学校は教育環境最優先に!統廃合、複合化、民間活力の導入止めよ ~区議会第1回定例会・学校施設長寿命化計画の問題点正せ 田中まさや議員が、区政リポート4月28日号を発行しました⑴
区議会第1回定例会・学校施設長寿命化計画の問題点正せ
学校は教育環境最優先に!統廃合、複合化、民間活力の導入止めよ
渋谷区教育委員会は、区立小学校18校、中学校8校、幼稚園5園の老朽化対策として学校施設の長寿命化計画を策定しました。
私は、昨年の第3回定例会の代表質問に続いて、今年の第1回定例会の代表質問で、改めて計画の問題点を具体的な事例も示して明らかにし、見直すよう求めました。
以下、私の質問と区長答弁の要旨です。
学校長寿命化計画、区立幼稚園の存続について
田中質問 学校施設長寿命化計画には問題があります。
第1に、「学校統廃合」を検討していることです。PISAの学力調査で高い成果をあげているフィンランド共和国は、小学校は1学年約20人、学校規模は140人で、複式学級も積極的に取り入れています。統廃合でなく、小人数学級を拡大し、小規模校の良さを生かして、地域のコミュニティの拠点も守るべきであり、学校統廃合はやめるべきです。
第2に、「区民施設との複合化、共用化」ですが、すでに複合化を進めた大田区では、①床面積は増え、構造が複雑化して単独での建設よりコストは高くなり、工期も延びた。②施設が大規模化し一人当たりの校庭面積が減った。③地域との交流は、効果が限定的との報告もあります。こうした先行事例を調査・研究し、複合化ありきで進めるべきではありません。
第3に、整備手法としてPPP/PFIを検討していることです。「効率的な運用」のため、民間活力や民間資金を活用し、学校施設の包括的管理委託や指定管理者制度も検討しています。これでは教育目的よりも民間の利益が優先にされかねず、区民の声が届きにくくなります。公教育の目的に反するPPP/PFIはやめるべきです。
以上3つの問題について、区長の所見を伺います。個々の学校施設長寿命化については、子どもの意見を尊重しながら、学校、保護者、住民と十分に話し合いをすべきです。所見を伺います。新年度の区立幼稚園の入園希望者が10人未満の園があり、区立幼稚園を残してほしいとの声が寄せられています。「渋谷区立幼稚園の在り方検討会」では、3年保育を求める声が出されています。
区立幼稚園は、3年保育を実施して、存続すべきです。区長の所見を伺います。
区長答弁 学校施設長寿命化計画は、地域の意見を広く募って、適切に策定したものであり、ご指摘の3点が問題だとは考えていません。
今後も学校関係者と適切に協議を進めながらすすめていきます。
また、区立幼稚園については、教育委員会で渋谷区立幼稚園の在り方検討会を実施しており、その結論を踏まえ適切に判断することとしています。
「渋谷区学校施設長寿命化計画」(抜粋)
小規模校を中心に統廃合を検討
- 児童・生徒数、学級数の実態・課題のまとめ
特に小学校において学級規模の格差が大きく、代官山・恵比寿・広尾地域(長谷戸小、常磐松小、鉢山中、広尾中)、代々木・千駄ヶ谷・原宿・神宮前地域(鳩森小)、笹塚・幡ヶ谷・初台・本町地域(笹塚中)において、学校再編(学区変更、統廃合)検討の必要性がある。
区民施設との複合化、共用化を推進
- 学校施設の目指すべき姿のまとめ
(方向性)区民施設との複合化、共用化
民間資金の活用を検討
- 整備手法の検討(PPP/PFI 等)
民間事業者の能力・ノウハウや資金を活用する PPP/PFI 方式等の新しい事業手法の可能性を検討