「公共施設再配置」で、社教館や区立保育園廃止の可能性も… ~「公共施設再配置の基本的な考え方」示される~公共の責任の後退許されない 田中まさや議員が、区政リポート7月26日号を発行しました
「公共施設再配置の基本的な考え方」示される~公共の責任の後退許されない
「公共施設再配置」で、社教館や区立保育園廃止の可能性も…
第2回定例会中の総務委員委会に、「公共施設再配置の検討結果について」とする報告についての質疑が行われました。この報告は、渋谷区が、公共施設の今後の施設整備の在り方について検討した結果として作成した「公共施設再配置の基本的な考え方」(以下、「考え方」)にもとづくものです。
公共施設を財政削減と民間企業の営利追及の場に
渋谷区の公共施設の再配置は、政府がすすめる「公共施設等総合管理計画」をもとに進められています。
政府は、人口減少等による今後の公共施設等の利用需要の変化を口実にして、コスト削減と維持管理や更新にかかわる産業の競争力を強化しようとしています。
実際、「考え方」の「背景と目的」では、「他自治体の例では、学校の建て替えを契機に、老朽化した近隣の公共施設と一体的に建て替えを行うことで、効率的な行財政運営を進める」ケースを紹介、財政削減優先の姿勢を示しています。
なお、渋谷区は、2050年でも人口は現在より約8%増えると予測しており、公共施設の需要は今より増えることになります。
公共施設は、住民福祉の増進を最優先に
「考え方」の「用途別の今後のサービスの方向性」(左表)では、建て替えを契機に、社会教育館などを「コミュニティセンターへの転換」するとしています。しかし社教館などの公共施設には、それぞれの設置目的(左下表)があり、目的に沿った利用の拡大や施設の充実が求められます。例えば、社教館には「社会教育活動の育成振興」という目的がありますが、渋谷区は直営から委託に変えたため、区が社会教育活動の育成に直接責任を果たせなくなりました。こうしたやり方を改めて、目的達成にふさわしく社会教育活動の充実に区が責任を果たすべきです。
また、保育園、保育室などは、「私立も含めた公民で需要に対応」するとして、保育園児の減少を契機に、区立保育園の廃園も示唆し
ています。しかし、コロナ感染拡大時でも保育を継続してきたのは区立だからです。区立園は廃園でなく、保育士配置基準や面積基準を独自に改善し、保育の質を向上させるなど区民福祉の増進を図るべきです。
公共施設のあり方は、住民の総意が重要です。トップダウンによる「再配置」を許さず、公共の責任を果たさせましょう。
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