夫を亡くした80代の女性。自分の住む家のことだが、不動産屋の夜討ち朝駆けの地上げ攻勢に、正常な判断が麻痺し、これが売買契約書だと認識せずに署名捺印してしまった、という。他の人に見せたら、売ることに合意したものだと教えられ、どうしよう、と5月30日に青ざめた顔で事務所にやってきた。

住む自宅の土地建物の所有権は、夫の持ち分と兄弟との持ち分があるが、兄弟はお金ほしさにすでに契約してしまったようだ。夫の所有権はまだその方に相続されていない。

私はすぐに、買い手の不動産会社に電話し、本人に相続分を売る意志がないことを伝えた。本人に電話を代わって契約無効を主張させたが、不動産屋は逃がしてはならじ、とながながと丸め込みにかかり、意志を話させない。
私はメモで意志のないことを宣言させ、私に電話を代わらせた。

高齢者をこういう強引なやり方で押しきるのはとんでもない、と強く抗議した。

翌日、不動産会社から契約破棄の連絡がきた、と報告があった。ひとまずよかったが、私は、相手は諦めた訳ではない、と見ている。

彼らの横のつながり、情報交換がすごいことは、この間の地上げがらみの相談事で実感している。ほかのブローカーが早晩攻めてくる。それを想定した対策を今から講じたい。

それにしても今回、高齢者の人の好さにどんどんつけこみ、マインドコントロールのコツを習熟する輩のやり口を目の前で見せつけられた。許せない!
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コメント
他6件のコメントを表示
  • 西山 繁夫 秋間さんには本当に頭が下がります。ちょっと感覚的なのですが、例えば「市民後見」として任意後見+代理契約を結ぶなど、組織的にこのような方々に対して寄り添う仕組みを台東区にも作ってゆかないと、これからも不幸で複雑な事案が増え続けるのでは?と感じます。全国には数あるはずですので。
    それでこそ、秋間さんや専門家の情熱、知識、経験が大いに活かせるのかな、と。。。

    秋間 洋秋間 洋さんが返信しました

      返信1件

  • 鈴木 志朗 NPOに来る相談はもっとひどいのがあります、テレビで宣伝しているアパート建設、委託経営の会社などです
  • 秋間 洋 昨日当事者の高齢女性から、不動産会社から契約破棄の連絡がきた、と報告がありました。
    皆様。ご心配とアドバイス、ありがとうございました。
    私は、相手は諦めた訳ではない、と見ています。彼らの横のつながり、情報交換がすごいことは実感してきました。もっと見る
  • 小野明美 秋間さん、おはようございますひとまず良かったですねお疲れ様です

    秋間さんの投稿事例や、皆さんのコメントを拝読していると、いろいろな意味で勉強になります。もっと見る

     

    秋間 洋秋間 洋さんが返信しました

      返信3件

 
 
 
 
 
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