新しい学校にはプール無し、特別教室も減、そのうえ統廃合とは… ~第1回定例会~田中まさや議員の代表質問より・・・「新しい学校づくり整備方針」は撤回を 田中まさや議員が、区政リポート3月21日号を発行しました

子ども・子育て・保育学校教育活動報告渋谷区

第1回定例会~田中まさや議員の代表質問より…「新しい学校づくり整備方針」は撤回を

新しい学校にはプール無し、特別教室も減、そのうえ統廃合とは…

区議会は3月21日の最終本会議で、区長提案の議案や予算、住民から出された請願などを表決して閉会します。結果については、別途お知らせします。

今回は、第1回定例会で私の代表質問のうち、区がトップダウンで進めている「新しい学校づくり整備方針」によって、教育環境が悪化する実態を告発し、是正を求めた質問をご紹介します。

以下、討論と答弁の要旨をご紹介します。

いま整備方針のトップダウンの進め方によって、大きな問題が起きています。

  • 広尾中学校では、特別教室が減らされるため、関係者から部活動ができなくなるのではとの不安の声が寄せられています。渋谷図書館を併設しなければ、特別教室を確保することができます。渋谷図書館は元の場所で整備して、特別教室や少人数学級のために活用すべきです。区長に伺います。
  • スポーツセンター仮設校舎に、専用グランドが整備されないことに、住民や教育関係者から批判の声が上がっています。スポーツ推進校である代々木中学校の3年間の体育の授業や部活動、大規模校である西原小学校や幡代小学校の体育の授業や放課後クラブは、どこで実施するのですか。学校関係者や住民に具体的な案を示すべきです。教育環境を悪化させないために仮設校舎には専用グラウンドを整備すべきです。区長の所見を伺います。
  • 整備方針では、すべて校舎の中央を吹き抜けの「ラーニングコモンズ」にしようとしています。しかし、公立小中学校で取り入れたケースは少なく、校舎の大きな空間を使っているケースも見当たりません。義務教育の時期にどれだけ教育効果があるのか実証的な研究もありません。

 一方、同様の吹き抜け構造の本町学園では、当初から1階の雑音が4階まで響くので、「中学校3年生のスピーキングの授業では、休憩時間も低学年はガマンを強いられる」などの課題が指摘されてきました。

 ラーニングコモンズや吹き抜け構造について、教師や専門家の声を聞いているのですか。教育長に伺います。

  • 広尾中学校の説明会では、このスペースは地域との交流の場になるとの説明がされましたが、セキュリティや管理はどうするのか、吹き抜け構造に校舎の大きなスペースを割くよりも、特別教室や普通教室などを増やすべきです。区長の所見を伺います。

学校プールを設置しない

松濤中学校の建替え計画では、第3回準備委員会まで専用プールを整備する計画でしたが一転して、松濤中学校、代々木中学校、広尾小学校などは、近隣の屋内プールを利用するとして、プールを整備しないことが文教委員会に報告されました。

 プールの授業は、指導要領に位置付けられ年間10時間の時数を求められています。それは、四方を海に囲まれている日本の場合、水難事故からいのちを守るためだからです。

 学校プールを廃止した葛飾区では、水泳のある日は時間に追われ、朝の会や給食、昼休みの時間が削られ、前後の授業や子どもたちの集中力にも影響がでる。など学校外プールを利用することで、教師や子どもたちに新たな負担が生じています。実際、松濤中でプールをなくした場合、徒歩の移動で往復30分かかるとのことです。これでは授業になりません。

 松濤中をはじめ、今後整備するすべての学校にプールを整備すべきです。区長の所見を伺います。

学校統廃合の中止と学校整備のあり方について

新年度、千駄ヶ谷小学校と原宿外苑中学校、猿楽小学校と鉢山中学校を統廃合して、施設一体型小中一貫校を建設するための予算が計上されました。

 小中学校は、子どもの教育の場であり、地域のコミュニティや防災の拠点です。将来にわたって、住みやすく、子育てしやすい地域にしていくためには、地元住民の合意が欠かせません。

 住民からは「トップダウンで、統廃合を進めることは地域破壊だ」との声が寄せられています。地域にとって、学校統廃合は子育て環境やまちづくりにとって極めて重大な問題です。区長は、対象となる地域の住民の声を丁寧に聞くべきです。

 ところが、教育委員会では、保護者全員への意見聴取も行わない、地域住民への説明会は基本設計が決まって以後としていいます。広尾中学校の説明会は、案内が建物高さの2倍の範囲とされており、住民はもとより準備委員も知らされなかったと聞いています。

 今後の学校の長寿命化は、建替えありきでなく、整備費用は2~3割削減でき、CO2排出量も低減できるリファイニング建築も検討すべきです。

 トップダウンの「新しい学校づくり整備方針」も学校統廃合も撤回し、それぞれの学校の整備については、基本設計以前に、こどもと保護者と学校関係者、地域住民に広く意見を聴く機会を設けるべきです。区長に伺います。

 

区長答弁 ●スポーツセンター仮設校舎は、共用グラウンドと専用体育館で。●ラーニングコモンズは、「未来の学校」の拠点、広尾中学校でもセキュリティは確保。●今後、すべての学校に整備する考えはない。●(学校統廃合は)保護者、地域、学校関係者の意見を丁寧に聞く。●新しい学校は、建て替えが中心。●撤回する考えはない。

教育長答弁 ●すべての学校が吹き抜けではない。

区政リポート2024.3.21docx