東京五輪は中止し、新型コロナウイルス対策に集中すべき

新型コロナ感染がおさまらない中、東京五輪・パラリンピック開催について「中止、延期」の声が合わせて７割を超えています。無観客や観客数制限の声もありますが、もはや開催できる条件はありません。

日本共産党は、東京五輪・パラリンピックでは、万単位での人の移動が伴うことや、医療資源の状況から見ても中止し、世界と日本のあらゆる力をコロナ終息のために集中するべきだと考えます。

大会中止の請願、自民、公明、都民ファなど反対

東京都議会文教委員会で５月２８日、東京五輪・パラリンピック問題の質疑が行われ、大会中止を求める陳情を自民党、公明党、都民ファーストの会などが反対し、不採択としました。日本共産党と立憲民主党は賛成しました。

共産党は、斉藤まりこ都議が、「学校連携観戦」について保護者や教員の声などを紹介し、子どもたちを危険にさらす観戦動員の中止を求めました。

五輪中止を求める陳情では、とや英津子都議が、世論調査で６～７割が中止を求め、ＷＨＯ上級顧問の医師も「できる状況にない」と述べていることを紹介。アスリートや大会関係者に毎日ＰＣＲ検査を最大５万～６万件見込む一方、都内の検査数は５月中旬以降１万回を超えたのは２日間のみだとし、「都民はもとより世界中の人が不信を募らせているのではないか」と、都の認識を追及しました。

都側は、関係方面と調整しながら安心・安全な大会をめざすとの答弁に終始しました。それに対し、とや都議は「安全・安心なのは（五輪関係者を外部と遮断する）バブルの中であって、外にいる都民ではない。都民は満足に検査も受けられない。変異株の脅威にさらされている都民の命と健康を最優先にすべきではないか」と陳情採択を主張しました。

自民、公明は意見表明もせず、都民ファは「延期も含むあらゆる選択肢を」と述べながら採択に反対しました。

不採択を受け、とや都議は「都民に対し各党の態度が問われるのに、まともに意見を述べたのは共産党だけだった。世論と都議会構成の乖離（かいり）を、都議選で逆転させたい」と述べています。（「赤旗」５月３０日付）

里吉ゆみは訴えます

国や都は「東京五輪開催はコロナに打ち勝った証」と言ってきました。しかし、現状は「コロナに打ち勝つ」どころか、感染拡大が続いています。それでも、「感染対策の具体化に取り組み」「安全・安心な大会の開催へ」と、コロナ感染の中でも、あくまで五輪開催ありき、というのが都の方針です。

科学的根拠もなく、「開催ありき」で突き進む、中止の検討もしない、というのはあまりに都民感覚とかけ離れているのでがないでしょうか。