新型コロナから、区民のいのちと営業、学生を守る⑴ ~区議会第3回定例会・日本共産党区議団代表質問より② 田中まさや区議会議員が、区政リポート9月25日号を発行しました

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区議会第3回定例会・日本共産党区議団代表質問より②

 

日本共産党区議団代表質問の柱

1.コロナ感染症対策の強化について

2.いのちとくらしを守る区政への転換について

3.介護・高齢者福祉について

4.国民健康保険について

5.教育環境の改善について

6.羽田空港の低空飛行増便問題について

7.核兵器廃絶について

区議会第3回定例会で日本共産党区議団は、代表質問の最初の柱として、新型コロナウイルス感染拡大から区民のいのちとくらし中小業者の営業、学生を守るために区としての役割を果たすよう具体的な提案を行いました。以下、コロナ対策の提案の前半と区長答弁の要旨をご紹介します。

新型コロナから、区民のいのちと営業、学生を守る⑴

安倍政権の新型コロナ対策について

①新型コロナウイルス感染症の猛威はおさまらず、依然として危険な状態が続いています。感染の拡大は、無症状の感染者が多数いる感染震源地から市中感染が広がっていると考えられています。したがって感染震源地を明確にして、住民や働く人全体を対象に大規模にPCR検査を実施し、感染力のある人を見つけ、隔離・保護することです。

多くの専門家や全国の医師会からの要請で、厚生労働省は8月28日、PCR検査について、感染が疑われる職場、地域、店舗や医療・介護事業所などを幅広く積極的に検査する方針に転換しました。しかし、その判断は自治体任せで財源措置も十分ではありません。

区長は政府に対し、PCR検査を自治体任せにするのではなく国の責任で財源を確保し、また、大学や民間などの検査能力を総動員して検査を抜本的に増やすよう求めるべきです。

区長答弁 行政検査の費用は医療機関と事務契約を締結し、自己負担部分を補助している。「財源確保や検査を抜本的に増やすこと」は「国政の場で議論すべき」で区からは求めない。

②消費税5%引き下げについてです。 

4月~6月のGDP(国内総生産)は、前期比マイナス7・9%で年率換算28.1%と戦後最悪となりました。消費税10%増税による消費不況に加え、緊急事態宣言などで経済活動は大きく停滞しました。

OECDは、付加価値税の減税を提言し、ドイツやイギリスをはじめ22ヵ国が実施。国民の生活や中小業者の営業はコロナ禍でいちだんときびしくなっています。景気回復に最も効果的な消費税5%引き下げを、政府に求めるべきです。

区長答弁「国の総合的な財政運営にかかわる問題」。そのような考えはない。

区のコロナ対策について

①渋谷区の感染者は952人(9月8日現在)です。新型コロナの感染防止と社会経済活動を一体で進めるためには、正確な情報を発信し区民の協力を得ることが必要です。区内のどこで感染が広がっているのか、どんな状況になっているのかなどの情報が公開されないため、区民は不安を強く感じています。区民に、検査数、陽性率、陽性者の地域別・年代別などの情報をできる限り公開すべきです。

区長答弁 現在の行政検査は、保健所を通じるもの、医療機関を直接受診するもの、自費検査も行われている。「区は自ら受診調整したもの以外の検査件数を把握できないため、陽性率についても算出でき」ない。陽性者の地域別、年代別などの情報公開は、「本区の規模では個人の特定や差別行為につながる恐れがあるため」考えていない。

②感染が蔓延していたニューヨーク市では、PCR検査を徹底しておこない、感染を抑え込んだといわれています。世田谷区では「いつでも、誰でも、何度でも」を目標に検査しようとしています。昨日区長は、介護・障がい者施設でPCR検査を実施すると答弁しました。

それに加えて医療機関、介護ヘルパー、保育園・学校関係者のPCR検査を区の負担で実施すべきです。わが党の試算では、介護・障がい者施設、小中学校、幼稚園・保育園職員のPCR検査は約7億円でできます。今定例会中に必要な予算を組むべきです。

区長答弁 介護施設・障がい者施設は東京都が支援策を実施するとしているので、区独自には実施しない。その他の福祉施設、小中学校、幼稚園、保育園職員に対してのPCR検査は「今後の課題として国や都の動きを注視」する。

⑶医療機関への支援についてです。

①日本病院会などがおこなった調査では、6月の1病院あたりの赤字額は平均5951万円で、利益率も4、5月に比べて12%も悪化。4分の1を超える病院が夏季賞与を減額せざるを得ないと回答しています。区内のある病院でも前年同時期とくらべ1億円も減っていると聞いています。医療機関の危機的状況をそのままにすれば、感染の拡大を止めることも、区民の健康と命を守ることもできません。

区長は医療機関への減収補てんを実施するよう政府に求めるべきです。今議会に提出された補正予算の減収の介護事業所、障害者施設への区の独自助成は、わが党も求めてきたものであり評価します。同様に区内の減収となっている医療機関に対しても支援を実施すべきです。

区長答弁 「国において議論すべき問題」「医療体制の確保」は「国や都の責任」。

②都立広尾病院についてです。

広尾病院をはじめ、都立・公社病院は、新型コロナ感染者を真っ先に受け入れ治療に当たってきましたが、小池知事は、コスト削減を理由に地方独立行政法人化を打ち出し2022年度中に移行する方針を示しました。都民の命を守るため新型コロナと最前線でたたかっている都立病院を採算優先の地方独立行政法人とすることは認められません。区長は、広尾病院を都立病院として存続・運営するよう、東京都に申し入れるべきです。

区長答弁 都が「責任を持って判断すべき事項」、都に申し入れる考えはない。

次号に続く

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