防災対策の強化~避難所運営の改善などを求める~第4回区議会定例会始まる—田中まさや議員の代表質問より② 田中まさや区議会議員が、区政リポート11月29日号を発行しました
第4回区議会定例会始まる—田中まさや議員の代表質問より②
防災対策の強化~避難所運営の改善などを求める
台風15号、19号によって深刻な被害がもたらされました。渋谷区では、甚大な被害はありませんでしたが、避難勧告が出され、多くの方が避難されるなかで、改めていのちを守る防災対策の強化、避難所運営の改善が求められました。
今号では、第4回区議会定例会の代表質問で、私が防災対策の強化について、区長に改善を求めた部分をご紹介します。
※質問は「要旨」です。
台風19号被害は、13都県で死者92人に及び、今でも2600人が避難生活を余儀なくされています。改めて、犠牲になられた方には心から哀悼の意を表すとともに、被災された方には、お見舞い申し上げます。本区でも、台風19号の教訓を汲み尽くし、区民のいのちを守るために最大限の対策を講ずることが求められます。
予防重視の防災対策の強化について
まず、地域防災計画を、いのちを守る予防重視の計画へと抜本的に見直すことです。
私は、昨年の第3回定例会で、「一時間に100ミリを超える豪雨も発生」していることを踏まえ、「現在の防災計画の想定最大降水量1時間75ミリを引き上げ」るよう求めましたが、改めて想定最大降水量を引上げ、浸水予想区域を再検証し、地下街などの浸水も想定した対策を都に求めるとともに区としても対策を強化すべきです。区長の所見を伺います。
震災対策については、震度7の揺れも想定し、首都直下型地震等に対して、被害を最小限に食い止める計画に改め、木造住宅の耐震補強工事費助成制度の委任払いや補助額の引き上げ、助成要件の緩和など制度を拡充すべきです。区長の所見を伺います。
区内でも急増する中高層マンションの多くが、防災対策は事業者・居住者任せになっており、老朽マンションでは、住民合意が困難で、耐震化や防災対策が進まない実態があります。23区のマンション防災についての東京新聞の報道では、渋谷区は、マンションに特化した防災パンフレットの配布・公開も防災アドバイザーの派遣もマンション自主防災組織などへの防災資機材助成のどれも行っていません。
まず、分譲マンション等の耐震化をすすめるため、相談窓口を設けるとともに、耐震化の助成制度を拡充すべきです。また、マンションの防災パンフレットの配布・公開、防災アドバイザー派遣、自主防災組織などへの防災資機材助成を早急に実施すべきです。区長の所見を伺います。
私は、台風19号の際、避難所を訪問しましたが、避難所設営には自主防災組織とともに区の職員が少人数で奮闘されていました。住民や避難者から「防災無線が聞こえなかった」、「雑魚寝状態で、プライバシーが確保されない」、「床が硬くて寝られない」などの声が寄せられました。
正確で迅速な情報伝達について
高齢者などSNSを活用しない方には、防災無線や消防団の必死の呼びかけも届きませんでした。正確な情報を早く提供するために、防災ラジオの無償配布を、長崎県大村市では全戸に、静岡県富士宮市では一人暮らしの高齢者に実施しています。
本区でも、高齢者や要配慮者に、災害時に自動放送する防災ラジオや防災無線個別受信機を無償で配布すべきです。また、区のインターネットへの接続がスムーズにいくように容量を拡大すべきです。区長の所見を伺います。
避難所の改善と帰宅困難者対策について
①大田区などでは避難所の定数を上回る避難者が押し寄せ、指定されていない区の施設も活用することになりました。
本区でも、避難所の受入数を現実的なものに見直し、在宅避難・垂直避難ができるように住宅改修の助成を強化すするとともに、区有施設にも一定の備蓄品を用意して応急避難所として利用することも想定すべきです。
②政府は、避難所運営について適温食の提供やプライバシーの確保、段ボールベッドの備蓄やシャワーなど衛生の確保、医療・介護スタッフの派遣などを実施するよう「避難所の生活環境の整備等について」の「通知」を出しています。
本区でも、人命保護の国際基準であるスフィア基準に沿って、この「通知」が実施できるよう備品や体制の確保、必要な訓練を行うべきです。また、どの避難所でも区の職員が、運営に責任が持てるよう各地域に防災職員住宅を確保すべきです。
③高齢者、障がい者などの要配慮者については、区の責任で、一人ひとりの特性や生活に即した避難計画をたて福祉避難所を確保すべきです。福祉施設を福祉避難所に指定する場合には、体制や備蓄品、停電・断水対策の非常用電源の確保などについて国や都に助成を求めるとともに、区として助成すべきです。
また耐震補強の必要な民間福祉施設に対して、区の責任で早急に耐震補強工事を行い、備蓄品の配備や情報伝達手段を確保すべきです。
④帰宅困難者対策については、国や都、事業者と連携を強化して、中小事業者に対する備蓄品への助成など区独自にも実施すべきです。
以上、4点について区長の所見を伺います。