最終本会議で討論に立ちました。

活動報告

昨日がこの期最後の本会議で、文教委員会で不採択となった「英語スピーキングテストの都立高校入試に活用しないよう東京都に意見書を上げて欲しい」との陳情の不採択に反対し、採択を求める討論をおこないました。

以下、討論の全文です。

ただいま議題となりました、4受理番号16「都立高校入試にスピーキングテストの点数を加えることを中止し、次年度以降のスピーキングテストの中止を求める意見書を東京都に提出することを求める陳情」について、日本共産党足立区議団を代表して、委員会での不採択に反対し採択を求め討論を行います。

当初、東京都教育委員会は英語スピーキングテストは、学習指導要領の英語における書く、聞く、読む、話すの四技能のうち「話す」ことを評価し、授業改善に役立つようアチーブメントテストとして行うとしていました。

英語ができることはそれ自体、異文化との交流や海外の人とのコミュニケーションがスムーズになり、行動の幅も広がり、豊かな人間関係をつくるきっかけになりますが、本来英語力は、人と人がコミュニケーションをとりながら行い、間違いがあっても何回も繰り返し話すことで身に着けていくもので、都立高校入試に活用することが英語力をつけることになるものではありません。

また、文部科学省は2025年に大学入学共通テストへのスピーキングテスト導入を計画していましたが、「質の高い採点者の確保や正確な採点の担保などの実施上の課題が生じる」として、導入を見送りました。高校入試でも同様の課題があり、プレテストでも隣の音声が入るトラブルが発生するなど、何一つ解決していなかったため、教育の専門家から入試への活用に当初から懸念が指摘されていました。実際、試験後にESAT-Jの入試活用中止を求める都議会議員連盟と都民団体が行ったアンケート調査には、「イヤーマフを着けても前後左右の人の声が聞こえた」「隣室で待機する後半組に前半組の解答が聞こえた」「前半組と後半組がトイレで会うことができた」など公平・公正に実施されなかったことを示す事例が受験者や保護者から多数寄せられました。

さらに全員分の音声データを聞き直した結果、8人の解答の音声の一部が正しく録音されず無回答と認識され、誤って低く採点されていたことも明らかになりました。

また、不受験者には他人の点数がつけられることについて、足立区教育委員会はわが党の代表質問に過去に例がないことを認め、全国でも東京の中学3年生だけがこのような理不尽な入試制度に翻弄されています。子どもたちの一生にかかわる入試であるとの立場に立ち、23区で唯一都教委に区の教育長が面会し、実施主体として責任をもって子どもたちや保護者等の不安解消に努めるよう申し入れを行いました。

陳情を審議した文教委員会で、採決に当たっての意見表明で自民党委員は「当然改善点があるということは、認識している」、公明党委員は「検証を踏まえて改善点を次回にしっかり生かしていただきたい」と発言しました。だとしたら区議会として都に意見を上げるべきではないでしょうか。子どもたちにとって一生を左右する重大な転機となる高校入試に改善が必要な試験をこのまま続けてしまって良いのでしょうか。議員各位の賢明なる判断を求め討論といたします。

なお、陳情は自民、公明の反対多数で不採択となりました。