区議会第1回定例会閉会・区民の願いの込められた請願採択に全力~認可保育園の待機児ゼロ・保育士の処遇改善の請願に賛成討論 田中まさや議員が、区政リポート3月24日号を発行しました
区議会第1回定例会閉会・区民の願いの込められた請願採択に全力
認可保育園の待機児ゼロ・保育士の処遇改善の請願に賛成討論
区議会第1回定例会が、3月22日、区長提案の議案と日本共産党区議団の議案提案権を活用した条例提案、区民の願いの込められた請願などの各議案について本会議で評決をおこない、閉会しました。
日本共産党区議団は、区長提案の予算に対する反対討論、国保料の値上げの条例に対する反対討論をおこなうとともに、請願3件については、2件について賛成討論をおこない、採択に力を尽くしました。
今号では、「保育園の待機児童解消と保育士の処遇改善を求める請願」に対する私の賛成討論をご紹介します。
第1の理由 認可保育園の待機児の解消は保護者の願いであり、児童福祉法に基づく自治体の責務だから
昨年4月時点の認可保育園を希望しても入れなかった子どもが359人で、「保育園を探したが空いておらず働くことができないので困っている」「夫が非正規になったが、ポイントが低いと認可保育園に入れないのではと不安」などの保護者の切実な声を紹介しています。
実際、今年4月の入園申し込みでは、1歳児105人、2歳児3人、3歳児24人、4歳児11人、5歳児7人の合計150人が募集を上回っており、深刻な事態は変わっていません。
区長は「待機児ゼロ」といいますが、保護者が求める基準を満たした保育園に入れているわけではありません。東京都のニーズ調査では、利用したい教育・保育サービスの第1位は「公立の認可保育園」となっており、自治体が直接責任を持ち、処遇も安定して経験のある保育士も多い区立保育園が、保護者の願いであることが示されています。児童福祉法では、保育が必要な子どもを保育所で保育することは自治体の責任であり、区立を中心に認可保育園を整備し、早急に待機児を解消することは、区の責任です。
第2の理由 保育の質を確保し、安全・安心の保育を実現するうえで、保育施設で働く職員の賃金の引き上げと保育の基準の引上げが重要であり、国と自治体の責任だから
保育士の賃金月額は、全産業平均に比べて5万円も低く、「給料が安いうえに仕事量が多く、休みもとれない」などの声が上がっているように、保育士不足の原因となっており、ベテラン保育士が育たないなど、保育の質を確保するうえで大きな障害となっています。保育士や職員の処遇を抜本的に引き上げることは、保育士不足を解消し、質の良い保育を保障するために必要であり、国と自治体の責任です。区としても処遇改善にとりくむべきです。
また、全国の保育園での死亡・重篤事故の発生件数は、2015年627に対して21年は2347件に増えています。その背景には、保育士配置基準が、3~5歳児で30人に1人と0ECD調査国・地域で最低という実態があります。子どものいのちと安全を守るとともに、発達段階の違いや個性ある子どもたち一人ひとりの乳幼児期の発達を保障することが重要です。国や都とともに区の責任で保育士一人当たりの子どもの数を欧米並みに改善することが求められています。すでに政令市では京都や千葉、北九州、神戸など6市が独自で加配をしており、区として独自に実施すべきです。
1人当たりの乳児室1.95㎡という日本の面積基準は60年前につくられたままで、カリフォルニア州は3.25㎡、パリでは3.1㎡など世界基準と比べて低い水準です。政令市では、仙台市やさいたま市が5.0㎡、熊本市4.95㎡、千葉、横浜、川崎市など9市が3.3㎡へと改善しています。国や都に対して、面積基準の改善を求めるとともに、区としても独自に引き上げるべきだからです。
第3の理由 認証保育所が定数未充足の場合に、運営費の加算を実施し、経営を安定させることが求められているから
区の待機児対策が一定進む中で、年度前半の認証保育所に空きが出て、運営が成り立たないとの声が上がっています。これは、認証保育所の運営費が、保育定数でなく実際の保育人数によって支給されるからであり、認証保育所が定数不足となった場合に、運営を安定させるためには独自の運営費助成が必要です。中野区などではすでに実施しており、本区でも実施すべきです。
少子化が社会的な問題となっており、子育て支援の充実は待ったなしです。本請願は、区の責任で認可保育園を増設し待機児を解消するとともに、保育士の処遇、保育士配置基準、面積基準の引き上げを一体にすすめ、認証保育所の運営を安定せることで、だれもが安心して、子どもを産み育てられる渋谷区にしようとするものであり採択すべきです。
以上、本請願に対する賛成討論とします。