神南小の容積率移転や区道の廃止・提供やめよ ~区議会第2回定例会 区民が主人公のまちづくりを 田中まさや議員が、区政リポート7月27日号を発行しました⑴
区議会第2回定例会 区民が主人公のまちづくりを
神南小の容積率移転や区道の廃止・提供やめよ
政府と財界による新自由主義経済政策によって、格差と貧困が拡大し、日本は経済成長できない国になっています。渋谷区は、一貫してその旗振り役を果たしていますが、長谷部区長は、区民の税金や財産を、営利企業のために差し出し、区民の無視で事業を進めています。
第2回定例会の代表質問で私は、区役所の隣で、神南小学校と隣接する渋谷ホームズが中心の再開発事業について、区長の姿勢を質しました。以下、質問と区長答弁の要旨です。
今年度の渋谷区の予算では、渋谷駅周辺の再開発事業に50億円、区内中小業者支援とは無縁のグローバル拠点都市推進に3億円、ファームなどを整備するためのササハタハツには11億円もの税金を投入しようとしていますが、困っている区民に届く独自の支援はありません。区民からは、税金の使い方が逆立ちしている、困っている区民に寄り添う気持ちはないのか、と怒りの声が上がっています。税金の使い方は、大企業奉仕、区長のための事業優先から、困っている区民、中小業者支援、教育の充実最優先に改めるべきです。
- 公園通り西地区再開発事業について
「(仮称)公園通り西地区市街地再開発事業」では、現在14階・延床面積2万949㎡の渋谷ホームズは、地上34階、高さ約150m、延床面積約7万3900㎡となります。事業協力者は東急不動産と清水建設です。
これだけの高層マンションの建設が可能なのは、区が610㎡の区道を廃止して敷地に加え、神南小学校の容積率を移転するためです。再開発事業者は、その見返りに神南小学校を建設しますが、渋谷ホームズの延床面積は3.5倍以上に増えます。
区道の廃止と神南小学校の容積率の移転は、開発業者への便宜供与と考えますが、区長の所見を伺います。
神南小学校の建替えについては現在、学校建替え準備委員会が開かれていますが、費用については触れられていません。神南小学校の建設費用はいくらですか。すでに事業者の都合で事業開始が1年遅れていますが、事業者の都合で建設費用が左右されたり、計画が破綻する可能性もあります。その際の対応はどうするのですか。
5月18日に行われた「神南二丁目・宇田川町地区都市計画素案意見交換会」には、25人以上の住民が参加、ほとんどが反対意見であり、再度の説明会開催を求めましたが、区は拒否したとのことです。なぜ、説明会の開催を拒否したのですか。継続して説明会を開くべきです。
学校は、教育の拠点であるとともに、地域のコミュニティと防災の拠点です。子どもや学校関係者や地域住民も参加できる学校づくりための説明会を開くべきです。
そもそも、学校関係者と住民が一緒に参加する説明会が開かれないのは、開発事業と一体に神南小学校を建て替える計画だからです。子どもの利益や教育、地域の環境より事業者の利益が優先されるPPP/PFIは、学校施設整備の手法としては相応しくありません。神南小学校の建て替えは、区が単独で実施すべきです。
区長答弁
この再開発事業は、渋谷ホームズの区分所有者が老朽化したマンションの共同建替えをしようとするもので、住民等の合意に基づく事業です。
本計画では公共広場の整備、低高差解消による歩行者環境の改善とともに、避難所となる学校を建て替えで地域防災力の総合的強化を図るなど、区役所周辺の区域が一体となったまちづくりを実現するもので、便宜供与ではありません。
なお、事業者の都合を心配されていますが、責任を持って事業を推進する旨、再開発組合から確約を受けて進めています。
説明会を拒否したことはありません。「意見交換会」では、会場のほか区ホームページで説明映像を配信し、郵送等で意見を受け付ける形式で実施しました。今後の原案も、同様に、区ホームページでの配信と会場での意見交換会を開催します。
神南小学校の建替えについては、建替え準備委員会において、学校や地域の関係者による協議や保護者への説明会を経て基本計画を作成しました。建築費用については、今後の設計段階で検討を行います。
学校施設の整備を着実に打進めるためには。効率的、効果的に事業を進めていくことや、区民負担の軽減が求められます。そのために民間事業者の能力、ノウハウや資金を活用するあらゆる事業手法を検討していきます。