能登半島地震に学び、区の防災対策の抜本的強化を ~区議会第1回定例会はじまる―田中まさや幹事長が、代表質問① 田中まさや議員が、区政リポート2月22日号を発行しました

人権安全・安心活動報告渋谷区

区議会第1回定例会はじまる―田中まさや幹事長が、代表質問①

能登半島地震に学び、区の防災対策の抜本的強化を

区議会第1回定例会が、2月20日から始まりました。私は、本会議2日目の21日に、日本共産党を代表して、区長、教育長に質問を行いました。(質問の柱は、下記参照)

田中まさや幹事長の代表質問の柱

1.能登半島地震と渋谷区の防災対策について(今号で紹介・下記参照)

⑴渋谷地域防災計画の見直しと防災対策の抜本的強化について

2.区民のいのちとくらし、民主主義にかかわる国政問題について

⑴憲法9条を生かした対話の努力について

⑵消費税減税と賃上げについて

⑶神宮外苑の再開発について

⑷羽田空港低空飛行ルートについて

3.2024年度渋谷区予算案について

⑴大企業優先から、くらし、福祉、教育最優先の税金の使い方について

⑵物価高騰対策の強化について 

⑶敬老祝い金について

⑷国保料、後期高齢者医療保険料の値上げ中止、引き下げについて

4.まちづくりについて

⑴玉川上水旧水路緑道整備について

⑵宇田川町地区まちづくり計画の変更について

⑶幡ヶ谷2丁目オリンパス跡地再開発について

5.教育について

⑴「新しい学校づくり」整備方針について

⑵学校給食無償化

⑶奨学資金貸付制度について

6.子育て支援について

(1)配置基準の引き上げについて

(2)処遇改善について

以上

今号では、代表質問の冒頭で取り上げた能登半島地震の教訓を活かした、渋谷区での防災対策の強化についてその要旨をご紹介します。

渋谷でもいつ首都直下型地震が発生するかわかりません。渋谷地域防災計画に、能登半島地震の教訓を活かすことが求められます。

⑴住宅倒壊による死者ゼロへ

 能登半島地震では、石川県が明らかにした死亡原因の86%が「家屋倒壊」でした。巨大地震からいのちを守るカギは家屋の倒壊を防ことです。

 防災計画の見直し案の被害想定では、死者82人の8割が住宅災害です。一方、区内住宅の耐震化率は2020年時点で87.8%、住宅の耐震不足を解消するには約4500戸の耐震化が必要です。木造住宅の耐震化が進まない主な理由は、費用が350万円以上と負担が重いことです。

 本区の木造住宅の助成上限は、高齢者世帯150万円、一般世帯100万円、簡易改修は高齢者100万円、一般60万円、マンションは2千万円です。

 新宿区では木造住宅の助成上限300万円、接道要件など既存不適格でも助成対象とし、マンションは4千万円で耐震化率95%を達成しています。さらに耐震シェルターや耐震ベッドも助成しています。

本区でも、住宅の倒壊による死者ゼロをめざして、木造住宅耐震補強工事の上限を300万円、簡易改修は150万円に引上げ、既存不適格も対象にするとともに、耐震シェルター・耐震ベッドへの購入助成を復活すべきです。また、マンション耐震化工事の助成上限を4000万円まで引き上げるべきです。

⑵避難所運営の改善と避難者支援について

 能登半島地震では、在宅避難者や自主避難者も含めて食事も水も不足し、低体温症などによる震災関連死が発生しました。いのちを守るだけでなく、避難所運営にも人権の尊重が必要であり、国際基準であるスフィア基準を目標にすべきです。

①避難所一人当たりの面積は現在の畳1枚分から3.5㎡以上に引上げ、プライバシーが保持できるインスタントハウスを備蓄すること、②トイレの数は20人に1個に引上げ、女性は男性の3倍に増やすこと、③段ボールベッドと布団を配備し、ジェンダーの観点から避難所運営委員会に、必ず一定数以上の女性に参加してもらうこと、④在宅避難、自主避難者への支援は、区の責務であることを明確にし、避難所の備蓄に在宅・自主避難者や帰宅困難者のための水、食料等の備蓄を増やすこと、⑤避難所ごとに保健師や地域包括支援センターなどで構成する「(仮称)在宅避難支援チーム」を配置し、在宅・自主避難者への支援を行うべきです。

⑶要配慮者への支援について

 福祉避難所は、小学校区単位で整備し、地域包括支援センターやケアマネジャー連絡協議会とも協力して、区の責任で、自動登録している要配慮者全員の「個別避難計画」を作成し、必要な支援が途絶えないようにすべきです。

⑷職員住宅の整備と区内在住職員の確保について

 能登半島地震でも、地域の実情や災害対応に詳しい自治体職員の役割は、極めて重要でした。渋谷区の場合、職員の区内在住比率は1割程度で、防災職員住宅は定数48人、女性比率は27%です。小学校区ごとに増設し女性職員比率を高めるとともに、計画的に区内在住職員を増やすために、土木事務所や保育士など、現業の職員は区内在住者を中心に増やすべきです。

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