「住まいは人権」の立場で、住宅問題解決求める ~田中まさや議員が、区政リポート1月24日号を発行しました

人権安全・安心活動報告渋谷区

吉良よし子参議院議員・全都の地方議員で国交省要請

「住まいは人権」の立場で、住宅問題解決求める

地域の方から、「住まい」の確保についての相談が絶えません。その多くが、高齢者や障がい者です。

これまで夫婦で民間賃貸アパートに住んでいた方が、パートナーと死別、仕事をやめて収入がなくなった、などで家賃が高額で部屋を出ざるを得ない、アパートの老朽化で退去を求められている、などです。しかし、都営住宅や区営住宅などの公営住宅に応募しても「宝くじに当たるようなもの」と狭き門で民間賃貸住宅も高額で、高齢者や障がい者は敬遠されるなどの実態があります。

こうした住宅問題を解決するために、1月14日、吉良よし子参議院議員が取りまとめた国土交通省への要望事項(左掲参照)について、都議会議員や全都の地方議員が参加して、同省へのレクチャ・ヒアリングを行い、私も参加しました。

私は、要望事項についての国交省の回答の直後に、以下の内容(要旨)で質問しました。

 渋谷区の住宅事情は、民間賃貸住宅の家賃が高騰しており、生活保護の住宅扶助上限である単身53,700円、夫婦で69,800円以下で探すのは困難。しかも、物価高騰の影響で高齢者の実質年金や実質賃金が下がっており、良好な住宅を探すことができない。

 住まいの近くで住宅確保ができなければ、住まいをなくすか遠方に引っ越さざるを得ない。これでは、人間としての尊厳が保てない。国は、こうした事情を知っているかお聞きする。

 国や自治体は、「住まいは人権」との立場で、国か責任をもって、家賃補助や公営住宅の増設など住宅の確保を保障すべきである。

 国交省の回答は、「住まいは人権」という立場での回答ではなかったため、原田都議(杉並選出)が、重ねて追及し、ようやく「人権」のかかっている問題だと認めたが、前向きで具体的な回答はありませんでした。

住宅問題についての国土交通省への質問事項

⑴国として、恒久的な家賃補助制度を創設すること

⑵公営住宅について

①公営住宅の供給を新規建設含め大幅に増やすこと。そのために、国として必要な措置を講ずること。UR賃貸住宅の空き家や民間賃貸住宅の借り上げなど、多様な供給方式を活用すること。

②入居収入基準を、まず引き上げ前の月収20万円に戻し、さらに引き上げること。使用継承(入居基準)の基準を改善し、一親等までの承継を認めること。

⑶UR賃貸住宅について

①都市再生機構法第25条4項に基づき、家賃の減免を行うこと。高すぎる家賃を引き下げること。低所得世帯の家賃は近傍同種家賃制度などによるのでなく、応能家賃にすること。

②団地の売却・削減・統廃合は行わないこと。「ストック活用・再生ビジョン」は撤回すること。

③畳表の取り換え、襖紙の張替えなどの修繕は、URの負担で行うこと。                       以上

「要望事項」に対する国交省の回答(要旨)

⑴について

⇒財政負担が増大し市場家賃の上昇を招く恐れがある。生活保護の宅扶助費との関連など、慎重に検討する必要がある。

 住宅確保については、セーフティネット法(新たな住宅セーフティネット制度における居住支援について)や公営住宅法などで、国として家賃低廉化に対応している。

⑵について

①⇒自治体への支援を実施。不動産関係団体、民間支援法人と地方公共団体で「居住支援協議会」を創設し、マッチング・入居支援を実施している。

②⇒低所得者対策として、従来家賃との差額支援などを実施。「入居収入基準」は、地方分権改革として、自治体で上限29万5千円まで引き上げられることにした。参酌基準は、15万8000円なので、条例で決めてもらう。基準額は、自治体の判断。

「使用継承」は、公営住宅法施行規則で、同居人は退去か求められる。公営住宅が同一の親族に占有されないよう厳格化され、配偶者、高齢者、障がい者に限っている。どの範囲まで使用継承を認めるかは自治体の判断。

⑶について

①⇒民間賃貸住宅や生活保護住宅扶助費との均衡を考え、慎重に検討する。家賃は、収入の25%以下を25%50%までは家賃を増額しない。

②⇒撤回は考えていない。

③⇒修繕について大部分の81項目はURの負担としている。居住者の使用の仕方で、劣化が違うものは対象としていない。

以上

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