区独自のコロナ対策直ちに…感染抑止、医療機関、業者、区民への支援を ~区議会第1回定例会・日本共産党区議団の代表質問から① 田中まさや区議会議員が、区政リポート3月12日号を発行しました。

安全・安心活動報告渋谷区

区議会第1回定例会・日本共産党区議団の代表質問から①

区独自のコロナ対策直ちに…感染抑止、医療機関、業者、区民への支援を

緊急事態宣言が再延長するなどコロナ感染拡大の終息が見通せず、区民や事業者がひっ迫しています。日本共産党渋谷区議団は、区議会第1回定例会で、コロナ禍で苦しむ区民の切実な声を突き付けて、コロナ感染抑止とくらし、営業を支援するための具体的提案を行いました。区長は、区民の声や党区議団の提案に背を向け、冷たく切り捨てました。

以下、五十嵐幹事長が行ったコロナ対策についての質問要旨です。

渋谷区の新型コロナウイルスの感染を収束させ、区民が安心して生活できるようにすることが政治の責任だと考えます。党区議団は、昨年秋と今年の1月からコロナ対策アンケートを実施し区民の切実な声を聴いてきました。また昨年11月、渋谷区が実施した「渋谷区に望む新型コロナウイルス感染症対策」で一番多かったのは、区独自のPCR検査体制の強化で55.9%、2番目は、区独自の給付金や助成の拡大で55.5%となっています。こうした区民の願いにこたえ、早急に補正予算を組むことや1119億円の基金を活用して対策を実施すべきです。

⑴PCR検査の抜本強化を

2月に入り新規感染者は減少していますが、医療体制は依然ひっ迫しており、厚生労働省も高齢者施設でのクラスターが全体の3分の1を占めたことから、高齢者施設の職員に集中的にPCR検査を行うよう通知しました。渋谷区でも障がい者施設や高齢者施設でクラスターが発生しており、今こそ無症状の感染者を発見、保護する社会的検査を行うことが大事です。

世田谷区は、既に高齢者・障がい者施設と学校、幼稚園、保育園の職員と利用者の定期的検査を実施しています。

渋谷区も高齢者施設にとどまらず障がい者・保育園・幼稚園・学校などの職員と利用者に対し、定期的PCR検査を実施すべきです。また、松戸市は地方臨時交付金を活用して、全市民を対象にPCR検査を実施しています。 渋谷区としても感染集積地など無症状者の検査を実施すべきです。

⑵医療機関等への減収補填と都立広尾病院等の独立行政法人化の中止を

日本病院会などの病院経営の調査結果によると、全体の4割弱で冬の賞与が減額。支給ゼロの病院もありました。今後ワクチン接種の役割を担うことになる医療機関や従事者に対する支援が、今こそ必要です。すでに墨田区や杉並区では独自に、重症から回復しつつある感染者を受け入れる病院に1000万円の補助金を出しています。

区長は、感染が急増した年末年始も不眠不休で奮闘し、さらにワクチン接種も担う医療機関と従事者に減収補てんと従事者への慰労金を早急に支給するよう国に求めるとともに、渋谷区としても支援すべきです。

小池知事は、コロナ感染の急増に対応するため、都立広尾病院や荏原・豊島公社病院をコロナ専門病院に指定しましたが、都の予算を削減するため都立・公社14病院すべてを2022年度までに、地方独立行政法人化する計画です。現在広尾病院を初め都立、公社病院のコロナ病床は、全都の3割以上を占めています。一方独法化された健康長寿医療センターは、コロナ病床が10床しかありません。こうした独法化に対し、渋谷区民をはじめ多くの地域で都立・公社病院を守る会が作られ、区民アンケートでは、63%が広尾病院は都の直営で継続することを求めています。

区長は都の直営を求める区民の願いをどう受け止めているのか伺います。コロナ感染者の急増に迅速に対応し専門病院に変更できたのも都の直営だからです。独法化を中止するよう都に求めるべきです。

⑶中小企業支援について

零細企業の倒産や休廃業が急増しています。東京商工リサーチによると昨年の倒産件数は、630件で前年に比べ23%増加し、2000年以降最多です。区内の倒産件数は28件で都内最高となっています。

党区議団の緊急アンケートには、「二度目の緊急事態宣言によって仕事が激減しました。1度目のときは、持続化給付金などのおかげで何とかやりくりできたものの、今回は、申請できる給付金はなく、心底困っています」と悲痛な声が寄せられています。また、1日6万円の協力金ではやっていけない、との声も噴出しています

国に対し、持続化給付金や家賃支援給付金の再支給と、協力金については、減収前の売り上げに応じた支給に改善するよう求めるべきです。合わせて、渋谷区として家賃等の固定費助成を実施すべきです。

⑷区民生活の支援について

都民生活調査によると、生活が苦しくなった人が6年ぶりに増加しています。緊急アンケートに、40代の女性から「突然解雇され家賃が払えません」、50代男性から「仕事がなくなり手持ち金もあとわずかで光熱費も払えません。助けてください」など、いのちも暮らしも途絶えるかどうかの切実な訴えが多数寄せられました。こうした人たちの命と暮らしを守るのが区の役割です。

渋谷区として、基金を活用して当面住民税非課税者に対し、生活支援金を支給すべきです。

⑸生活保護の改善について

最後のセーフティネットである生活保護の受給は、生活に困っている人たちの3人に2人が利用していません。その大きな理由が親族への扶養照会です。政府は国会答弁で「扶養照会は、義務ではない」と答弁しました。

本人の同意のないものはやめるべきです。また区内の家賃を69800円まで認めること、さらに区のホームページに生活保護は権利であることと内容を周知すべきです。

区政リポート2021.3.12docx