支援の届かないすべての高齢者訪問支援などを求める ~区議会第4回定例会本会議・田中まさや議員の一般質問より② 田中まさや議員が、区政リポート12月21日号を発行しました⑴
区議会第4回定例会本会議・田中まさや議員の一般質問より②
支援の届かないすべての高齢者訪問支援などを求める
田中まさや幹事長の第4回区議会定例会本会議での一般質問では、高齢者のくらしに重大な影響を与える第9期高齢者保健福祉計画等について、すべての高齢者の尊厳が守られ、だれ一人取り残さない高齢者福祉施策の実現のために提案をおこないました。今号では、前々号に引き続き、「高齢者福祉と介護保険について」をご紹介します。(質問、区長答弁とも要旨です)
⑷地域包括支援センターの体制強化について
地域包括支援センターは、身近な相談窓口・支援拠点としての役割に加え、重層的支援体制として、経済的困難者、障がいなどの困難への対応も求められています。しかし、重層的支援体制を担う職員は増員されず、これまでの職員が研修を受けて対応しており、地域包括支援センターは、ますます大変です。
職員を増員するとともに、重層的支援担当者を専任化して、常勤職員を配置すべきです。区長の所見を伺います。
重層的支援体制で、地域福祉コーディネーターを4つの日常生活圏域に2人、計13人配置し、相談者へのアウトリーチ・伴走型支援を開始したことは前進ですが、相談に来ない人、来られない人には支援が届きません。区として、困難を抱えているのに相談や支援に結びついていない高齢者に行き届く支援をどう考えているのですか。港区は、介護・高齢者福祉サービスを利用していない高齢者世帯を専門職員が訪問して、必要な支援につなげる「ふれあい相談員」制度を実施しています。本区での実施を何度も提案していますが、その効果について区としてどのように調査検討したのか、伺います。だれひとり取り残さない施策の要として実施すべきです。
区長答弁 地域包括支援センターについては、体制強化を検討する。支援の届かない高齢者については、地域包括や地域福祉コーディネーター、見守りサポート、民生委員などが連携しており、港区のような制度は調査検討する必要はない。
⑸認知症施策について
認知症は85歳以上で55.5%といわれており、渋谷区の場合4800人以上と推計されます。今年成立した「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」は「全ての認知症の人が、基本的人権を享受できる個人」として尊重されるよう、自治体に「認知症の人と家族の意見を聞き」、認知症施策推進計画の策定を求めています。
①わが党区議団は、「認知症の人と家族にやさしいまちしぶや条例」を提案しており、区の責務として「認知症施策の実施に当たり、常に本人の視点に立ち、本人及びその家族の意見を聴かなければならない」と規定しました。区民全体で、「一人ひとりの希望及び権利が尊重され、ともに安心して自分らしく暮らせるまち」をめざすためにも、認知症条例を制定すべきです。
②認知症の早期発見、早期支援のためには、すべての高齢者を視野に入れた対策が重要です。昨年度の認知症健診は、65才、70才、75才の6000人にセルフチェックシートを送付していますが89人の利用でした。送付対象に80才と85才を加え、医師会等にも協力をお願いして、医療機関に配布するなど対象を大幅に拡大すべきです。
③認知症の本人や家族に寄り添い、継続的に支援するための認知症地域支援推進員は現在、日常生活圏域に1人で区内に4人です。身近な場所でいつでも相談・支援できるように、すべての地域包括支援センターに配置すべきです。
認知症の人は重症でも介護度は軽度で認定されるケースがほとんどです。様々な認知症状に家族や支援者だけで対応することは困難であり、認知症グループホームの増設は待ったなしです。本町1丁目の警察寮跡地なども活用して増設すべきです。
区長答弁 ①第9期計画の中でも、認知症施策を総合的・計画的に実施する予定で、条例制定をするまでもない。②認知症健診については、対象年齢を拡大する予定はない。③認知症地域支援推進委員をすべての地域包括支援センターに配置する考えはない。認知症グループホームは、需要を見極め検討する。