【さわやかレポートNO.92】韓国視察調査記①/立石再開発

発行物葛飾区都議会

和泉なおみの「さわやかレポートNO.92」発行しました。

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NO.92 2024.05

 

ソウル市の意欲的な青年対策を学ぶ

韓国視察調査記 その1

 

5月15日から17日まで、ソウル市の学校給食と青年支援策の調査と視察のために韓国に行ってきました。

1日目は、青年センターとハジャセンターの視察、2日目は教育庁と流通センターの視察、最終日には西大門刑務所と景福宮を見学し、帰国。タイトな日程でしたが、とても勉強になりました。盛りだくさんの視察調査を2回の連載でお伝えします。

 

「青年しあわせプロジェクト」に約七〇〇〇億円の予算化

 

厳しい競争社会の中で、学費も住宅費も高く、青年が自分の未来への展望も持ちにくく社会に希望が持てないという点で、日本と韓国はよく似ています。

韓国の青年の五人に一人がソウル市に集中していますが、この一年の間に燃え尽き症候群を経験した若者は三割を超し、引きこもりも増えています。

就職が難しく、家賃も高いため未婚の一人暮らしもほかの地域より多く、孤立してしまいがちだという背景があります。

このような状況に対してソウル市は二〇二〇年に二〇事業七一三六億ウオン(約七八五億円)だった「ソウル型青年保障」予算を「青年しあわせプロジェクト」として五〇事業六兆二八一一億ウオン(約六九〇九億円)まで拡充しようとしています。

①働く場、②住居、③教育と文化、④福祉と生活、⑤参加と権利という五つの部門から様々な施策を展開しようとしていることが注目されます。

 

「青年安心住宅」や「青年手当」など

 

具体的には未就職の青年のための「就学士官学校」や、最大一年間の家賃助成、通常の家賃より三割から七割安い家賃で入れる「青年安心住宅」、仕事をしていない青年には、月額五万円程度の「青年手当」が最大六か月支給される、など青年をささえるさまざまな制度がつくられています。

特徴的なのはどのような政策が必要なのかを青年が話し合う「青年政策ネットワーク」でさまざまな分科会ごとに政策提案や政策モニタリングが行われていることです。

 

地域ごとに「青年センター」が十五あるソウル市

 

視察第一日目は仁川空港から空港鉄道でソウル駅に向い、通訳兼ガイドの方と合流して青年センターに直行しました。

青年センターはソウル市内に十五の地域センターがあり、私たちが伺ったセンターはそれらの拠点施設です。

センターには青年たちのさまざまな要求にこたえ、音楽スタジオやキッチン、SNS配信の個別ブースや相談室などが充実していました。

石原都政が水元青年の家など都内の青年の家を全廃したままの東京とは対称的だと思いました。

 

「ハジャセンター」(やってみようセンター)にもびっくり

 

続いて訪れたハジャセンター(日本語に訳すと「やってみようセンター」という意味)は「自分が望む未来を自分で作っていく空間」として位置づけられていて、通常の学校をやめている十六歳から十八歳の子どもたちが主に利用しています。また、高校の三年間のうち、一年間をここで学び元の高校に戻ることもできます。

ヒップホップで有名なミュージシャンや、私が夢中になった「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」というドラマの脚本家もこのハジャセンターの出身だと聞いてびっくりしました。

クラブ(ディスコ)、木工室、美術室、勉強室やカフェなどを見せていただきました。

プロジェクターによるセンターの紹介の最後に人間の価値や尊厳を「役に立つかどうか」で診断することが正しいのか、と問いかけていたことがとても印象に残りました。

 

 

和泉都議と党区議団

立石南口商店街訪問行う

 

4月23日、和泉なおみ都議と区議団は、立石駅再開発で南口商店街がどんな影響をうけているかの聞き取り調査をしました。

 

北口再開発で人の流れが変わって

 

現在北口再開発エリアは店舗等がすべて撤退し解体工事がすすみ、エリアの中は通路だけになっています。この状況から南口商店街は「人の流れが少なく半減している」「立石周辺の客は減った」「人の流れが変わってる」「南口に人が来ない、店は厳しい」「乗り降りの人は変わらないのに人が通らない」「10年前から売上半減、北口の影響でさらに二割減だ」などの声が寄せられ、北口の強引な再開発事業が南口商店街に深刻な影響を与えていることがわかりました。

 

このうえ南口再開発がすすめば、の心配

 

南口の再開発については「個人で建替えられないから仕方がないが、自分は戻るつもりはない」「家賃が高くなるし、新しくやる気もしない」「補償の交渉をするまで店をやっていけるかさえ分からない」「7年前に北口から南口に移転したのに、今度は南口の再開発、反対だ」などの一方で、「きれいになるのは賛成、安心して子どもを連れてこられる街にしたい」という声もありました。

今後、南口の再開発がすすめば、立石駅周辺は壁に覆われた通路になってしまい、街はなくなってしまいます。やはり暮らしや生業を維持し、地域経済を回しながら街づくりをすすめるには、徹底した住民参加ですすめることが重要だということを痛感しました。

 

 

なおみのさわやかエッセー

「温かさに触れた入学式」

 

毎年、都立学校の入学式のご案内をいただきますが、出席できる数は限られてしまいます。今年、出席させていただいた、ある特別支援学校の入学式でこんなお話を伺いました。

防災・避難訓練で近隣の公園を使った時の事。事前に地域の自治町会にはお知らせしていましたが、当日、子どもたちが安全に訓練ができるように出てきて、誘導してくれたそうです。訓練後、ご紹介しようと思ったら、その時にはもういなかったと。「頼まなくても出てきて協力してくれ、終わったらさりげなくいなくなる。当たり前のようにそういう心遣いをしてくれることに、地域の皆さんの温かさを感じて、とてもありがたく、うれしかった。私たちも地域のためにお役に立ちたいと思った」と、校長先生が語ってくれました。

私も、その話をきいてうれしくて、温かい気持ちでいっぱいになりました。そんな人たちが作ってきた街。やっぱり葛飾って、素敵なところです。

 

 

幹事長日誌

 

4月 6日 第2回中央委員会総会

~7日

8日 都知事選候補者選定委員会

11日 都委員会総会

12日 全都地方議員研修会

13日 都政報告会

15日 ソウル市の視察調査

~17日

19日 都議団チームリーダー会議

5月 1日 都知事選候補者選定委員会