物価高騰対策、学校給食無償化など、区民の願い1,089項目の要望に~2023年度渋谷区予算編成に関する要望書を提出 田中まさや議員が、区政リポート11月4日号を発行しました①

人権国保子ども・子育て・保育学校教育安全・安心活動報告渋谷区

2023年度渋谷区予算編成に関する要望書を提出

物価高騰対策、学校給食無償化など、区民の願い1,089項目の要望に

日本共産党渋谷区議団は10月31日、長谷部区長に対して、「2023年度渋谷区予算編成に関する要望書」を提出しました。

要望書には、8月から住民のみなさんにお願いしてきた「くらし・区政アンケート2022」にお寄せいただいた声や党区議団として来年度予算で実現することが求められる要望をまとめたもので、重点要望31件、部局要望794件、地域要望264件の合計1,089件に及びました。

とりわけ、アンケートにお答えいただいた方の68.4%が生活が「苦しい」と答えており、物価高やコロナ禍で、区民のくらしや中小業者の営業が悪化している中で、くらしや営業を守る区政の役割を果たすために、低所得者への区独自の給付金、学校給食の無償化などの実施と保健所体制の増員など、コロナ対策の抜本的強化などを求めています。

以下、要望書の内容をご紹介します。

要望書 「はじめに」

 ロシアのウクライナ侵略を契機に、日本では軍事費倍増、敵基地攻撃能力の保有や憲法9条改憲が声高になっています。しかし、軍事に対し軍事で構えれば、衝突や戦争という破局的な事態が起こりかねません。いま、日本が進むべき道は、9条を生かした平和外交に徹することです。

 アベノミクスによる株高、超低金利政策による円安などによって異常な物価高騰が続く一方で、賃金は上がらず、年金の引き下げや75歳以上の医療費2倍化などで、区民の生活は深刻な打撃を受けています。また、夏には新型コロナの感染爆発が起こり、最高時は1日当たり全国の感染者は26万人、死者数も340人を超える危機的な事態となりました。渋谷区でも、今年10月29日迄の感染者数は58,000人、死者は37人に達しています。

 日本共産党渋谷区議団が行った「くらしと区政アンケート」には、「年金が減り、保険料が上がり、貯金を切り崩す生活。日々の食費の値上がりに不安を感じる」、「飲食店を営業しているが、仕入れが次から次へと値上がりしている。コロナの影響もあり、客は7月から激減している」、「いつ感染するかわからない。いつでも検査でき、入院や治療ができるようにしてほしい」など、厳しい実情を訴える声が届いており、68.4%が生活が「苦しい」と答えています。

 いま、区民のくらしと営業を守る区政の役割が切実に求められています。日本共産党渋谷区議団は、2023年度の予算編成に当たり、物価高対策として国の給付の対象とならない生活困窮世帯への区独自の給付金の支給、小中学校給食費の無償化、区民と商店街支援のためのプレミアム商品券の支給、国民健康保険料の引き下げ、75歳以上の低所得者の医療費窓口負担の無料化、若者への家賃補助の実施とともに、コロナと物価高によって減収した中小業者やフリーランスに対する区の独自支援策を実施することや新型コロナ感染症対策として、PCR検査の抜本的な拡大、安全迅速なワクチン接種、医療体制の整備と支援、保健所の体制強化を求めます。

 さらに認可保育園増設、小中学校全学年の35人学級の実施、特別養護老人ホームと高齢者住宅を増設するよう求めます。

 そのためにも、区政のあり方、税金の使い方を大企業優先から、区民のいのち、くらし、営業を最優先に転換し、貯めこんでいる1263億円の基金を活用して、だれ一人取り残さない区政にすることを求めます。

[重点要求]

1.物価高騰対策として、住民税非課税世帯以外の低所得世帯(住民税均等割のみの世帯)に対して、区独自の現金給付を行うとともに生活保護世帯や低所得世帯への電気代等への補助を実施すること。

 クリーニング店や飲食店など、電気代、燃料費の高騰の影響が大きな業種に対して、区独自の支援を行い、減収している中小業者に対して家賃助成を行うこと。介護事業者や障がい者施設に対しては、減収分の全額助成を行うこと。

 若者への家賃助成制度を復活すること。

2.国に対し、ただちに消費税を5%に引き下げるとともに、大企業の内部留保課税を財源に、中小企業支援と一体に、全国一律最低賃金1500円以上の実現を求めること。

 区として区内企業に賃金の底上げを要請するとともに、委託業者や指定管理、区発注工事の労働者の賃金について労働者への聴き取り調査を実施すること。

3.義務教育無償の原則に基づいて、小中学校給食を無償化すること。私立小中学校に通学する子どものいる家庭に対しても、同等の支援を行うこと。就学援助については、区独自で生活保護基準の1.5倍に基準額を引き上げ、PTA活動費についても給付すること。新入学学用品費の支給は、準要保護の支給額を国の生保基準と同額に増額すること。

 渋谷区の奨学資金貸付制度に給付制を導入するとともに、収入が少なく返済が困難な場合は返済免除にすること。

 国に対して、学校給食を無償にするとともに、大学などの授業料の半額と入学金を廃止するよう求めること。

4.区民と商店街支援として、地元の商店街などで使えるプレミアム商品券を発行すること。

5.新型コロナ第8波や新たな感染症への備えを抜本的に強化すること。ワクチン接種の安全確実な実施と正確な情報提供を行うこと。感染拡大を早期に抑え込むために小中学校、保育園、幼稚園、職場、家庭などでの自主検査を大規模かつ無料で実施するために十分な検査キットを配布すること。高齢者・障がい者施設での頻回検査を実施するとともに、感染者が出た場合の職員支援体制を構築すること。「いつでも、だれでも、無料で」検査が受けられるよう、東京都と連携して、区独自に無料検査スポットを増設すること。国に対し、検査費用の全額負担を求めること。

6.保健所の体制強化として、常勤の保健師や看護師を抜本的に増やすこと。

 医師会との日常的な連携を強化して、区独自の臨時のコロナ病床の確保と往診・訪問看護体制を整備すること。医療機関への減収補てんを国や都に求めるとともに、区として医療機関や従事者への支援を行うこと。

 医療、介護、障がい者福祉、保育など、ケア労働を担う働き手の処遇改善を国に求めるとともに、区としても処遇改善にとりくむこと。

 国に対して、病床削減推進法の廃止と436の公的病院の病床削減、廃止計画を撤回するよう求めること。

 広尾病院については、独立行政法人化しても東京都の責任で患者負担増や医療の後退をさせず、充実させるとともに、建替えは東京都の負担で行うよう求めること。

7.ひとりひとりの子どもに寄り添い、教育効果も上がる少人数学級について、区独自に小中学校全学年での35人学級を実施し、さらに30人学級をめざすこと。国や都に対して、学級規模が20人前後となるよう少人数学級を進め、そのために教職員の緊急増員を行うよう国に求めること。

 子どもに寄り添える教育の保障と教師の多忙化を解消するために、東京都に対して教員の削減や変形労働時間の実施はやめ、教員の人数を抜本的に増やし、持ちコマ数を減らすよう求めること。

 いじめをなくすために、子どもが主体的な行動をとることができるよう小中学校での人権教育を重視し、いじめを発見した場合、学校と保護者が緊密に連絡を取り合って、一体となって解決できるとりくみを進めること。

9.東京都が来春の都立高校入試に導入するため、11月に実施するベネッセの英語スピーキングテストESAT-Jは、公平性・公正性が確保できず、不受験生への対応、個人情報をベネッセが管理すること、利益相反など問題が指摘されている。また教育行政法や教育基本法にも反しており、東京都教育委員会に直ちに中止を求めること。

10.渋谷図書館は、リニューアルして再開すること。公共施設の長寿命化については、個別施設についての情報を広く区民に知らせるとともに、住民合意なしに進めないこと。

11.高すぎる国保料を協会けんぽ並みにするため、国の負担割合を引き上げ、都にも負担金の増額を求めること。また、区としても一般会計からの繰入れを増額して保険料を引き下げること。

 国に対して均等割制度の廃止を求めるとともに、区として子どもの均等割を無料にし、低所得者に対する申請減免の基準を生活保護基準の1.15倍から引き上げること。保険料の徴収にあたっては、生活を破壊する強引な取り立てはやめること。

 新型コロナウイルス感染症により、コロナ前との比較で収入の回復しない事業者に対しては来年度も保険料の減免を継続し、休業した場合の傷病手当金は、事業主やフリーランスも対象にするよう国に求めるとともに、区独自にも実施すること。

 マイナンバーカードと保険証の一体化を中止し、保険証は廃止しないよう国に求めること。

12.保育の必要なすべての子どもに認可基準の保育を保障するため、区立認可保育園を増設して待機児ゼロにすること。国、都に対して用地取得費の補助を求め、公有地を積極的に活用するとともに、待機児の多い地域では民有地の取得を進めること。

 認可保育園の2歳児以上の面積基準と4歳児以上の保育士配置基準を引き上げるよう国に求めるとともに、区としても改善すること。

 認可外保育施設などに、全員有資格の職員を配置するため運営費を増額するとともに、認証保育所に定数未充足加算を実施すること。

13.特別養護老人ホームとグループホームの待機者ゼロをめざし、国有地、都有地を活用して増設すること。

以下略

※要望書全文は、日本共産党渋谷区議団のホームぺージでご覧いただけます。

区政リポート2022.11.4docx