物価高騰対策なし、公共施設は統廃合や利用料値上げも ~渋谷区令和7年度予算編成方針が示される 田中まさや議員が、区政リポート8月28日号を発行しました⑴
渋谷区令和7年度予算編成方針が示される
物価高騰対策なし、公共施設は統廃合や利用料値上げも
長谷部区長の「令和7年度予算編成方針について(通達)」が、8月27日の幹事長会で報告されました。
問題点はたくさんありますが、私が指摘した点を中心に、ご紹介します。
物価高騰からくらしを守る課題が中心に据えられず
「方針」の総論で、「渋谷民のウェルビーイングのさらなる向上」としていますが、渋谷民とは来街者や区に関わるすべての人を指す用語であり、主人公である区民が同列に置かれている点で、だれのための区政なのかをあいまいにしていることは問題です。
また、基本方針では、「物価高騰や不安定な景気動向が続く中においても、経費の適正化に努め、行財政運営の持続可能性を確保しつつ、区民の安全・安心に、そして快適に暮らせるよう、デジタルガバメントの実現を推進していくものとする。併せて、本区の未来を見据えた投資として、「人づくり」と「まちづくり」らも積極的に取り組み、シビックプライドの醸成につなげる予算」としています。
私は、渋谷民の問題点を指摘したうえで、区民にとって最も切実な課題である物価高騰からくらしや中小業者の営業を守る施策を聞きましたが、「適切に対応する」というだけで、予算編成方針の中心に据えられていないことが明らかになりました。
公共施設は統廃合、利用料値上げは許されない
「経費の見積もりなついて」では、「施設の整備・改修等」は、「個別計画の策定・設計段階においては、近傍の教育・生涯学習・区民・福祉施設との連携、複合化等、施設のあり方を含めた総合的な見地から検討を行うとともに、将来の維持管理費の縮減策も盛り込む」としており、経費削減のために、区民のための施設の統廃合や複合化を進める考えを明確にしています。
さらに、「歳入の確保」では、「施設使用料については、負担の公平性を確保するため、物価・人件費の変動といった社会経済状況等を反映した適正な受益者負担となるよう、定期的な見直し手法等について検討を行うこと」として、利用料の値上げ方針を示しました。
公共施設は、「住民福祉の増進」のために活用すべきであり、その統廃合、縮小は、区民ニーズの充実や防災施設の確保に逆行するもので許されません。
また、物価高騰で区民のくらしが大変になっているなかで、区民のための物価高騰対策がないばかりか、公共施設の利用料を値上げする方針はさらに区民負担を増やし、低所得者から区民施設を利用する権利を奪うもので認められません。
これから予算編成が本格化します。いのち、くらし、教育最優先、住民が主人公の予算に変えるために、住民の声を区政に届けましょう。