区民の声に背を向ける一方、財界戦略の大企業奉仕は許されない ~区議会第1回定例会閉会・田中まさや議員が、区長予算に反対討論③ 田中まさや区議会議員が、区政リポート4月16日号を発行しました。⑴
区議会第1回定例会閉会・田中まさや議員が、区長予算に反対討論③
区民の声に背を向ける一方、財界戦略の大企業奉仕は許されない
3月25日の区議会第1回定例会最終本会議で、日本共産党渋谷区議団を代表して私が行った一般会計予算等への反対討論(要旨)の第3回目をご紹介します。
2021年度予算に対する反対討論の柱
1.新型コロナ対策が極めて不十分
2.コロナ禍で苦しむ区民に対して、負担増と福祉の切り捨てを押し付け、福祉の増進義務を負う区の責任を放棄
3.子育て支援や福祉の充実を求める声に背
4.コロナで苦しむ区民に背を向ける一方で、財界戦略に従い、国際競争力を高め、大企業の儲けを最優先
5.不要不急のムダ遣い予算
4.コロナで苦しむ区民に背を向ける一方で、財界戦略に従い、国際競争力を高め、大企業の儲けを最優先
東急などが中心となって進めている渋谷駅周辺再開発では、総額80億円の税金投入を進めていますが、新年度の渋谷駅桜丘口地区への補助金は7億5600万円、渋谷駅中心五街区整備事業として、新年度は駅街区北側自由通路に6億8千万円、南口北側自由通路に2億8800万円もの予算を計上しています。こうした大企業中心の事業への税金投入は認められません。
また、東京都の旧児童会館跡地と区の美竹第二庁舎と区立美竹公園を一体に民間に定期借地させ、営利事業を展開させるステップアップ事業に470万円余を計上し、新年度には募集が行われる予定です。大企業の利益のために区民の大切な財産である公有地を差し出す事業は認められません。
さらに国内外から企業を呼び込み渋谷をグローバル拠点都市にするとして、これらの企業のためにコンソーシアム運営費、不動産の賃貸や資金調達、起業家育成システムの構築、PR費、ウエブサイト運営、ピッチイベント・トークセッション、実証実験事業、ワンストップセンターの設立など手取り足取り支援する予算を、区の独自予算で1億456万円計上しています。
いま商店街でも休廃業が出ており、かろうじて営業を継続している店舗なども、「これ以上の融資は不可能。いつまで持ちこたえられるか不安」との声があふれています。区民のくらしや雇用を支えてきた中小事業者や商店街が、コロナ禍でかつてない苦しみに見舞われているときに、固定費支援などの願いには背を向けて、1億円もの税金を投入することなど許されません。
1億2656万円を予算化したスマートシティ推進は、企業や生活者の利便性・快適性向上を目指すために、区民の個人情報を活用した事業で企業に利益を与える一方で、国民のプライバシーの侵害の危険をはらんでいることは、この間フェイスブックの2億6700万人の個人情報漏洩事件やいま大問題となっているLINEの個人情報管理不備問題などで明らかです。情報管理者への信頼や個人情報の保護が確立していないまま、IT産業の儲けのために区民の情報をビッグデータにして活用させることは認められません。
コロナ禍で苦しむ区民、中小業者への支援に背を向けて、新年度予算だけで20億円以上の税金を大企業の儲けのために投入し、区民の土地を提供することは、自治体の役割を投げ捨てるもので到底許されません。20億円あれば、住民税非課税世帯に1人3万円の給付金を支給し、中小企業の固定支援にも踏み出すことができます。
5.不要不急の無駄遣いの予算
わが党区議団の昨年のアンケートでは、区政への要望で最も多かったのが、税金のムダ遣いをただすことでした。コロナ禍での生活困窮の中で、税金の使い方には区民の厳しい目が注がれています。
ところが今年度も、河津さくらの里しぶやに1億2304万円の予算が計上されています。今年度の宿泊利用者はコロナ禍の影響で1月までの宿泊者累計は4586人にすぎません。そもそも区民の要望もないまま老朽化した施設を十分な検討もなく取得、開設し、今後大規模改修など多大な税金投入につながるこの施設は廃止すべきです。1億2千万円あれば、区内で働く民間保育士の賃金を月1万円引上げることが可能です。
以上、反対の討論とします。