福祉人材住宅を廃止、高家賃の区営住宅に ~福祉の増進に逆行、党区議団は反対 田中まさや議員が、区政リポート7月19日号を発行しました⑵

人権安全・安心活動報告渋谷区

福祉人材住宅を廃止、高家賃の区営住宅に

福祉の増進に逆行、党区議団は反対

第2回定例会には、ライフピア西原に整備されている福祉人材住宅を廃止し、高い家賃の区民住宅にするための条例が提案されました。党区議団から、最終本会議で、牛尾まさみ議員が条例に対する反対討論を行いました。以下は、その要旨です。

 本条例案は、区営住宅を除くライフピア西原の2DKタイプの住戸を区民住宅に転用するための改定です。

 現在、ライフピア西原の2DK住戸は、福祉人材住宅として12戸、借上げ等高齢者住宅として、9戸、合計21戸あります。区民環境委員会の質疑の中では、今後、空室が生じた場合、順次区民住宅に転用し、代官山アドレスで売却する16戸を確保する考えが示されました。福祉人材住宅12戸と高齢者 住宅4戸が転用され、将来的には福祉人材住宅はなくなり、高齢者住宅も1DK12戸、2DK5戸に減ることになります。

 区は、福祉人材への居住支援は各所管部で行うとしていますが、都や区の福祉部署が行っている介護従事者向けの居住支援策は、いずれも家賃補助制度であるうえに事業者負担があります。そのため利用が進んでおらず、支援を受けているのは区の制度でわずか8人、東京都の制度でも14人で、直接区が住宅を提供する事業の役割は重要です。また、高齢者住宅の申し込み倍率は30倍で増設が強く求められています。

 区は、区民住宅の使用料を12万円から20万円にすることを予定しています。現在の福祉人材住宅は所得に応じて2DKタイプが5万8800円から12万3700円、高齢者住宅の2DKタイプは収入に応じて4万円から9万円で、区民住宅よりも安く設定されています。区が力を入れるべき住宅提供は、高い家賃に苦しむ低所得者のための区営住宅や、年金でも安心して住み続けられる高齢者住宅、人材確保が困難な福祉人材向け住宅です。

 渋谷区は、福祉人材住宅について、平成22年を最後に空き家が生じても募集を行っていません。借り上げ等高齢者住宅の募集は平成24年が最後で、今後、民間住宅2か所の借り上げ契約更新をせずに廃止しようとしています。今回の区民住宅条例の改定は、福祉人材住宅や高齢者住宅を減らして区の住宅施策を後退させるもので、到底認められません。

以上