五輪・パラリンピックの中止・延期を求める意見書(案)を提案 ~区議会でも野党共闘―共産党区議団・立憲民主・れいわ渋谷が共同で 田中まさや議員が、区政リポート6月18日号を発行しました⑴
区議会でも野党共闘―共産党区議団・立憲民主・れいわ渋谷が共同で
五輪・パラリンピックの中止・延期を求める意見書(案)を提案
新型コロナ感染拡大や医療のひっ迫が強く懸念される中で、菅政権や小池都知事は、この夏の五輪・パラリンピック大会を強行しようとしています。
日本共産党の志位和夫委員長は、国会での党首討論で菅首相に、新型コロナ分科会の尾身茂会長の五輪で感染リスクは高くなるなどの発言を紹介し、「国民の命を危険にさらしてまで五輪を開催する理由は一体何なのか」と質問しましたが、首相は、まともに答えられませんでした。国民のいのちよりもオリンピックを優先する許せない態度です。国会では6月15日、菅政権に対して、野党共同で内閣不信任案を提出しました。
区議会でも野党共闘で
渋谷区議会でも、第2回定例会の6月11日の幹事長会に、日本共産党渋谷区議団、立憲民主党渋谷区議団、れいわ渋谷の3会派が共同で、「五輪・パラリンピック2020東京大会の中止・再延期を求める意見書(案)を提案し、私が代表して提案理由の説明を行いました。(意見書(案)全文は左掲)
自民党、シブヤ笑顔、公明党が反対
14日の幹事長会での各会派の態度表明では、自民党から、意見書を出す先は、オリンピックの主催者であるIOCやJOCではないか。政府や国会に出すのは間違いか、知っていて出すのはお粗末だ。シブヤ笑顔は、これまで区議会としても特別委員会も設置して推進してきた。IOCが主催なので、出す先が間違っている。公明党も、提出先はIOC、JOCが先。などとして何れも反対しました。
無所属議員の二人から、実際に入国管理は政府の責任なのでこれで良い。中止や延期は難しいが、今のままではよくない。完全に中止や延期は無理だが、感染防止対策の強化などでまとまるのなら。などの意見がありました。
私は、国民のいのちを守るのは、国や都の責任であり、国や都が中止を決断してIOCに中止を求めれば、開催は不可能であり、区議会として国や都に求めるべきであるとして理解を求めました。立憲民主やれいわ渋谷からも同様の意見が出されましたが全会派一致には至りませんでした。
区議会での意見書は、全会派一致を原則としているため、意見書は取り下げざるを得ませんでした。
五輪・パラリンピック2020東京大会の中止・再延期を求める意見書 (案)
新型コロナウイルス感染拡大、変異株の蔓延と医療のひっ迫が危惧される中で、緊急事態宣言が再延長されており、国民も中小事業者も長引く自粛要請で、暮らしも営業も深刻な事態が続いている。
この夏の五輪・パラリンピック2020東京大会が開催されれば、日本国内の人流が増え、感染が拡大するリスクが高まることが専門家から指摘されている。大会に関わる国内外の関係者は約38万人になり、完全に感染拡大を抑え込むことは困難である。全国各地で中継会場なども計画されており、人流の増加を抑えることは不可能である。感染拡大とワクチン接種の遅れの中で、医療従事者を大会に動員することは、国民の命より五輪・パラリンピックを優先することであり許されない。
こうした中で、五輪・パラリンピック2020東京大会の中止・再延期を求める声が広がっており、世論調査でも多数を占めている。また政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長は国会で、「今の状況で、(五輪・パラリンピックを)やるというのは普通ない」と答弁し、多くの医療関係者、専門家から中止・再延期を求める声が上がっている。
世界は依然として深刻な感染拡大の最中にあり、練習環境も大きく制約され、代表選考大会を中止せざるを得ない国や競技もある。こうした中でフェアな大会を保障することはできない。
今、我が国が総力を挙げるべきは、感染拡大の防止と安全・迅速なワクチン接種、生活困窮者や中小事業者への支援などの新型コロナウイルス感染症対策である。
よって渋谷区議会は、国会、政府及び東京都に対して、五輪・パラリンピック2020東京大会の中止・再延期を強く求める。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
2021年6月 日
渋谷区議会議長
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会担当大臣
東京都知事
あて