新宿区がホテルの延長ができることを伝えず追い出した件について

新型コロナ災害緊急アクションとして、稲葉剛さん、雨宮処凛さん、小林美穂子さん、宍戸正博さん、田川英信さんとともに、新宿区へ抗議に行きました。

新宿区からは、関原陽子・福祉部長、片岡丈人・生活福祉課長に対応していただきました。
地元の新宿区議会からは、立憲民主党(田中ゆきえ様、三雲嵩正様)、日本共産党(近藤なつ子、沢田あゆみ、雨宮武彦、藤原たけき各議員)、社会民主党(河野達男様)にご同席いただきました。ありがとうございました。

メディア各社、ジャーナリスト、フリーライターの方々も多数取材に駆けつけていただき、私たちとともに厳しい追求をしてくださいました。明日の記事が楽しみです。

今日の申し入れでは、新宿区の嘘が次々に明らかになりました。
こんなに分かりやすい嘘をつくなんて・・・と悲しくなりました。子どもたちには見せられないな・・・とも。

2つの大きなウソに絞って、ご報告します。

①“相談に来てもらうために一旦チェックアウトしてもらった。決して追い出そうということではなかった”とのウソ。

今日、区役所の窓口に同行したお2人のことを紹介。
お2人は、区に2回電話し、その後29日に窓口を訪れてホテル延長を要望されています。区の記録も確認しました。
担当者も「確かに私が対応しました。ホテルは6/1朝までと説明しました」と認めました。

また、新宿区は、ホテルを追われた98人(その後、生活保護に4人、チャレンジネットに7人繋がったとの説明)のうち、連絡先が分かる57人に対し、「様子を伺うために、本日から電話をかけ始めた」と説明。心配しているとのアピールでしょうか。しかし、確認したところ、ホテル滞在中にも1度も電話はしていなかったことが明らかに。心配している姿勢が感じられる人はいないでしょう。
(区は「相談を呼びかける文書を利用者の部屋に配ったが、連絡が取れなかった」と言っていましたが、実際には一度も電話していなかったことも認めました。ここにもウソ)

新宿区の説明は完全に破綻しました。
部長さんはキョトンとしておられ、課長さんも言葉を失っておられました。

②“東京都の連絡文書は、一律にホテルを延長するという趣旨ではなかった。だから一律延長はしなかった。本当に困っている方には、ホテルを延長していただくつもりだった”というウソ。

東京都との事前協議の場で、東京都から「(乱暴な追い出しは)やめるように止められた」のではと質問。
課長は、確かに東京都とは事前に話したが、連絡文書の趣旨が「一律ではない…」と確認し、最終的には区の判断だと言われたと説明。

都の担当課長からは、「退出を求めるのは事業の趣旨に反すると区に説明した」「やめるように」説得したと聞いていますが、都の説明が間違っているのですか?とさらに質問。
ようやく「やめたほうがいいと言われた」ことを認めました。

さらに、ホテルを追われた後に相談に来られた11人に対して、生活保護4人とチャレンジネット7人以外、ホテルに案内した人はいないことも明らかに。
現在、東京都が提供しているホテルは、生活保護を利用しなくても、生活困窮者支援の枠組みで利用できます。(ここがポイントです。生活保護を利用するという踏ん切りはつかないが、住まいがなく困っている人が使えるということです。)実際、この間、東京都のホテル利用者の7割はこの枠組みを利用しておられました。それなのに、その方法があることを、窓口に相談に来られた人には説明せず、ホテルの利用はできませんと追い返していたことが、この数字からも明らかになりました。

新宿区の説明はことごとく破綻していますが、現時点では区には何らの本質的な反省も見られません。
最後まで、「趣旨がきちんと伝わらなかったこと、思いがいたらなったことを反省」「現場の職員にきちんと(ホテルを紹介していいという)情報が伝わらなかったことが問題だった」と言っていました。
これでは、何も変わりません。また同じことが起こるでしょう。

1週間を目処に、抗議文で求めた要望事項に対する回答を求めました。
引き続き、新宿区の姿勢を根本的に改めさせ、命と人権を守る自治体の本来の役割を発揮してもらうために、力を尽くしていきたいと思っています。
10日には、共産党区議団が、代表質問でこの問題を取り上げる予定です。区長の答弁にも注目しています。

最新情報をチェックしよう!