税収増等は、75億円の基金増額でなく物価高騰対策に ~区議会第1回定例会中間本会議で、補正予算に対し反対討論 田中まさや議員が、区政リポート3月7日号を発行しました

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区議会第1回定例会中間本会議で、補正予算に対し反対討論

税収増等は、75億円の基金増額でなく物価高騰対策に

区議会は3月4日、中間本会議で2023年度一般会計補正予算(第9号)や条例改正案等の一部を表決しました。

私は、物価高騰に苦しむ区民や中小業者を無視して、区民税の増収等75億円を都市整備基金に積み増す補正予算に対して、日本共産党区議団を代表して反対討論をおこないました。

以下、討論要旨をご紹介します。

 

 本補正予算は、総額82億6897万円で、歳出では戸籍住民基本台帳費6億8170万円、区民施設費75億円、社会福祉費2億6780万円、児童福祉費4億3300万円で、歳入の主なものは特別区税で70億円、特別区交付金19億円等です。

 このうち、氏名へのフリガナ表記のシステム改修のための戸籍事務費・住民記録事務費や訪問・通所利用増による介護給付費・訓練等給付費、保育の公定価格の引き上げ等にともなう児童措置費には賛成です。

反対の理由の第1は、物価高騰に苦しむ区民や中小業者に直接届く支援がない

 物価高騰の影響で、昨年の消費支出は年間平均14万円も増えています。実質賃金は21カ月連続マイナス、年金も下がっています。わが党区議団のアンケートでも77%が生活が苦しいと回答しており、「電気代、ガス代を支払うと、食費の分がほとんど残らない。助成金がほしい」「若者を大事にして、安心して子どもを産み育てられるよう家賃補助が必要です」など切実な声が寄せられています。いまこそ困っている区民や中小業者に直接届く支援が求められています。

 こうしたなかで、多くの自治体で、国の物価高騰対策臨時交付金も活用して独自で低所得者支援、子育て世帯や若者、中小業者への支援を実施しています。

 23区内では、荒川区などで、国の非課税世帯等への給付金に独自で1万円上乗せしています。港区では、高校生までの子ども一人に5万円の商品券を、さらに高校生から24歳には1万円の給付金を支給しています。葛飾区は、中小企業支援として法人15万円、個人3万円を給付し、杉並区では、最高15万円までの中小企業向け光熱費高騰緊急対策助成金を実施しています。

 ところが今回の補正予算でも区独自の物価高騰対策の予算は計上していません。区民や中小業者への支援に背を向けていることは、困っている区民に寄り添う姿勢が欠如しており許されません。

第2の理由は、区民や中小業者の苦しみを無視して、75億円も都市整備基金を積み増すことは許されない

 補正予算総額の約9割にあたる75億円を都市整備基金に積み増すことは重大な問題です。これによって都市整備基金の総額は913億円となり、財政調整基金との合計で区の一般会計をはるかに上回る1520億円にも達しており、この1年間で基金総額を約147億円も増やしたことになります。

 今回の補正の歳入の特別区民税の税収増の70億円や特別区交付金の19億円は、区民のために使える財源です。税金には負担能力の大きい人から応分に集めて、生活が困難な人に手厚く支援して格差を縮める役割があります。また税収が不安定、将来の公共施設整備のためとの理由で基金を増やし続けることは、予算の単年度主義、財政民主主義にも反します。当初予算より税収が上振れしている分や交付金は困っている区民のくらし、営業を支えるために使うのが当然です。

 わが党区議団が提案している物価高騰対策の低所得世帯への区独自の給付金は3億1000万円余、中小企業への物価高騰対策の助成金は16億1000万円余、紙の商品券は2億1800万円、子育て世帯、若者への家賃助成制度の復活・創設は5000万円余で、合計約22億円です。さらに敬老祝い金の継続のために1億5000万円を加えても、今回基金に積み増す70億円の約33%で実現できます。また能登半島地震を踏まえた防災対策の予算もありません。

 いま物価高騰に困っている区民、中小業者への支援に背を向け、福祉を後退ささせながら巨額の積立をおこなう補正予算は認められません。

 以上反対討論とします。

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