街の記憶は次世代に
谷中2丁目あかじ坂の石垣取り壊し問題はこのニュースでも取り上げをしてきました。
街の風景というものは建物一つ変わっても印象ががらりと変わるものです。建物の色や形状がその町の印象を作っていると思います。
私は以前視察で、福山市鞆の浦(とものうら)に伺いました。重要伝統的建造物群保存地区に指定されており住む人・商いをする人さまざまな人たちが地域を住みながら商いをしながら守ろうと活動し指定をうけたと聞きました。
「古い街並みには、今はない情景があるからこそ、ほかの地域と差別化ができるんです」と住民が話してくれたこと思い出しました。
桐谷逸夫さん作 あかじ坂 |
谷中にはその魅力がまだ残っています。だからこそ坂道の石垣は残してほしい。顔の見える街であってほしいと思うのではないでしょうか。
業者は、一番利益が上げられる方法を模索して建物を作ります。だから土地を目いっぱい使い集合住宅がつくられ売られていくわけです。
そこで問題になるのは、住環境破壊です。いままで隣接に住んでいた方は日が当たらなくなる。どんな人が住むのかの不安。いままであったものが無くなるなど、たくさんの課題が出てきます。家を建て直してはいけないとは思いません。建て直すならまわりとの調和を取ってほしいと考えています。だからこそ台東区は景観条例を作ろうと検討をしています。
行政は法のルールにのっとり動くため遅く感じています。いつも「なんでもっと早く動かないのだ」と議会でも言い続けるのですが、議会での発言だけではなかなか行政が動かないことのもどかしさもあります。地域住民からの声もとても大事です。
私たちの住む台東区を『もっとよくしたい。』というのはどの政党だっていうことです。
新自由主義社会の中での自己責任論・目先の利益優先ではなく、記憶は次世代にバトンタッチができる、そんな地域を作っていきたいと私は思います。
文京区の薮下通りでもマンション建設で石垣が壊さる話も聞いたことがあります。がけ地だから、崩れたら危ないから撤去してしまえばいいというのではなく、しっかりメンテナンスをして残せる風景にしてほしいと町をあげて声にしてほしいです。
どんなことでも、壊してしまえばそれでおしまいではなく、永続的に環境にやさしく、人にあたたかい仕事ができる社会になるよう政治を変えましょう。