コロナ対策不十分・区民そっちのけで大企業奉仕の予算に反対 ~区議会第1回定例会閉会・田中まさや議員が、区長予算に反対討論① 田中まさや区議会議員が、区政リポート4月2日号を発行しました

安全・安心活動報告渋谷区

区議会第1回定例会閉会・田中まさや議員が、区長予算に反対討論①

コロナ対策不十分・区民そっちのけで大企業奉仕の予算に反対

区議会第1回定例会が3月25日の最終本会議で、区長提案の条例や予算、日本共産党区議団提案の条例、区民から提出された請願などの議案を表決し閉会しました(結果は下表参照)。

日本共産党区議団は、区長提案の2021年度渋谷区一般会計予算、同国健保事業会計予算、同後期高齢者医療事業会計予算に反対し、介護保険料の据置き、値下げを盛り込んだ介護保険事業会計予算には賛成しました。私は、党区議団を代表して、一般会計予算等への反対討論を行いました。今回は、討論の冒頭部分(要旨)をご紹介します。

 

2021年度予算に対する反対討論の柱

1.新型コロナ対策が極めて不十分

2.コロナ禍で苦しむ区民に対して、負担増と福祉の切り捨てを押し付け、福祉の増進義務を負う区の責任を放棄

3.子育て支援や福祉の充実を求める声に背

4.コロナで苦しむ区民に背を向ける一方で、財界戦略に従い、国際競争力を高め、大企業の儲けを最優先

5.不要不急のムダ遣い予算

 

<以下、反対討論>

 新型コロナウイルス感染症は、いままでの社会を続けて良いのかを問い直しています。世界でも日本や渋谷区でも、経済・効率最優先で大企業の儲けや大資産家の富を増やす一方、医療や公衆衛生、いのちとくらしを守る公共の役割を市場化し、後退させ、社会保障を切り捨ててきたことが、格差と貧困をひろげ、感染症に弱い社会にしてしまいました。こうした社会を改めて、医療や福祉、教育、中小業者支援など、いのち、くらしを守ることを最優先し、そのための公共の役割を発揮する社会へと転換することが求められます。

 ところが、2021年度渋谷区予算は、当面の最大の課題であるコロナ対策は、ほとんど不十分な国や都の施策の範囲で区の独自施策はわずかです。さらに大企業の儲けを優先し、住民福祉を後退させ、自治体本来の役割を投げ捨てる逆立ち予算であり認められません。

 党渋谷区議団は、コロナ対策を強化し、くらし、福祉を充実するために96事業の予算修正案を提案し、住民福祉の機関として役割を果たすために全力をあげています。

反対の第一の理由は.新型コロナ対策が極めて不十分

新型コロナウイルス感染症は、感染再拡大と感染力の強い変異株の蔓延など危険をはらんだ緊迫した状況です。渋谷区でも高齢者施設でクラスターが発生し、学校などでも相次いで新規陽性者が確認されています。期待のワクチン接種は見通せず、効果が表れるまでに一定期間を要するため、ワクチン頼りになれば感染の急拡大に対応できなくなります。

感染再拡大を防ぎ、終息させるためには、無症状感染者を発見・保護するためのPCR等の検査を抜本的に拡充することが急務中の急務です。区は、東京都の事業を活用して、高齢者・障がい者施設でのPCR検査を引き続き予算化していますが、検査実績は、高齢者施設で44人、障がい者施設で23人にとどまっています。「関係者に陽性者や濃厚接触者がいる」などの条件付けをやめて、医療機関、小中学校、幼稚園、保育園などを対象に加え、定期・頻回検査を実施すべきです。また、駅や繁華街等でのモニタリング検査を区として直ちにとりくむべきです。

長引く自粛要請のもとで、区民も中小業者も疲弊しており、わが党区議団のアンケートには、「飲食店を経営している。今の状態だと廃業して生活保護になる」「パート先から、突然解雇通され失業。家賃が払えません」など、窮状を訴える声が多数届いています。国や都の支援が後手後手で不十分な中、どの自治体も少ない財源でも住民に寄り添い独自の支援を行っています。ところが、渋谷区の来年度予算のコロナ対策32億9800万円のほとんどは国や都の補助事業で、困難な区民への給付や中小業者への固定費給付、医療機関への支援など区独自の給付はほとんどありません。第4波や次の感染症に対応するための保健所の体制強化も極めて不十分です。

100年に一度といわれる災害に際して、1119億円もの貯め込みの活用も予算措置もしないことは、自治体としての役割を放棄するもので許されません。

区政リポート2021.4.2docx