東京五輪の開催中止および学校連携観戦の中止を求める申し入れ
東京都知事 小池百合子殿
2021年7月7日
日本共産党東京都議会議員団
東京五輪の開催中止および学校連携観戦の中止を求める申し入れ
① 東京五輪の中止
都議会議員選挙では、新型コロナの感染が再び拡大しつつあるなか、このまま東京五輪を開催してよいのかどうかが最大の争点になり、「中止」を求めたわが党の公約に、多くの都民から熱い共感がよせられました。
都内の新規陽性者数は、17日連続で前の週の同じ曜日を上回り、直近1週間の平均は1日あたり約602人、前週比2割増となっています。国の指標で「ステージ4」にあたる深刻な事態です。感染再拡大が強く懸念され、7月半ばには、都内の新規感染者が1日千人をこえるとの専門家の試算も発表されています。
すでに、入国したウガンダの選手団から、インドで確認された感染力が強いデルタ株をふくめ複数の陽性者が発見され、飛行機に同乗していた人からも陽性者が出ており、水際対策はすでに水漏れを起こしています。入国したセルビア代表団からも陽性者が確認されました。
こうした下で、菅首相も小池知事も無観客開催に言及し始めました。有観客が論外であるのは言うまでもありませんが、たとえ無観客であっても、五輪を開催すれば、海外からおよそ10万人もの選手・関係者が日本に来ます。無観客によって感染拡大のリスクをゼロにすることはできません。
ボランティアのワクチン接種が間に合わないことが問題になっていますが、五輪に動員される都職員のワクチン接種も間に合わず、いまだ1回目の接種もしていない職員がいます。
五輪を開催して、感染拡大を招き、いのちが失われるようなことは、絶対にあってはなりません。
都議選では、「中止」を公約した日本共産党と、「中止または延期」を公約した立憲民主党が議席を増やしました。
日本共産党都議団は知事に対し、〃今夏の五輪はやめるべき〃という都民がしめした民意を重く受け止め、開催都市の責任者として今夏の東京五輪は中止することを決断すること、5者協議で中止の決定を行うことを厳しく求めるものです。
② 学校連携観戦の中止
幼稚園児から高校生まで90万人の子どもたちを五輪観戦に動員する計画にも、批判が高まっています。このままでは安全・安心が確保できない等の理由で、都内でもすでに30以上の区市町村が中止を決断しました。
子どもたちや保護者、下見に参加した教職員、関係者からも「行事もずっとがまんしているのに、なぜ五輪観戦だけ連れて行かれるのか。それよりも修学旅行に行けるようにしてほしい」「子どもを危険にさらさないでほしい」「感染者が出ても自己責任にされるのではないか」「子どもの安全を確保できるとは思えない」などの声が、選挙中にも多数寄せられました。
学校連携観戦は有観客の上限1万人の枠外とされており、下見の時に配布された資料によると、東京スタジアムのラグビー観戦は、子どもだけで1万2千人から1万6千人になっています。一般の観客や五輪関係者と合わせると3万人規模になります。サッカーでは、夜10時や10時半まで、子どもたちを観戦させる計画です。
学校や自宅から会場までは、公共交通を利用するとされており、混雑した電車や路線バスでの移動を余儀なくされることが予想されます。食事をいつどこで食べることができるのか、お弁当を持ち込めるのかどうかさえ、いまだに示されていません。
下見の際の配布資料には、「観客エリアはかなりの高温になることが予想されます」「観客スタンドは時間によっては日影となる場所がない」「観客スタンドに到着するまで、相当の時間がかかることが予想されます」などの記載もあります。
日本共産党都議団は、子どもたちをコロナ感染と熱中症の危険にさらす学校連携観戦は、都として直ちに中止決定することを厳しく求めるものです。
以 上