保育の質の向上、保育士の処遇改善求める請願に賛成討論 ~区議会第1回定例会・・・住民の声実現へ、請願採択に全力 田中まさや議員が、区政リポート5月9日号を発行しました⑴

子ども・子育て・保育活動報告渋谷区

区議会第1回定例会・・・住民の声実現へ、請願採択に全力

保育の質の向上、保育士の処遇改善求める請願に賛成討論

区議会第1回定例会には、保育の質の向上と保育士の処遇改善を求める「安心・安全な質の高い保育の実現を求める請願」が、公的保育・福祉を守る渋谷実行委員会から提出されました。

今号では、党区議団を代表して、五十嵐議員が本会議で行った賛成討論(要旨)をご紹介します。

 本請願は、保育施設は、だれもが安心して子どもを産み育てながら働ける社会の実現のために必要な社会資源であり、保育士は発達段階が違う個性ある子どもたちの乳幼児期の発達を保障する大事な仕事をしている。しかし、現在保育士の離職率が高く、保育士不足は深刻だとして、保育士の賃金引き上げと、2歳児以上の面積基準と全年齢児の保育士配置基準の改善を国、都、区に求め、子どもの安全を確保し、発達を保障する質の高い保育を実現することを求めています。

第1の賛成理由 保育士の賃金が、全産業の平均賃金と比べてあまりにも低い実態が続いており、国と地方自治体は早急に改善が求められているからです。

 東京都の調査では、退職意向がある正規保育士の72.7%が「給料が安い」ことを理由にあげています。

 厚生労働省が発表した24年12月現在の保育士の平均賃金は、27万5700円で全産業平均より5万4000円以上低くなっているのが実態です。また、新年度予算では、渋谷区が上乗せ実施している宿舎借り上げ制度を利用する民間保育士は区内で働く保育士全体45%で、半数以上の保育士は対象外です。

 いまこそ専門職にふさわしい大幅な賃金の引き上げが、国と自治体に早急に求められているからです。

第2の理由 全年齢児の保育士配置基準の引き上げと2歳以上児の面積基準の引き上げは、子どもの安全を確保し、子どもたちにきめ細かなケアを可能にするからです。

 保育士配置基準の引き上げは、保育士不足の原因となっている加重労働を緩和し、子ども一人一人に寄り添うことのできる保育の質を向上させることができます。また、4.5歳児を中心として定数割れで経営が悪化している民間保育施設の支援にもつながります。

 2歳児以上児の施設面積基準は1948年の198平方メートルが未だに改善されておらず、国際基準から大きく遅れています。発達段階の違う子どもたちの成長に合わせたきめ細かな保育をするには面積基準の引き上げが必要だからです。以上請願の採択に賛成する討論とします。

区政リポート2025.5.9