渋谷図書館廃止条例は、継続審議に~区民の声と運動、日本共産党区議団などの論戦で 田中まさや区議会議員が、区政リポート12月10日号を発行しました

子ども・子育て・保育学校教育活動報告渋谷区

区民の声と運動、日本共産党区議団などの論戦で

渋谷図書館廃止条例は、継続審議に

4回区議会定例会は12月8日閉会。最大の焦点であった渋谷図書館の廃止条例は、住民から提出された慎重な審議を求める「渋谷区立渋谷図書館の廃止案に関する請願」とともに、継続審議になりました。

この廃止条例が明らかになった11月10日から短期間で、渋谷図書館の存続や慎重審議を求める声と運動は急速に広がりました。

住民らは「渋谷区の図書館を考える会」を結成し、緊急に事態を知らせるチラシを地域に配布しました。これを見た住民や元職員などから区議会議員に存続を訴えるメールやファックス寄せられ、先の区議会請願も提出されました。

こうした中で、廃止条例案が審議された文教委員会では、(渋谷図書館が)改修が必要なのに怠ってきた区長の責任は重い。住民に説明しないで提案するのはひどい(自民党)。町会だけでなく、学校や青少年団体などにも丁寧に説明すべき。 (シブヤ笑顔)。住民の意見を聞くべき。サービススポットでなく図書館として残すべき(公明党)。など、与党会派からも批判や住民の声を聞くことを求める意見が出されました。

日本共産党のトマ議員をはじめ立憲民主党やれいわ渋谷も、住民や利用者の声を聞くべき、渋谷図書館は存続すべきと主張しました。

この廃止条例案は、審査継続となり、来年の第1回区議会定例会で引き続き審査されることになります。請願も継続審議になりました。

まさに住民の声と運動、日本共産党区議団などの存続を求める論戦が、区政を動かしました。

当然ですが、渋谷図書館の存続が決まったわけではありません。引き続き、区民のかけがえのない財産である渋谷図書館の存続を求める声を広げに広げ、存続を勝ち取りましょう。党区議団も、全力で奮闘します。

 

 以下は、トマ議員が代表質問で渋谷図書館の存続を求めた部分をご紹介します。(質問、答弁とも要旨です)

 

  • 渋谷図書館について

渋谷図書館は、大正4年(1915年)に渋谷区で最初につくられ、昭和52年(1977年)9月に現在の赤レンガの図書館として整備されました。座席数は133席で、区内の図書館では2番目に広く、年間5万3709人が利用しています。

 図書館は、図書、記録その他必要な資料を収集、整理、保存する文化・教養施設であり、子どもから高齢者、在勤、在学者など、だれでも無料で閲覧し、利用できる社会教育施設です。だからこそ、当区としても、身近で重要な施設として、この間、本町図書館、臨川みんなの図書館、笹塚こども図書館を設置して現在の10館に増やし充実してきたではありませんか。

 この間、渋谷図書館が休館していることも、修理が困難になっていることも議会にまったく報告されていません。教育委員会は、渋谷図書館の廃止について、いつ、どのような議論をしたのか。また図書館の意義と渋谷図書館が果たしている役割についてどう認識しているのか、教育長に所見を伺います。 

 

五十嵐教育長答弁

渋谷図書館のボイラーは、設置後44年が経過し、全体的に劣化し、年度当初不具合があり修繕しました。修繕後再び不具合が生じてしまい、さびにより外板が薄くなり、補修しても新たな箇所で不具合起こる状態であることが判明しました。加えて、部品の中には製造中止となっているものもあります。しかしながら、ボイラーだけの問題ではなく、建物自体も漏水や外装タイルの浮きが発生しており、館内のタイルが落下するなど安全性を確保できないほど老朽化が進んでいます。

図書館の意義と役割を考慮しつつも、継続的に検討した結果、悩んだ末に閉館することとしました。

 

質問続き 文化・教養施設としてかけがえのない役割を果たしている渋谷図書館について、ボイラー修理にもエアコン設置にも多額の費用がかかるなどを廃止の理由にすること自体が、自治体の責務を放棄するもので、許されません。また地域住民や利用者に何ら説明せず、意見も聞かないでいきなり廃止することは、あまりにも区民無視、教育・文化切り捨ての暴挙です。渋谷図書館廃止は、断固撤回すべきです。

長谷部区長答弁 昨日、自由民主党議員団に答えた通りです。

再質問

(住民から届いたメールを紹介して)渋谷図書館は、区民にとって、文化、教養、教育の大事なかけがえのない施設です。それを守り、発展させていくのが区の責務です。多額の経費がかかることを理由に廃止することに、まったく道理がありません。渋谷図書館廃止は中止すべきです。

再質問に対する区長答弁

そのまま図書館にしていくというだけじゃなくて、その周りの環境も含めて、学校の建て直しや地域の図書館の在り方を含めて、大きく変えられるチャンスですから、そういったことを踏まえて、みなさんのご意見をこれから頂戴したい。

身近で貴重な渋谷図書館残して

住民から寄せられた存続を求めるメール

私は渋谷区で生まれ育ち、3人の子育て中の母です。先日、渋谷図書館が廃止される条例が提出される予定だと聞きました。幼少期は絵本を仮に母と通い、小学生では友達と子ども室に通い、学生時代は勉強するために地下1階に足を運びました。幼稚園教諭になった社会人の頃には、クラスの子どもたちに読む絵本や紙芝居を借りに通い、今ではわが子と絵本を選びに行っています。あのレンガ造りのすてきな建物、タイル貼りの汽車の絵に工夫が凝らされた子ども室、渋谷図書館に思い出がたくさん詰まっています。私や子どもたちにとって、とても身近で貴重な場所です。絵本や本に親しんだり、静かな環境の中で学んだりする機会を与えてくれたことに感謝しています。そして、そのような機会がこれからも与えられることを希望します。

以上

区政リポート2021.12.10docx