緑道整備113億円(園路など47億円)!?住民無視許さない ~第2回区議会定例会閉会・・・区民のくらし守り、願い実現に全力 田中まさや議員が、区政リポート6月21日号を発行しました
第2回区議会定例会閉会・・・区民のくらし守り、願い実現に全力
緑道整備113億円(園路など47億円)!?住民無視許さない
区議会第2回定例会は、6月17日閉会しました。最終本会議では、牛尾区議が「渋谷区区民住宅条例の一部を改正する条例」に、五十嵐議員が「渋谷区スポーツ施設条例の一部を改正する条例」に、私が、「玉川上水旧水路緑道再整備工事(玉川上水旧水路笹塚緑道ほか)請負契約」について、それぞれ反対討論を行いました。今号では、私の討論(要旨)をご紹介します。
本契約は、玉川上水旧水路の笹塚緑道と大山緑道の一部の再整備ついて、加勢造園株式会社と1億8150万円で工事請負契約を締結するものです。
第1の理由 本契約が、緑道再整備計画の一部であり、多くの住民の反対、見直しを求める声を無視して契約することは許されない
この計画は、総額113億円もの税金を投入し、農園などを整備し、指定管理者による管理を検討しています。本契約は、この玉川上水旧水路緑道2.6kmに及ぶ整備計画の一部であり、最初の工事となります。
総務委員会でも、工事で使用する園路舗装材であるテラゾは、緑道全体に使用すると答弁しており、この工事を突破口にして、緑道整備計画を今のまま強行し、既成事実化するものです。
4月24日のササハタハツ会議では、住民から「今のままの緑道で、樹木の適切な管理を求める」「農園はつくらないで」「巨額の税金投入は許されない」「区が直接管理運営して」など、発言者全員が、今の計画に反対ないし見直しの意見でした。その後の町会等での説明会でも反対の声が上がっており、住民合意がないことは明らかです。
住民の声を切り捨てて、計画の一部の工事に着手することは、トップダウンによる住民無視で許されません。
第2の理由 緑道整備事業の全体の予算も使用する資材もあまりにも高額であり、住民の納得は得られない
区長は、この間、計画の総事業費は100億円程度としていましたが、今定例会の本会議では今回の契約をもとに精査した結果110億円と10億円も増額しました。ところが総務委員会では、工事費58億9千万円、植栽6億7千万円、園路舗装材やベンチなどの資材に41億1千万円、トイレに6億3千万円と全体の事業費が約113億円とさらに3億円増え、どんどん膨れ上がっています。とりわけ、園路舗装材とベンチだけで41億1千万円、トイレの6億3千万円を合わせると47億円で、総額の46%を占めます。
区民環境委員会での報告や予算をもとに今回の工事に使う資材の価格を試算した結果、総額は1億3200万円余であり、ベンチは4基で約1500万円、1基375万円もします。舗装材のテラゾは9401万円で、単価は17万円/㎡と一般の価格の10倍以上も高額なものです。このテラゾは、現在の土の部分の園路も含めて、緑道の2.6km全体に使おうとしています。
代々木緑道にテラゾを展示していますが、住民からは「樹木への負担になる」「土に比べて熱を蓄えやすいのでは」「水に濡れると滑りやすい」「修理にもお金がかかるのでは」などの疑問が出されており、テラゾの使用についても住民合意があるとは言えません。区は、廃材を利用するのでエコだといいますが、それだけの理由で、これだけ高額な舗装材やベンチに住民の理解は得らません。
国保料や介護保険料を引き上げ、敬老祝い金を1億2千万円削減する一方で、113億円もの税金を緑道再整備に使うことは到底認められません。
第3の理由 多くの中低木を除去・廃棄することは許されず、現状の緑道を適切に維持管理することが、多くの住民の願いだから
この間、住民は樹木の保存を求めてきました。本契約の工事では、中低木の樹木は除去・廃棄し、緑道をいったん更地にしたうえで工事を行い、利用可能な中低木の樹木は移植して活用するとしています。こうしたやり方を緑道全体で行えば、膨大な中低木の樹木が廃棄されます。移植についても樹木に負担を与え、工費もかさみます。中低木の樹木も含めて、現状のまま適切に維持管理してほしい、との住民の願いを切り捨てて、工事契約を締結することは認められません。
以上、反対討論とします。