申し込んだ生徒全員を受け入れてくれるのが夜間定時制です。
今回、夜間中学の会からも陳情いただいていますが、夜間定時制高校には夜間中学の卒業生の多くが進学しています。この10年間の推移、私も見せていただきましたが、進学した方々のうち、この3年間は70%以上が定時制に進学しているということです。
ちょうどこの4校の近くにも夜間中学校があって、4校にそれぞれ進学していらっしゃいますし、小山台など13人も進学している年もありました。
働きながらでも、日本語がそれほど上手でなくても、高齢でも、不登校の経験を持っていても自分らしく学べることを志せた人は、受け入れるセーフティーネットとして夜間定時制高校がなければ、夜間中学卒業生の進学の道は閉ざされてしまいますと訴えていらっしゃいます。
また、昼間の中学に通っている外国につながる生徒の皆さんたちにとっても、夜間定時制は大事な進学先です。先日、福生市内で外国につながる生徒の支援を行っているNPO法人の方にお話を伺いました。多摩地域では、全日制高校の入試での外国人枠はないので、日本語が母語でない生徒の高校進学は大変なんですけれども、最後は、青梅総合の定時制高校にみんな行くんだと。最後はそこが救ってくれるんだとNPO法人の方はおっしゃっていました。
関東弁護士会連合会では、2月25日、外国につながる生徒の権利の保障の見地からも、東京都教育委員会の夜間定時制高校4校の廃止決定に反対する理事長声明を出しております。
4校の中には、外国につながる生徒のために特別の取り組みをしてきた学校があって、計画で廃止した場合、どう継承、実施していくのかが示されていないと指摘されていますが、どう対応するのか伺います。

○伊東指導部長 お話のような取り組みにつきましては、小山台高校以外の学校でも行われております。
今後、都教育委員会は、定通教育指導体験発表会など定時制課程の特色ある取り組みを発表する場におきまして、このような取り組みについても情報を提供するなど、全都に普及してまいります。

○里吉委員 日本語指導が必要な外国人が在籍している都立学校では、どこでも対応していただいているということはお伺いしました。しかし、学校設置科目に多文化理解のようなものを設置して、対応するさまざまな取り組みを重ねてきた小山台高校のような蓄積は、すぐには他の学校ではまねができないものではないかというふうに考えます。
私も、この学校が文部科学省の研究指定校にもなっているということで、ホームページも見せていただきましたし、直接お話も聞かせていただきましたけれども、給食もそれぞれの生徒の国の伝統食を出して、そこにはメニューやその背景、原材料もルビ振りで用意して、いろんな国の食文化も学べる。また、保護者会には何人もの通訳の方を用意して、どの国の保護者の方も先生とコミュニケーションがとれるようにしている。こういうきめ細かな対応がされているわけです。
だからこそ、小山台高校、2014年度、16カ国から34人が通っていると。駅前30秒という立地のよさもあって、ここの場合は、特に外国籍の方の場合は遠くからでも通ってくるということでした。
一昨日、卒業生らが都庁内で記者会見も行って、存続を求めました。東京都は、多文化共生社会を目指すといっているわけですから、こうした学校は廃止すべきではありません。
また、不登校経験のある子供の進学としても、チャレンジスクールとは違う意味で重要な進学先となっているのが定時制高校です。ある不登校を経験したお子さんは、人混みが怖い、電車に乗れないので自転車で行ける学校に行きたい、ずっと学校に行っていないので、ゆっくり勉強がしたいので、夜間定時制に行きたいと、ある日、自分から定時制高校の見学に行ったそうです。そこで、いろんな人がいて、みんな違うから、俺もいやすいんだといって、今、毎日定時制高校に通っているそうです。そういう大事なセーフティーネットの学校ですから、通いやすいところにあることが大切なんです。
改革推進計画には、中卒で正規の仕事などない今の時代に、正規職についている生徒だけを捉えて、勤労青少年が減っているので、夜間定時制の役割は終わったといわんばかりの書き方がされていて、アルバイトで家計を助けている生徒もたくさんいるので、これはおかしいと思います。
夜間定時制は、それに加えて、ぜひ今申し上げた多様なニーズに応えるセーフティーネットとしての役割も認めて、中学卒業後の進学先の一つとして都民に知らせていただきたいと思います。
例えば今、全日制に行けなかったり、自分のペースで学びたいと考えている子供たちの進学先の一つとして、通信制高校と連携したサポート校がふえています。都立のチャレンジスクールでは、入試の合格発表の日に、学校周辺でサポート校の立派なチラシ、パンフレットが配られているそうです。不合格だった人は、ぜひサポート校にということだと思うんですね。
サポート校も進路の一つでありますが、学費がとても高いのが現状です。あるサポート校に通う子にお話を聞きましたが、高校就学支援金約10万円をもらっても、通信制高校の授業料とサポート校の授業料を合わせて年間80万円以上の負担になるとのことでした。
私は、経済的心配なく学べる学校として、夜間定時制ももっと認知されていいのではないかと思っています。
夜間定時制高校は募集人員に対して在籍生徒数が下回っているといいますけれども、勤労青年が多く通っていたかつての夜間定時制高校とは違う、現在の存在意義や教育内容などについてももっと広く都民に知らせていただきたいと思いますが、見解を伺います。

○出張教育改革推進担当部長 都教育委員会は、都立高校について、受験生や保護者などの理解を促進するため、毎年、東京都立高等学校に入学を希望する皆さんへと題する冊子を公立中学校3年生全員に配布しております。
また、中学校の進路指導担当を対象に、公立中学校における進路指導のための都立高校説明会を実施しております。
さらに、各高校のホームページを活用した情報発信のほか、都立高校入試相談コーナー、教育相談センター等における個別の進路相談の場面などでも情報提供しているところでございます。
このほかに、夜間定時制課程に関しましては、定時制課程、通信制課程入学案内を毎年度作成いたしまして、公立中学校に配布するなどの取り組みを行っており、今後も同様に実施してまいります。

○里吉委員 私も定時制課程、通信制課程の入学案内を見ましたが、夜間定時制高校の案内が、日中働きながら高校に通いたいなという生徒に適した学校と昔ながらの案内なんです。今もっと多様なニーズにも応えているわけですから、この書き方もぜひもうちょっと工夫していただきたいなと思いました。
それから、サポート校に行った子供たちにお話を聞いたんですけれども、定時制は4年かからないと卒業できないと思っていたというんですね。幾つかの学校では3年で卒業できる夜間定時制もあります。こういう制度もぜひPRしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○出張教育改革推進担当部長 ただいま、定時制課程、通信制課程入学案内がございますが、この中に適切に3修制のことについて書いてございます。
学校数といたしましては、21校にこういう3修制があるということも紹介をしているところでございます。

○里吉委員 ぜひこういう制度もわかりやすく周知していただきたいと思います。
そして、最後に、我が党の白石都議の代表質問での夜間定時制廃止撤回を求める質問に都教育委員会は、チャレンジ、昼夜間の整備の進捗や夜間定時制の応募倍率の推移等の状況を配慮しながら、一部の夜間定時制を閉課程していくと答弁されました。これは、夜間定時制への希望者が多ければ、4校の閉課程を再検討するということなのでしょうか。
また、一部の夜間定時制を閉課程ということで、名前をいいませんでしたけれども、4校に加えて、さらに閉課程する可能性があるということなんでしょうか。あわせて伺います。

○出張教育改革推進担当部長 今答弁したとおりでございますが、社会情勢の変化等により、夜間定時制課程の応募倍率が大きく変動した場合は、計画している4校の閉課程の時期を配慮する場合もあるということでございます。
また、一部の夜間定時制課程とは、小山台高校、雪谷高校、江北高校、立川高校の4校をいいまして、新実施計画では、4校のほかの夜間定時制課程を閉課程することは予定しておりません。

○里吉委員 今、大事なご答弁だったと思います。計画している4校の閉課程の時期については配慮する場合もあるということでしたので、これは確認したいと思います。
夜間定時制全体の応募倍率が大きく変動した場合とおっしゃいましたが、やはり都教育委員会の皆さんのいうとても通えない周辺校にあきがあるからということではなくて、4校それぞれの入学希望者がたくさんいるのですから、入学希望者が多いのに廃止するべきではないと考えます。
例えば立川などは、最低でも、新しいチャレンジ校の開校とあわせて募集停止などにするのではなく、両方存続させて様子を見ることが必要だと思います。チャレンジ校の新設と直接関係していない学校も拙速に廃止すべきではありません。
都教委の推計では、今後、中学卒業生数は一旦、3500人程度減ります。その後増加するんですね。2028年度には、今年度より5287人もふえると推計されています。  卒業生がふえれば、定時制に来る生徒もふえることも予想されます。そのときに、夜間定時制があれば学級増で対応できますが、廃止してしまったものを再開することは容易ではありません。
これまでも夜間定時制高校は、募集人数が何年も少ないと学級数を減らすというやり方で、学級数の増減で対応してきたと思うんですね。今ある4つの学校をなくすということではなくて、そういった柔軟な対応をこれからも行うべきだと思います。
そして、夜間定時制高校のかわりにチャレンジスクールをふやすということについても、私は、夜間定時制とチャレンジスクールは違うんだとこれまでも申し上げてきましたが、一番の違いは、夜間定時制は学年制でクラスがあることなんです。クラスがあるからこそ、クラスで支え合って頑張れた。何日も学校に行かないと、クラスの仲間が心配して電話をかけてきたり、バイト先まで押しかけてきて、どうしたのかと声をかけてくれる、そういう仲間や先生がいたから4年間頑張って卒業できた。本当に強いきずなで結ばれているのだということを感じました。
一つメールを紹介したいと思います。送られてきたものなんですが、私も小学校からの不登校で、定時制高校が初めて通えた学校でした。4年間の学校生活の中でやめてしまおうかと思ったこともありましたが、先生の励ましで卒業することができました。先生とそういうコミュニケーションがとれたのも、気軽に通える場所に学校があったから、少人数のクラス編制だったからだと思います。定時制高校で自分の存在が認められた経験があるから、社会に出て働き、生きていけるのだと思っています。これ以上夜間定時制がなくなることなく、今の小中高校生のよりどころとして存続し続けることを願っています。これは、白石都議の質問を報道で知った方から都議会共産党に送られてきたメールです。
都議会にも8本の請願陳情を出されております。署名数は今もふえ続けております。映画監督の山田洋次さんを初め、元都立夜間定時制の先生で、ノーベル賞を受賞した大村名誉教授を初め123人もの文化人や学者、また東京弁護士会が廃止反対の声明を出されています。こうした声に向き合って、都教育委員会は4校の定時制廃止を撤回することを求めます。
請願陳情の採択を主張して、私の質問を終わります。