「国保料を引き上げないことを求める請願」に賛成討論~区議会第4回定例会―国保料の引き下げは可能! 田中まさや議員が、区政リポート12月16日号を発行しました
区議会第4回定例会―国保料の引き下げは可能!
「国保料を引き上げないことを求める請願」に賛成討論
区議会第4回定例会で、日本共産党区議団は、代表質問で高すぎる国保料の引き下げを求めるとともに、区民から提出された「国保料を引き下げないことを求める請願」の採択に全力をあげました。
以下は、五十嵐議員が行った請願に対する賛成討論と本会議での牛尾議員の質問をご紹介します。
- 「国民健康保険料を引き上げないことを求める請願」に対する賛成討論
請願者は、国民健康保険は国民皆保険の基幹であり、憲法25条の生存権に基づく社会保障であるとして、①2023年度の国民健康保険料を引き上げないこと、②国保料の抜本的な改善と均等割りの軽減のため財政措置を国と都に求めること、③今年度から未就学児のみに半額軽減された子どもの均等割り軽減の対象を18歳まで拡大することの3点を求めています。
国保料値上げは今年度で18年連続となり、年収400万円の40代夫婦と学齢期の子ども2人では、7,041円の値上げで年額52万6311円となり、収入の13%を占め、中小企業の労働者が加入する協会けんぽ世帯と比べ2.3倍の負担増となっています。
11月24日の東京都の国民健康保険運営協議会で示された、国の仮係数に基づく渋谷区の来年度の納付金額は、約99億円、一人当たりの保険料は20万8,020円になり、今年度に比べ1万6,957円の大幅値上げとなり、このまま実施されれば、区民の暮らしを破壊することになります。
実際、国保の被保険者は、自営業者や非正規雇用の労働者、年金暮らしの高齢者など低所得の方が多く加入しています。高齢者からは、「年金が減らされているのに物価高、食事を減らすしかない」非正規労働者からは、「9万円の給料から国保料を払うのはきつい」など悲痛の声が寄せられています。
他の医療保険に比べ、毎年高額な国保料が押し付けられているのは、所得割に加えて1人1人に保険料を課していることなど、国の制度設計の不十分さによるものです。こうした現状を改善する責任は、国にあり国が財政措置をすべきです。
同時に住民の福祉の増進が地方自治の役割として定められているのですから、東京都と渋谷区の責任も求められています。
来年度の国保料を引き上げないために、一般会計の繰り入れを活用すべきです。21年度の予算段階では、保険料軽減のための繰入金として4億2188万円が計上されましたが、決算では、繰入金の執行額はわずか670万円で、4億1517万円は、活用されていません。この額を活用すれば、1世帯1万円の引き下げが可能となります。兵庫県姫路市では、国保会計の繰越金を毎年積み立て保険料引き下げに活用しています。都内でも立川市と稲城市は国保料を値上げしていません。また、子どもの均等割りをなくすために必要な金額は、わが党の試算では、1億1200万円です。
物価高騰とコロナ禍で苦しむ区民の国保料値上げをやめ、子どもの均等割り軽減の対象を18歳まで拡大するための本請願の採択に賛成し討論とします。
一般会計繰入を全額活用すれば
国保料1世帯1万1000円引下げ可能
- 牛尾議員の本会議での代表質問
今年度から国が未就学児の均等割保険料を半額にしたことは、収入のない子どもから保険料を徴収する制度上の問題を、世論の力で改善させたものですが、18歳まで無料にするよう国に求め、区としても実施すべきです。また、低所得者の保険料支払いの困難をなくすために、区の申請減免の収入基準を引き上げるべきと考えますが、区長の見解を伺います。
医療を受ける権利を保障するため、区長は、国に対し国保の負担割合を引き上げるとともに均等割の廃止を求め、東京都に対しても、保険者として財政負担を増やすよう求めるべきです。また、保険料は区が決定するのですから、区として一般会計からの繰り入れを増やして保険料を引き下げるべきです。
デジタル担当大臣が、マイナンバーカードと健康保険証を一体化し、2024年度から保険証を廃止するとした発言に、国民の厳しい批判が集中しました。マイナンバーカードを持たない人を医療保険から排除することは、国民皆保険制度を崩すもので絶対に認められません。
区長は保険証を廃止してマイナンバーカードと一体化することをやめるよう求めるべきです。見解を伺います。
区長答弁 保険料については、国保制度の安定的かつ持続可能な運営のため、歳入と歳出のバランスを確保していくことが重要。18歳までの均等割無料化も保険料の減額も区独自で行う考えはない。