CO2削減目標の大幅引上げ、石炭火力・原発から撤退を ~第3回区議会定例会・渋谷区から気候危機打開の声を 田中まさや議員が、区政リポート10月7日号を発行しました
第3回区議会定例会・渋谷区から気候危機打開の声を
CO2削減目標の大幅引上げ、石炭火力・原発から撤退を
世界的な気候危機の打開へ、二酸化炭素排出量の大幅削減を実現できるかどうか、人類の存亡がかかった重大問題です。11月には、イギリスのグラスゴーで地球温暖化対策のための国連の会議COP26が開かれます。
アジアで最も早く工業化した日本で、気候危機打開に真剣にとりくみ、世界をリードすることが政府に求められています。
私は、渋谷から気候機打開の声を上げようと、9月14日の区議会第3回定例会本会議で、区長に対して気候危機打開への真剣なとりくみを求めました。
今号では、私の代表質問の内、気候危機打開にかかわる部分と区長答弁(どちらも要旨)をご紹介します。
1.5℃目標の引上げと具体化、石炭化発と原発ゼロへ
日本を含め世界各地で異常な豪雨、台風、熱波、海面上昇などが発生する気候危機が進んでいます。国連IPCCは、2030年までに温室効果ガスの排出を10年比で45%、50年までに実質ゼロにして、世界の平均気温の上昇を産業革命前に比べて1.5度までに抑え込まなければ、地球環境は甚大な打撃を受けると警告しています。この目標が達成できるか否かに人類の未来がかかっています。
ところが日本の2030年目標は42%で、国連の目標よりも低く、CO2を長期に排出してきた責任に背を向けています。しかも「第6次エネルギー基本計画(素案)」の2030年度の発電量割合は石炭火力19%、原子力20~22%であり、大規模石炭火力や最悪の環境破壊をもたらす原発に固執することは許されません。日本共産党は、2030年までのCO2削減目標50~60%を掲げ、40%の省エネと再生可能電力の割合を50%に引き上げることを提案しています。
区長は、政府に対して、2030年までのCO2排出削減量を50%以上に引き上げ、石炭火力からの撤退と原発ゼロを求めるべきです。
区長答弁 2030年までのCO2排出量など、国において総合的に議論されるべきもの、私から国に求める考えはない。
(質問の続き)
2050年CO2排出ゼロを表明した自治体は、40都道府県、268市10特別区、126町村に上ります。渋谷区は、2050年ゼロカーボン宣言もしておらず、「渋谷区地球温暖化対策実行計画2021」の2027年度までのCO2削減目標は31%と東京都の温室効果ガス削減目標38%と比べても低く、具体性に欠けます。
世田谷区では、気候非常事態宣言を行い、太陽光蓄電池補助、緑化助成、断熱改修や省エネ機器材の購入助成などを実施しており、太陽光発電や省エネ改修などへの助成は23区中17区まで広がっています。
区として2050年ゼロカーボン宣言を行い、2027年目標を大幅に引き上げるべきです。公共施設、公共事業、区の業務でのCO2削減目標と計画を具体化し、達成に向けて区内企業との削減協定の締結や省エネ投資への支援を行うこと。住民や地元企業に対して太陽光発電設備や省エネ機器材設置購入助成を実施し、再生可能エネルギーによる電力利用、税金の優遇、補助金の申請など、専門的アドバイスを行う総合支援窓口を設置すべきです。
区長答弁 2050年ゼロカーボン宣言などは、令和5年度渋谷区環境基本計画2018の中間見直しを進める中で、必要に応じて検討する。
総合支援窓口については、環境に係る支援メニューは多岐にわたり、それぞれの専門部署で対応することが現実的であり、設置しない。
再質問
気候危機対策です。
CO2の排出量、渋谷区は2016年度ですが23区中9番目です。目黒区、人口はほぼ同じ、ちょっと目黒の方が多いですが、約2倍です。CO2削減の責任は、非常に重いものがあることを踏まえると、2050年ゼロカーボン宣言は、10年の間に人類の未来が左右される状況ですから、直ちに宣言、やるべきじゃないですか。私は、そういう意味では本気の決意を示していただきたい。改めて答弁を求めます。
部門的には、渋谷は家庭(部門の)排出量が21%、業務部門が56%、運輸も含めた事業系で7割の排出量を占めているんです。渋谷区も、そういう意味で、事業者の協力なしには実効ある削減ができないんです。これ以上の
排出増は絶対によくない。やめるべきです。区内企業との削減協定、省エネ投資への支援、家庭も含めた省エネ機器材の購入費助成、これは行うべきではないですか。先ほどは、この点については答弁がありませんでした。実効あるCO2削減を進めるためには、事業者の協力、協定の締結をぜひ進めていただきたい。再質問します。
区長答弁 地球温暖化に向けての本気の決意を聞きたいということですけれども、答弁本気でとりくんでいます。