文教委員会速記録第18号

2016年都議会文教委員会での論戦都議会質問

◆障害者総合スポーツセンターの改修工事について

○里吉委員 それでは、私からも障害者総合スポーツセンターの改修について伺ってまいります。
東京都障害者総合スポーツセンターは築30年を経過しており、老朽化していることから改修を行うものです。
さらに、今、質疑にもありましたように、利用者の要望にも応えて増築すると聞いております。
改修により、駐車場の台数や家族更衣室、テニスコートなど、具体的にどれくらいふえるのか、また、トイレの改修など、改善について改めて伺います。

○田中スポーツ施設担当部長 東京都障害者総合スポーツセンターの改修計画の策定に当たっては、利用者の要望を踏まえ、利便性や快適性の向上を図ることとしております。
具体的には、駐車場は33台から47台に、家族更衣室は男女別の更衣室の一角を区切って使用していたものを4室に、テニスコートは2面から3面に拡充いたします。
また、トイレについても、車椅子で使用できるトイレをふやしたほか、オストメイト用流しやベビーチェアを追加で設置するなど、機能を拡充いたしました。

○里吉委員 ありがとうございます。プールの家族更衣室は、先ほどもお話がありましたけれども、今はプールの女子更衣室を入ったところに一つしかありませんが、これを2つにふやして、しかも廊下から直接入れる仕様にすると伺っています。
成長してきた男の子をお母さんが介助する場合、気兼ねせずに使えるようになるということで、大変重要な改善だと私も思います。
ほかにも、現在のトレーニング室を会議室にする、卓球室を拡張する、増築棟に現在より大きなトレーニング室と多目的スペースを設けるなどの拡張が図られるということで、利用者の皆さんも大変期待していらっしゃるというふうに思います。
同時に、利用者の方や指導員の方などからは、障害があるだけにほんの少しの違いで使いやすさに大きな差が出てしまう、細かい仕様が実はどうなっているのかも大変大事で、そこが気になるというお話も伺っております。
今後、ぜひ、細かい部分をつくってしまう前に情報提供もしていただいて、利用者の要望も聞く機会を設けていただくことを強く要望しておきます。
また、今回は工事期間が長くなることから、これも利用者の声に応えて、全て閉館とせずに、一部利用しながら工事を進めると伺っております。具体的にどのように行うのか伺います。

○田中スポーツ施設担当部長 東京都障害者総合スポーツセンターは、単にスポーツ利用だけでなく、日常のリハビリテーションや利用者同士のコミュニケーションの場としても活用されており、休館期間中の利用者への配慮も課題であります。
このため、グラウンドに代替となる仮設施設を設置し、多目的スペースやトレーニングルーム、卓球室などを設け、工事期間中も利用者が継続的に活用できるようにいたしました。

○里吉委員 障害者の方が使える施設がまだまだ少ない中で、仮設施設を設置していただくことは大変重要だと思います。
同時に、改修のときにも要望の大きかったプール。プールはもう少し大きくしてほしいというものでした。これはなかなか実現はできなかったわけですけれども、閉館中も他のプールが使えるようにしてほしいという要望もたくさんいただいていると伺いました。
今回、改修でプールは大きくできなかったわけですけれども、閉館中のプールの代替についてはどのようにするのか伺います。

○川瀬スポーツ計画担当部長 工事期間中に設置する仮設施設におきましては、スペースが限られることからプールの設置が困難であります。そのため、利用者の方には、早い段階から休止期間の館内への掲示や案内チラシの配布などにより、事前の周知を図っております。
加えて、必要に応じて家族更衣室が設置されているかなど、バリアフリー状況に応じた公立施設を紹介してまいります。

○里吉委員 プールを個人利用する場合は、今お話があったような他のところを紹介していただけるということで、何とかなるというふうに障害者の方もおっしゃっていました。
しかし、サークルをつくって団体利用している皆さんは、他の施設の団体貸しの場所に割り込むのがなかなか大変だという話も伺いました。
私の知り合いの視覚障害の方もサークルをつくって利用しているそうなんですが、障害者スポーツセンターなら送迎バスもあって、一人でも行けるそうなんですね。そういうことも含めて、他の施設ではなかなか難しいということで、この団体は残念ながら改修中は休みにするしかないというふうに考えていると伺いました。
プールは、障害のある方にも、健常者の方にもですけれども、大変人気のあるスポーツで、障害のある方にとっては気軽にスポーツできるところなんですね。ですから、やっぱりもっといろんなところにあることが必要だと思います。
オリンピック・パラリンピック準備局さんで、今年度から特別支援学校の体育館を利用した地域スポーツ事業を開始していただいていますけれども、これには今のところプール活用が想定されていません。
以前にも質問いたしましたが、特別支援学校のプールを温水化して地域に開放していく、障害者スポーツ振興の有力な手段の一つだと思います。ぜひ教育庁とも連携していただいて、前向きに進めていただきたいと思います。
今回の改修は大変前向きな部分、大きくするということで、案件には賛成いたしますけれども、あわせて、もう一歩進めるためにプールを新しくつくるということもご要望させていただいて、私の質問を終わります。

◆都立文化施設の指定管理者の指定について

○里吉委員 私からも第206号議案、都立文化施設の指定管理者の指定について伺います。
今回は、江戸東京博物館、写真美術館、現代美術館、東京都美術館、東京文化会館、東京芸術劇場の6施設の指定管理者として、特命で東京都歴史文化財団を指定する、指定期間は4年間との提案です。
私も、もともと指定期間10年としていたものが4年になったところ、疑問に思っている一人です。今回、指定期間を10年ということで事業計画書は出してもらっています。審査もそれをもとに妥当と評価されたけれども、都政改革本部の内部統制プロジェクトチームの中で、歴史文化財団を含む監理団体の指導監督について検討が行われるので、そのこととオリンピック・パラリンピックの文化プログラムを着実に進めることを考慮して、4年間の指定期間としたと伺っております。
私たち日本共産党は、これまでも文化施設や図書館などは、事業の専門性や継続性などの観点から、コスト削減が重視され、管理者が短期間で入れかわる可能性の高い指定管理者制度にはなじまないと繰り返し主張してまいりました。
今回は、これまでも都立文化施設の運営を担ってきた都の監理団体の公益財団法人東京都歴史文化財団を特命でしたということで、これには異存はありません。
ただ、生活文化局としても当初10年間の指定と考えていたものがなぜ4年という短期間になったのか、ここは私も大変気になるところです。
そこでまず、指定管理者制度が導入されて10年になります。これまでの江戸東京博物館など文化施設の指定の経過について伺いたいと思います。

○越文化施設改革担当部長 平成18年度の指定管理者制度導入の際、都立文化施設については、制度導入当初であったことから、指定期間を平成18年度から平成20年度までの3年間とし、それまで都立文化施設の管理運営委託を行っていた東京都歴史文化財団を指定管理者として指定いたしました。
その後、平成21年度からは、展覧会や公演等の事業実施に当たり、一定の準備期間を要すること、質の高い事業を実施するには関係施設等とのネットワークの蓄積が大事であることなど、文化施設の特性を踏まえ、指定期間を8年間として、東京都歴史文化財団を指定管理者に指定いたしました。

○里吉委員 地方自治法の改定により、指定管理者制度が導入された当初は、期間を3年と設定したと。これは、2005年当時の議事録を読ませていただきましたら、企画展などの準備には2年間は必要なので、現行の管理受託者、歴史文化財団のことですね、ここと新たに参入を希望する民間事業者との公平性を確保する、つまり、次は公募にする前提で、準備期間として歴史文化財団を3年間、特命で指定したということでした。
そして、その次、指定期間を8年として公募を行って、改修予定のあった東京都美術館とか芸術劇場とかは特命でしたけれども、それ以外は公募を行いました。そして、結果として、歴史文化財団が高評価を得て指定されたという経過です。
当時の選定のときの審査委員の総評では、指定期間について、例えば、東京文化会館では、文化事業は効果があらわれるまで長期間かかるものであるが、3団体が応募していましたけれども、どの提案も長い目で見て育てていく企画が見られなかったと。このことから、数年置きに管理運営者が選定される指定管理者制度への懸念を感じた、こういうことが書かれています。
指定期間8年間での企画提案でも、長い目で育てる企画を提案することは難しいということだったと思います。そして、今回は、もともとは10年間としていたということです。
歴史文化財団からの提案書類、事業計画書、これは運営戦略として10年間の指定期間を生かした各館の潜在力及び6館の総合力発揮のための運営戦略と取り組みについてとありますが、改めて指定期間10年間での提案となった理由を伺います。

○越文化施設改革担当部長 都立文化施設が行う事業は、企画や準備に一定の期間を要するほか、収蔵品の収集及び調査研究等の専門性、学術性の高い業務についても継続的な取り組みが必要でございます。あわせて、専門人材の育成にも相当の期間を要します。
そこで、安定的、継続的で質の高いサービスを提供するため、指定期間を10年間とし、事業計画書の提出を東京都歴史文化財団へ求めたものでございます。

○里吉委員 収蔵品の収集、調査研究等の専門性、学術性の高い業務での継続的な取り組みと人材育成を重視したということですね。重要な観点だというふうに思います。
例えば、収蔵品の収集一つとっても、どのような作品を選定するかの考え方が一貫し、また、見る目を持つ学芸員が専門性を発揮できる状況になければ、これは成り立ちません。
また、東京文化会館や芸術劇場、東京都美術館のように、ホールや展示場を貸し出す施設も含め、長期的な視野に立って、どのように文化や文化を担う人たち、団体を育てていくのか、どのように施設の独自性や特徴を輝かせていくのか、これが大変重要です。
あそこに行けば、何かすばらしい文化的な出会いがあると都民が期待できる施設は、そう簡単にはつくれない、そういうことだと思うんですね。
現代美術館などは、この間若手育成に力を入れておりまして、所在地でも、先ほどご説明がありましたけれども、文化や芸術の好きな若者がたくさん集まってくる本当に魅力的な場所に成長しております。まだまだ成長する可能性を秘めた施設になっているというふうに感じております。
8年間継続するうちに、管理運営状況の評価も毎年行われておりまして、ホームページで見ることができます。S、A、Bの3段階で、S評価の施設数がだんだんふえているということも注目すべきことだと私は思います。
今回は、あえて反対はしませんけれども、事業計画も10年でつくっていることですし、やはり継続性を重視して、4年で途切らせることなく、その先も見越した長期的な視野を持った管理運営をお願いしたいと思います。
そして、最後に、専門人材の育成について伺いたいと思います。これも大変重要なことです。
8年前の公募で指定管理者の選定のときには、歴史文化財団も制度の趣旨から、コスト削減しなければ選ばれなかったかもしれないという危機感で、実は学芸員などの人員削減や給料カットを行って、大変だったと伺っております。
しかし、選定のときの審査委員の総評では、むしろ人材確保や事業の質を重視すべきだという意見が出されました。
東京文化会館では、指定管理者の選定は価格の競争だという思い込みがあるようだが、施設運営や事業の公共性を担保するためには、設置者の拠出、指定管理料は必要である、危険につながる舞台技術のスタッフの削減はあってはならないのはもちろんのこと、人材の十分な担保やすぐれた事業を提示し、必要な指定管理料を求める提案があってもよいと思われた、こういうふうに記述されているんですね。
今回の選定では、歴史文化財団は蓄積されたノウハウと豊富な専門人材を最大限活用した文化振興などが期待できることが選定理由の一つというふうに書かれております。ノウハウの蓄積と専門人材が評価されているわけです。
そこで、今回、指定管理者選定の対象となった6館の現在の学芸員等の正規職員の人数について伺います。また、現在の指定管理期間の初年度から増減はどうなっているのか、あわせて伺います。

○鳥田文化振興部長 今回の指定管理者選定の対象になった6館の平成28年度の正規職員については、東京都江戸東京博物館が28人、東京都写真美術館が13人、東京都現代美術館が13人、東京都美術館が10人、東京文化会館が11人、東京芸術劇場が8人、合計83人であり、その他の有期雇用の職員を含めると、全体で225人となっています。
また、現在、指定管理期間の初年度である平成21年度と比較すると、東京都写真美術館が1人、東京都現代美術館が2人、東京都美術館が6人、東京文化会館が3人、東京芸術劇場が1人増員となっております。合計で13人の増員でございます。

○里吉委員 全体で正規雇用の学芸員83人、8年間で13人ふやしてきたということでした。  やはりこうした人材を大切にする努力が施設の魅力を高め、高い評価を得ることにつながっているのではないでしょうか。学芸員の皆さんに専門性を磨いてもらい、長期的視野に立って力を発揮していただくために、今後とも正規職員の拡大など、都としても支援を強めていただくことを要望し、私の質問を終わります。

◆特別支援教育推進計画(障害児の教育)について

○里吉委員 では、私からも特別支援教育推進計画(第2期)・第1次実施計画(案)の骨子について質疑を行いたいと思います。
私は、これまで繰り返し特別支援学校の教室不足問題を初めとしたさまざまな特別支援教育の環境整備を求めてまいりました。
我が党は、予算委員会でも、現在の特別支援教育推進計画第3次実施計画が終了してもなお221教室、普通教室が不足していることを初めて明らかにいたしました。そして、早急に次期計画をつくり、教室不足を解決することを繰り返し求めてまいりました。
特別支援学校の教室の確保を求めることに関する請願が全会一致で採択されたことも受け、今回の計画案で教室不足解決に向けて動き出したことは大きな前進だと評価したいと思います。

◆特別支援学校の教室不足問題について

まず、普通教室の確保について伺います。
知的障害特別支援学校における普通教室数の目標数ですが、これが数字ではなく、学級数分の普通教室を確保と言葉で表現されているのはなぜか改めて伺います。

○浅野特別支援教育推進担当部長 本計画においては、将来の在籍者数の変動にも適切に対応できるよう、次期実施計画の策定時などに再度推計を行い、必要に応じて施設整備計画を見直すこととしております。
こうした見直しにも柔軟に対応できるよう、学級数分の普通教室を確保としております。

○里吉委員 教室数の目標を決めないことで、この10年間の中で子供の数の変動に合わせて必要な教室数を確保するためだということでした。
今度の計画では、特別教室から転用した普通教室も解消するとされています。ですから、今度は普通教室も特別教室もきちんと確保して対応していくことだということを理解いたしました。
それでは、今の計画で本当に普通教室は不足が生じないのか改めて伺いたいと思うんです。それは、これを読んでみますと、特別支援学校の児童生徒数、今年度に比べ2028年度、2832人ふえる推計になっています。知的障害だけで2584人ふえる推計です。
一方で施設整備計画は、学校の新設が4校、増改修が2校だけです。これだけでは2832人に対応する施設整備にはならないと考えます。
新増設と増改修で何人程度対応できるのか、残りはどう対応するのか伺います。

○浅野特別支援教育推進担当部長 新設、増改修等により確保する教室数については、今後、建築に係る土地の法的規制や土地の形状に応じた校舎配置案等の基礎的な調査を実施した後確定するため、現時点では明らかにできません。  教室確保につきましては、本計画に基づく新設と増改修等のほか、特別支援教育推進計画第3次実施計画に基づく施設整備を引き続き実施していくこととしており、さらに校舎の改築に合わせた必要な教室の確保や既存校舎の活用を行うことで、必要教室数を整備することとしております。

○里吉委員 今、大枠は決まっているけれども、改築計画がどれくらいになるのか、今の時点では示されませんでした。ただ、改築計画もあるので、それで飲み込めると、足りるということでしたけれども、最後確認します。
今示されていない改築計画が、最後これが骨子ではなくて実施計画が出てきたときにはそれも示されて、それで10年後までに現在の2832人増という推計に見合う施設計画となっているということでよろしいのか、最後確認したいと思います。

○浅野特別支援教育推進担当部長 繰り返しの答弁になりますが、新設、増改修等により確保する教室については、今後、建築に係る土地の法的規制や土地の形状に応じた校舎配置案等の基礎的な調査を実施した後確定するため、現時点では明らかにできません。
ただ、教室数を答弁できないからといって必要な数を確保できないわけではありません。ちゃんと確保しております。

○里吉委員 それでは、新しく出てきたものを確認したいと思いますが、次に、学校の施設整備全体についても伺いたいと思います。
今回の計画では、新たな施設整備標準を策定するとしております。新たな標準とは具体的にはどのような改善点が加わるのかお伺いします。

○浅野特別支援教育推進担当部長 計画案の骨子に記載のとおり、多様な学習内容に柔軟に対応可能な可変性の高い教室の整備や防災機能の強化、環境負荷を抑制するための施設設備の整備等、施設設備の充実に必要な内容を盛り込むこととしております。

○里吉委員 それ、私も読んだんですけれども、ちょっと確認したいんですけれども、可変性の高い教室というのは具体的にはどういうものなのか、どういうことを想定しているのか、ちょっと具体例を示していただきたいんですけれども、お答えください。

○浅野特別支援教育推進担当部長 例えば、多目的ルームのような比較的大きな教室を整備いたしまして、必要な場合にはそれを間仕切りすることで普通教室にもできると、そのようなものであります。

○里吉委員 大き目のプレールームをつくっておいて、それが小さくも使えるように、いろいろ使い勝手がいいようにするということでした。
施設整備の充実に必要な内容を盛り込むということで、ここに書かれていた可変性が高い柔軟な基準や標準というのが、一歩間違えれば質の低下につながりかねない心配の声を伺いましたので、今確認させていただきました。そうならないということだと思うんですが、ぜひそうならないようにしていただきたいと思います。
そして、現在の施設整備基準では、普通教室や特別教室については、障害種別、学校種別に教室の数や標準面積などが決められております。少なくとも普通教室を初めとする教室の面積、特別教室の種類やその室数は、現行水準を下回らないことが必要だと思いますが、どうなるのかお伺いします。

○浅野特別支援教育推進担当部長 施設設備の充実に必要な内容を盛り込むこととしておりますが、詳細については現在検討中でございます。

○里吉委員 検討中ということですが、言葉に施設整備の充実というふうにあるわけですから、これを素直に読めば現行基準は下回らないというふうに思いますが、大切なことですので確認させていただきました。詳細がまだ決まらないということなので、詳細が定まった段階で改めて確認したいと思います。
次に、併置校の設置基準について伺いたいと思います。
現在の設置基準というものは、併置校の考え方は特に示されていません。その当時はまだつくられていなかったからかもしれませんけれども、現実には併置校で図書室などの特別教室や体育館やプールが共有になって、授業時間が確保できない、そのために年2回しかプールに入れなかった、こういう状況が生じているということを聞いております。
今後も戸山など併置校が計画されておりますが、十分な教育環境が確保されるように、併置校をつくる場合に標準的な考え方を示すべきだと考えますが、いかがでしょうか。

○浅野特別支援教育推進担当部長 施設整備標準は、障害種別ごとに教育課程の円滑な実施に必要な環境を整備することを目的に、普通教室や特別教室等の標準の面積や数を定め、校舎改築等の際の基礎調査や設計に活用しております。
異なる障害種別を併置する学校を建設する際にも施設整備標準を踏まえ、障害種別ごとの小中高等部の児童生徒数に応じて必要な校舎の面積や設備を設計しております。
併置校には、知的障害と肢体不自由の併置、肢体不自由と病弱の併置、視覚障害と知的障害の併置など、さまざまな組み合わせがあり、さらに設置学部や児童生徒数が各校で大きく異なるのが実情であるため、併置校の標準を作成することは困難であると考えております。

いろいろな組み合わせがあるので、併置校の標準を作成するのは困難だというお答えでした。
しかし、それぞれの障害種別、それから小学校、中学校、高等学部、それぞれの標準はあるわけですから、体育館やプールを初め、それぞれの特別教室も独自に確保できれば、何の問題もないと思います。
しかし、共有する事態が今あるわけですね。ですから、今後、もしそういうふうになったとき、併置校を設置する場合には少なくとも授業時間が確保できるようにとか、歯どめとなるような考え方を示すことが必要だと思いますので、ぜひ検討していただきたいと思います。
それから、新設校が幾つか計画されていますけれども、新設校の開校年度はいつごろを考えているのでしょうか。戸山地区学園特別支援学校は開校予定が10年後となっていますが、なぜ10年もかかるのか。できるだけ早く開校できるようにすべきだと考えますが、見解を伺います。

○浅野特別支援教育推進担当部長 本計画における新設校のうち、八王子地区第2特別支援学校(仮称)は平成32年度、南多摩地区特別支援学校(仮称)は平成36年度に開校を計画しております。
また、墨田地区第2特別支援学校(仮称)及び北多摩地区特別支援学校(仮称)につきましては、現在、設置場所を調整中でございます。
学校の新設に際しましては、基本計画、基本設計、実施設計、建築工事の手順を踏む必要があり、基本計画の着手から開校まで最短で8年の期間を要しております。
現行の第3次実施計画に基づき整備する戸山地区学園特別支援学校(仮称)につきましては、学校設置場所に旧東京都心身障害者福祉センターの建物等が残っており、その解体工事の内容を確定させてから基本計画に着手するため、平成38年度に開校を計画しております。

○里吉委員 解体工事の内容を確定させてからではないと基本計画に着手できないということがちょっとよくわからなかったんですけれども、そもそもこの戸山地区学園、平成22年の第3次計画で計画されたもので、既に6年がたっているわけです。
いろいろ事情があったことは私も承知しておりますけれども、6年たってさらに10年後というのは、やはり開校を待っている方からすれば遅過ぎると思いますので、他の施設も含めてですけれども、一刻も早く開校できるように努力していただきたいということを申し上げておきます。

◆特別支援学校の冷房化について

次に、体育館や特別教室の冷房化について伺います。これも我が党も、そして各会派も繰り返し議会でも取り上げてきたもので、要望してまいりましたので、体育館や特別教室を冷房化するということは大変すばらしいことだと思うんですが、ちょっと確認なんですけれども、改築や改修の予定のある学校でも、2018年度までに全て冷房化するという理解でいいのかどうか確認したいと思います。

○浅野特別支援教育推進担当部長 計画案の骨子に記載のとおり、新築や改築等の工事を予定している特別支援学校につきましては、工事の際に特別教室や体育館の空調設備を整備してまいります。
また、改築工事の際に仮設校舎を設置する学校につきましては、これまでと同様に仮設校舎に空調設備を整備し、対応してまいります。
このような取り組みにより、長期の工事期間に入っているため実施困難な1校を除き、平成30年度までに計画的に冷房化を進めていくこととしております。

○里吉委員 1校を除き全て平成30年までに、あと2年ですね、クーラーが体育館と特別教室につくということで、これは本当に保護者の方や関係者の方たちからも強い要望があったし、子供たちの教育環境の改善という点でも本当に大きな前進だと思いますので、しっかりと進めていただきたいと思います。

◆スクールバスの改善について

そして、次に、スクールバスについても伺いたいんですが、これは資料をいただきました。用意いただいてありがとうございます。ここでは、高校の単独のスクールバスの配車がされるようになったということで、今年度の実績を資料の2ページに載せていただきました。これも大きな前進だというふうに思います。
そして、スクールバスの乗車時間も少しずつ短くなっていて、平均乗車時間が60分になったということであります。しかし、平均60分以内ですから、それよりも長い乗車時間のところもまだ残念ながら残されているということだと思うんですね。
そこでお伺いしますけれども、今、現時点で一番長い乗車時間は何分で、どこの学校なのか、その学校の乗車時間が短縮できない理由はどういうことなのか伺いたいと思います。

○浅野特別支援教育推進担当部長 平成28年度において最も長い乗車時間は90分で、肢体不自由教育部門と知的障害教育部門を併置する都立町田の丘学園でございます。
肢体不自由の児童生徒が車椅子で乗車するリフトつきバスは、車椅子の乗降時のリフト操作に一定の時間を要することなどから、平均乗車時間を超えるケースもございます。

○里吉委員 特に肢体不自由のお子さんは車椅子でリフトつきのバスに乗るということで、時間がかかるということで、これからそれを改善していくということだと思うんですが、肢体不自由のほかの障害を持っているお子さんが通っているところでも、スクールバスが60分以上かかっているところがあると思うんですね。
そういうところも含めて、今後、乗車時間は60分以内にするということをきちんと目標に据えるべきだと思いますが、いかがでしょうか。

○浅野特別支援教育推進担当部長 肢体不自由以外の障害種別の特別支援学校においても、コース設定の工夫やバスの増車により、スクールバスの平均乗車時間は60分以内を達成しております。
今後は、先日の代表質問で教育長が答弁したとおり、まず、優先度の高い肢体不自由特別支援学校において、全ての子供のスクールバス乗車時間を60分以内とすることから取り組んでまいります。

○里吉委員 私の地元の世田谷区では、肢体不自由校の光明特別支援学校が最長73分、知的障害と視覚障害の併置校である久我山青光学園も最長75分、新しくスタートしました青鳥特別支援学校も最長75分と伺いました。
肢体不自由校から取り組んでいただくことはもちろん異論はございませんが、引き続きその他の障害種のスクールバスの乗車時間の短縮にも続けて取り組んでいただけるように、改めて要望したいと思います。

◆教員の配置について

次に、教員の配置について幾つか伺っていきたいと思います。
まず、進路指導担当教諭についてです。特別支援学校の高等部において生徒の進路指導は、先ほど来質疑もございましたけれども、大変重要です。
そこで、進路指導担当の役割、そしてその仕事の内容についてまず伺います。

○江藤人事部長 進路指導担当教員は、障害のある生徒が将来の進路を主体的に選択することができるよう、保護者、生徒からの進路相談、新たな実習先の開拓、外部の就労支援機関との連携などを中心となって行い、進路指導の充実を図っております。

○里吉委員 進路相談だけではなく、新たな実習先の開拓だとか、いろいろご苦労されているということで、大変大事な仕事だと思いますが、進路指導の担当教諭は現在どれだけの特別支援学校に配置されているのか、全体で何人配置されているのか伺います。

○江藤人事部長 進路指導担当教員は、高等部を設置している特別支援学校のうち、43校に61人配置しております。

○里吉委員 43校に61人ということで、各校1人から2人配置されているということだと思うんですが、お伺いしましたら、国の標準法よりもまだ6人ですか、少ないですよね。
先ほど答弁していただきましたけれども、特別支援学校の場合は、本当に一人一人状況が全く異なる中で、進路先や実習先、就労先を探すのは大変なことだと思います。少なくとも早急に、まずは国の標準法以下という状況は来年度解消していただきたいということを強く要望しておきます。
次に、特別支援教育コーディネーターについてです。特別支援教育を充実するために、都教委は幾つかの特別支援学校に特別支援教育コーディネーターを加配して、区市町村の学校の支援など、いろいろ必要な活動を行っていると伺っております。
そこでお伺いしますが、センター校の役割を担っている特別支援学校は何校でしょうか、そのうち特別支援教育コーディネーターが加配されているのは何校でしょうか、お答えください。

○浅野特別支援教育推進担当部長 区立を含む知的障害特別支援学校小中学部設置校をセンター校にしております。校数は25校でございます。
特別支援教育コーディネーターは、知的障害特別支援学校の12校に加配しております。

○里吉委員 小中学校25校をセンター校にしているけれども、コーディネーターの加配は12校しかないということで、半分以下ですよね。
区市町村の小中学校でも特別支援教育を充実するということですから、早急に全てのセンター校に特別支援教育コーディネーターを加配すべきだと考えますが、都教委の見解を伺います。

○浅野特別支援教育推進担当部長 区市町村立小中学校の特別支援教育の充実のためには、人的措置のみが解決策ではなく、例えば、都教育委員会による区市町村教育委員会の特別支援教育担当指導主事の協議会の開催や情報交換など、さまざまな支援策を本計画では充実することとしております。
また、特別支援教育コーディネーターを加配していないセンター校である特別支援学校には講師時数を配当して、特別支援教育コーディネーターの持ち時数軽減を図っております。

○里吉委員 今、人的配置のみが解決策ではなくというお答えでしたけれども、都教育委員会は毎年局要求でこれを要求していますよね。毎年残念ながら切られてしまっている状況が続いていますけれども。
ですから、都教育委員会としては、やっぱり進路指導員も進路指導担当教員もそうですし、特別支援教育コーディネーターについても必要な教員だというふうに考えているんじゃないですか。
だから、これはきちんとどうして必要なのかということをやっぱり共有していって、こういう計画をつくるときですし、障害者教育がこれだけ注目されているときですから、必要な人の配置はきちんとしてもらうように頑張っていただきたいというふうに思います。
さらに、この増員は都教育委員会そのものも増員要求していることだと思うんですが、私は、それ以外に特別支援学校の教育環境の整備という点では、大きな問題は教室不足と並んで、教員が大幅に削減されてきたことだというふうに思います。
教室不足については今回の計画で大幅に改善されることになりますが、教員が減っている問題は本当に深刻だと思います。
例えば、肢体不自由の特別支援学校では、学校介護職員が導入されて、それと引きかえに教員が削減されてきました。肢体不自由の特別支援学校で介護の専門家として導入された学校介護職員の応募資格はどんなものなのか、全てお示しください。

○浅野特別支援教育推進担当部長 学校介護職員の応募資格は、次の8項目のいずれかに該当することでございます。
1、介護職としての勤務経験を有する方、
2、介護福祉士資格を有する方または取得見込みの方、
3、介護職員初任者研修、実務者研修、介護職員基礎研修、訪問介護員(ホームヘルパー)養成研修1級または2級課程等の介護関連研修を修了した方または修了見込みの方、
4、社会福祉士、介護支援専門員等の福祉系資格を有する方(または取得見込みの方)のうち、介護の実務経験等(実習含む)を有する方、
5、特別支援学校教諭免許を有する方または取得見込みの方、
6、各種教員免許、保育士資格を有する方(または取得見込みの方)で、介護の実務経験等(実習、介護等体験も可)を有する方、
7、特別支援学校、特別支援学級、児童福祉施設、学童、医療機関等での介助経験を有する方、
8、1から7までのいずれかと同等の経験または能力を有すると都教育委員会が認めた方、以上でございます。

○里吉委員 学校介護職員の資格を挙げていただきました。導入のときに都教育委員会は、これからは教員と介護等の専門職がそれぞれの専門性を発揮していくと、こう繰り返し説明されていました。介護の専門家だから、これまで教員が担っていた介助をやってもらうだけではなく、介護の面から児童生徒一人一人の課題を把握し教員に助言する、こういうお話でした。
しかし、今ご説明にもあったように、例えば、保育士資格があって介護の実習経験がある方とか、児童福祉施設や学童での介助経験を有する方など、介護の専門家とまではとてもいえない方々も応募資格があるわけです。当初の話とは実際は大分違っているのではないでしょうか。それでも学校の現場では、子供たちの介助という点では助かっていると思います。
しかし、問題は、その分教員が減らされてしまったということです。現場では、教員数が減らされたため、担当する授業を分担できず、授業の準備が膨大になったり、校務の仕事分担ができなくなったり、担任の業務についても一人でやらなければいけないということで負担が増大するなど、肝心の授業づくりに十分時間がとれないのが実態となっています。
改めて、学校介護職員を配置したことにより、削減した教員はもとに戻す、教員をふやすべきだと考えますが、都教委の見解を伺います。

○江藤人事部長 学校介護職員を導入しております学校の指導体制は、教員がこれまで担ってきた児童生徒に対する介護業務を学校介護職員が担うことにより、教員は本来の役割である教育活動に専念できるようになり、それぞれの職の専門性が発揮されていることから、適正なものであると考えております。

○里吉委員 現場の実態とは全く違うと思うんですね。教員が減らされたことで、どれだけ大変になったかは先ほどお話ししましたけれども、学校介護職員も非常勤職員ですから、子供たちが学校にいるときに毎日いるわけじゃないんですね。きょうはAさんとBさんがいるけれども、次の日はAさんだけ、その次の日はBさんだけ、こういうこともあるわけです。さらに教員が少ないので、研修など出張に行くのも大変だと伺っています。
学校介護職員の応募資格の中には、特別支援学校の教員免許を持っている方というのもありましたけれども、あくまで介護のための職員であって教員ではないので、授業や教育活動はこの方はできません。教員がいない間は子供たちは待機しているしかないわけです。あるお母さんは、学校に行って授業を受けたいのにデイサービスのようだというふうにいっておりましたけれども、本当にこれでは困るわけですね。

◆重度重複学級の設置について

さらに、この推進計画を見て私が危惧しているのは、重度重複学級に対する記述が見当たらないことです。
毎年、特別支援学校の保護者の皆さんからはさまざまな要望をいただきますが、必ず重度重複学級をふやしてほしいということが重点要望として挙げられております。現場の先生からも、本当は重度重複学級に入れるべき子供が入っていない、だから大変なんだという話を聞いております。
今回、資料の3ページに、この10年間で重度重複学級に通っている子供の数を示していただきました。ほぼ横ばい、若干減っているわけですね、改めて驚きました。重度重複の障害があっても必ずしも重度重複学級の対象になるわけではないというのが都教育委員会の説明です。  しかし、現場では、児童生徒数はふえているのに、重度重複学級がふえないために、普通学級でお客さんになってしまっている、普通学級にいる子供の障害の程度の幅が広くなって、障害に応じた細かい指導が受けられなくなっているという訴えもあるわけです。
このことについての都教育委員会の見解を伺います。

○浅野特別支援教育推進担当部長 知的障害特別支援学校や肢体不自由特別支援学校の普通学級では、これまでも障害の程度や状況が異なる児童生徒が在籍していることから、学習課題によって学習グループをその都度編成しております。
また、肢体不自由特別支援学校では、学校介護職員を導入し、児童生徒の安全の確保と教員が授業づくりに専念できる体制を整備し、授業の質の向上を図っており、知的障害特別支援学校では、自閉症の教育課程を開発する過程で、障害特性に応じた個別の課題学習などの充実を図っております。
これらのことにより、今後も特別支援学校では、障害が重度である場合も含め、学習指導要領に基づき個別指導計画を作成し、障害の種類と程度に応じた指導を行ってまいります。

○里吉委員 子供の数がふえていて、重度重複のお子さんもふえているにもかかわらず、学級数がふえていない。これを不思議に思わないというのは、私、本当にそういう感覚が信じられないんです。
そもそも重度重複学級とはどういう学級か。以前もこの委員会でやりましたけれども、学校教育法施行令第22条の3に規定する障害を2つ以上あわせ有するとともに、障害の程度、状況や発達の状況などから総合的に判断し、自立活動を主とした特別の教育課程による個別指導、または小集団指導が適切な児童生徒で、普通学級とは別に編制する学級というふうにいわれております。
それで、どういう子が対象になるかというと、最後は学校判断、校長からの申請なんですね。学級ですから、重度重複学級を認めれば、教員が1人配置されます。部屋も一つ用意しなければいけません。
しかし、個別の指導が大事だ、個に応じたきめ細かな指導をするということであれば、ちゃんと重度重複学級を認めて教員をつけるべきだと思うんですね。校長が申請することになっていますが、学級をふやせば、先ほどもいいましたように、教室と教員配置が伴うわけで、校長先生はそのことも考えればどんどんふやすというふうには申請しにくい。今の学級数を大幅にふやすというような申請はしにくいのではないかというふうに推察いたします。
肢体不自由校では、学校介護職員の導入と引きかえに教員が削減され、さらに重度重複学級がなかなか認められないために、その分も教員がつかないという事態になっているのではないでしょうか。
さまざまな専門家が教育の現場に入ることを否定しているわけではありません。しかし、学校は教育を行う場であり、それはやはり教員しかできない仕事ですから、肝心の教員が削減されていては子供たちの教育は保障できません。計画的に重度重複学級をふやすことを計画に盛り込むよう強く要望いたします。
最後に、基本理念について伺います。ここには、一人一人の能力を最大限に伸長して、社会に参加、貢献できる人間を育成というふうにありますが、私はこの文章、下の文章もあわせて読んだときに、なかなかちょっと重度の障害児への教育理念が見えてこないなというふうに率直に感じました。
重度の障害児に対する教育の基本理念を改めてお伺いいたします。

○浅野特別支援教育推進担当部長 共生社会を実現するためには、障害のある子供たちの自立と社会参加を一層進めていくことが必要でございます。
現在、多くの障害者が障害がありながらも企業就労、スポーツ、芸術活動、地域活動等のさまざまな形で社会に参加し、活躍している状況を踏まえると、今後の特別支援教育では、一人一人の能力を最大限に伸長して、社会への参画を可能とすることが重要でございます。
本計画の基本理念はこうした考え方に基づくものでございますが、重度の障害者であっても、社会とのかかわりが重要であることに変わりはなく、障害の種類、程度を問わず、全ての障害者に共通する基本理念と考えております。

○里吉委員 重度の障害者であっても、社会のかかわりが重要であることは変わりなく、障害の種類、程度を問わず、全ての障害者に共通する基本理念だというお答えでした。そうであるならば、本当に重度重複学級など、重度のお子さんの個に応じた指導をする体制をきちんと考えていただきたいと思うんです。
私、ここで何回も取り上げていますけれども、東京都は、国に先駆けて、どんなに障害が重たいお子さんも全員就学させるんだということをやりました。
ここに東京都がつくった東京都の心身障害教育全員就学10年のあゆみ・資料集という冊子があります。ここを読みますと、当時、養護学校では入学選考が行われていて、義務教育であるにもかかわらず就学猶予、就学免除という制度があって、学校に入学できない、主には障害の重いお子さんがいたということ、都民の中で就学運動が高まって、東京都としても重度重複学級の整備の調査を始めた、そして、そういう都民の皆さんの運動にも押されて東京都として決断したということが書いてあります。
今回の計画なんですが、一番最初のところに歴史が書かれております。2ページのところに、ここにもそのことを下の方に書いてあるんですけれども、私は、東京都が国に先駆けて全員就学を実施したことに関して、多くの保護者と学校関係者の要望と運動もあって、そして東京都がそれに対して真摯に受けとめて取り組みを発展してきた、こういうことを明記してほしい、当時運動されてきた方からもそういうご意見がありました。これは要望です。ぜひ加えていただきたいというふうに思います。
そうやって、東京都と障害児をめぐるさまざまな方々が一緒になってつくってきたのが東京の障害児教育だと思うんですね。私は、ここで、基本理念のところで、貢献できる、活躍できるといった言葉が、重度の障害を持っている方に対し、ややもすると貢献できない人は役に立たないだめ人間だというふうにつながりかねないという危惧を持つわけです。
どんなに障害が重度であっても、一人一人の子供の発達に合った教育を保障する、当たり前のことですけれども、改めてこの立場での施策の拡充、重たい障害の子も含めて、全ての障害児のための教育、改めて光を当てていただきたいということを要望いたしまして、私の質問を終わります。