国に、保険証の存続、インボイス制度の中止など求めよ ~区議会第3回定例会・・・日本共産党区議団の本会議での質問から① 田中まさや議員が、区政リポート9月29日号を発行しました⑴
区議会第3回定例会・・・日本共産党区議団の本会議での質問から①
国に、保険証の存続、インボイス制度の中止など求めよ
9月21日の区議会第3回定例会本会議で、日本共産党区議団は五十嵐千代子議員が代表質問を行いました。
本号では、「区民のいのちとくらしにかかわる国政問題について」と「区長の政治姿勢について」うち、神宮外苑再開発についての質問(要旨)をご紹介します。
保険証の存続を
国がマイナンバーカードに保険証を紐づけ、現在の健康保険証を来年秋に廃止することに、世論調査で77%の人が延期、撤回を求めています。国の総点検で保険証の紐づけができずマイナ保険証として使えない件数が71万件をはじめ、別人情報の紐づけや、高齢者の窓口負担1割の人が3割の請求をされるなど、様々なトラブルが発生しています。保剣医団体連合会の調査では、全国の約9割の医療機関が「健康保険証は残す必要がある」と回答しています。
現在は、保険者に保険証の発行が義務付けられており、誰でも、いつでも、どこでも安心して医療を受けることができます。マイナ保険証に切り替えることは、国による皆保険制度の破壊です。日本以外のG7加盟国は、個人情報を1枚のカードに紐づけることは、基本的人権である個人情報の漏洩を招き民主主義に反する制度だとして、どこの国も実施していません。政府が財界の求めに応じて、個人情報を利活用するための健康保険証の廃止はやめるべきです。区長の所見を伺います。
インボイス制度の中止を
フリーランスや小規模事業者の人たちは、10月から実施する予定の消費税のインボイス制度の中止を求める署名を、国に36万1171人分を提出しました。アニメーターの女性は、「年収300万円なのにインボイスに登録すると新たに課税される消費税で1か月の所得がなくなり、生活ができない」と訴えています。渋谷区議会も、「インボイス制度について延期も含め慎重に検討することを求める意見書」を全会派一致で可決しました。
財界は消費税20%の増税を求めており、インボイス制度の導入はそのための布石となるものです。これまで非課税だった区内の商店など小規模事業者やフリーランスの人たちに新たに消費税課税業者になるか、仕事から排除されるかの二者択一を迫っています。インボイス制度は中止すべきです。区長の所見を伺います。
福島第一原発汚染水の海洋放出やめよ
岸田政権は、「福島第一原発の汚染水(アルプス処理水)の海洋放出について関係者の理解無しには、いかなる処分も行わない」との約束を反故にし、海洋放出を強行しました。地元漁業者などは「故意に放出することは、原発事故を起こした国と東電の”二重の加害”であり、県民らの平穏に生活する権利が侵害されている」として国と東電に対し海洋放出の差し止め訴訟を起こしました。
また、原子力市民委員会座長の大島堅一竜谷大教授は、「アルプス処理水は原発事故で溶け落ちた核燃料に地下水が直接さらされて発生したもので、トリチウム以外の60種類以上の放射性物質がふくまれており、放出される総量も明らかにされていない、海洋放出ではなく「モルタル固化」や、大型タンクでの保管、広域遮水壁の設置を検討すべきと提案しています。
岸田政権は福島原発事故がなかったかのように原発の再稼働や新設を進めていることは認められません。ドイツなど世界の国は、原発の廃止を決めています。日本政府も、原発ゼロを決断するとともに、海洋放出については、国民との約束にたちかえり直ちに中止し、モルタル固化・大型タンク保管・広域遮水壁の設置など検討・実行すべきです。区長の所見を伺います。
明治神宮外苑再開発について
9月7日、文化遺産の保存に取り組む国際的専門家ネットワークのイコモスは、神宮外苑は市民の寄付と自発的行動によって作られた世界の都市公園史上類を見ない優れた文化遺産だとして、「ヘリテージ・アラート」(文化遺産危機警告)を発表しました。事業者には再開発事業を直ちに撤回すること。東京都には、環境影響評価を再検討し都市計画決定の見直しを求めるとともに、港、新宿、渋谷の各区に神宮外苑の名勝指定に努力することも求めました。その後、東京都は事業者に対し、樹木の伐採前に樹木保全の見直し案を求めました。
桑田佳祐さんや漫画家のちばてつやさんも神宮外苑を未来の子どもたちに継承すべきと、発言しています。区長も神宮外苑の樹木を未来に引き継ぐよう再開発計画の見直し を求め、渋谷区も名勝指定をすべきと考えますが、所見を伺います。
区長答弁(要旨)
- 健康保険証の存続について
マイナ保険証の実施と健康保険証の廃止については、国の責任で環境整備をするものと考えている。区としては、円滑な制度移行に努める。国に求める考えはない。
- インボイス制度の中止について
税制に関することは、国政の場で検討すべきものであり、国に求める考えはない。
- 福島原発処理水について
海洋放出は、しっかりとした安全性の根拠をもとにしたものであり、国に中止を求める考えはない。
- 神宮外苑再開発について
都と事業者が、多くの区民の理解を得て進めるものと理解している。計画の見直しや名勝指定については考えていない。