建物倒壊死ゼロ、在宅避難支援など防災対策の抜本的強化を ~区議会第1回定例会・・・田中まさや幹事長の代表質問⑦ 田中正也議員が、区政リポート4月18日号を発行しました⑴
区議会第1回定例会・・・田中まさや幹事長の代表質問⑦
建物倒壊死ゼロ、在宅避難支援など防災対策の抜本的強化を
今年は、阪神淡路大震災から30年の節目の年です。その後の東日本大震災や能登半島大地震でも、防災対策の強化や避難所運営の改善、復興支援などの重要性が強調されてきましたが、未だに本格的な対策とはなっていないのが現状です。
私が初当選した2011年は、東日本大震災の年だったこともあり、防災対策の強化はライフワークのように取り上げてきました。区の避難所運営の基準を国際基準であるスフィア基準へと引き上げるよう区議会で始めて取り上げたのも私でした。第1回定例会の代表質問でも、改めて防災対策の抜本的強化などを区長に求めました。
今号では、当該部分の質問と区長答弁をご紹介します。(棒線は、質問部分)
防災対策について
⑴建物の倒壊による死者ゼロへ
今年は阪神淡路大震災から30年です。能登半島地震では、死者515人、そのうち避難生活のなかでの災害関連死は287人に及んでいます。これを教訓に渋谷区地域防災計画を抜本的に改めるべきです。
①家屋の耐震化は、いのちを守る最重要課題です。渋谷区耐震改修促進計画の2025年度末までの耐震化率の目標は95%です。木造と非木造の直近の耐震化率は、それぞれ何パーセントですか。来年度中に目標を達成するための具体策について伺います。
②本区でも、新宿区のように、住宅の倒壊による死者ゼロをめざして、木造住宅耐震補強工事の上限を300万円、簡易改修は150万円、補助割合を4分の3に引き上げ、既存不適格も対象にするとともに、耐震シェルター・耐震ベッドへの購入助成を復活すべきです。また、マンション耐震化工事の助成上限は4000万円まで引き上げるべきです。さらに、災害時要配慮者の住宅については助成割合を引き上げるべきです。
区長答弁 ①建物の耐震化率については、渋谷区耐震改修促進計画の改定を2026年度に予定しており、耐震化率は来年(2025年度)に調査する予定。目標達成の具体策は、これまでの耐震相談会の拡充や渋谷区住宅耐震化緊急促進アクションプログラムによる耐震化に係る戸別訪問を進めており、引き続き制度の周知啓発を進める。
②耐震化改修助成制度については、要件緩和や助成額の引き上げ、助成率の拡大など様々な対策をしており、個々の相談を受けるなかでも助成額も助成率も適切と認識している。現時点で拡充する考えはない。耐震シェルターや耐震ベッドについては、過去の実績がなく近年も相談がないので復活させる考えはない。
⑵在宅避難の促進を
災害時の在宅避難については、渋谷区地域防災計画も推奨していますが、本格的な対策はこれからです。食料や防災用トイレなど防災備蓄の確保、避難時の情報取得、安否確認などを広範な区民に周知し支援することが必要です。
文京区や中央区は、在宅避難の啓発・支援のために、一人あたり5,000円相当を上限に在宅での避難生活を想定した80種類以上の防災用品から自由に選択する防災カタログギフトを全戸に配布しています。渋谷区でも実施すべきです。また在宅避難を支援するための見守りや情報提供、食料支援などを具体化すべきです。
区長答弁 ①在宅避難に必要な備蓄については、自助の一環として各家庭で取り組んでいただくものと考えているので、現時点ではカタログギフトの配布は考えていない。
また在宅避難者支援については、福祉事業所による見守り、防災行政無線や防災アプリを活用した情報発信、避難所備蓄品を活用した生活支援を行う。
⑶避難所運をスフィア基準へ
①国は、昨年12月、避難生活についての「取組指針」等を改訂し、スフィア基準並みに引き上げ、避難所一人当たりの面積は1.65㎡から3.5㎡、トイレの数は20人に1個、女性用は男性の3倍に増やし、段ボールベッドの配備数を増やす、シャワーや仮設風呂は50人に1つなどを示しました。本区で実施するには、在宅避難の推進とともに避難所の数を増やすこと、プライバシーの確保、仮設トイレやシャワー、仮設風呂の増設も必要です。それぞれの対策について、区長の所見を伺います。
②福祉避難所については、区の責任で地域ごとに整備するとともに、高齢者、障がい者の個別避難計画を早急に作成するための専任職員を配置すべきです。また耐震補強の必要な民間福祉施設に対して、区の責任で早急に耐震補強工事を行い、備蓄品の配備や情報伝達手段を確保すべきです。
区長答弁 ①避難所運営については、国の指針に沿って、本区だけの取り組みでなく、協定自治体や民間との連携を行い、対応する。②福祉避難所については、昨年から福祉部内な専管部署を設置し、今年度備蓄品の集中配備を行うとともに、個別避難計画の作成、福祉関係者との勉強会、意見交換を積み重ねながら整備を進める。また、民間福祉施設の耐震補強工事を区で実施する考えはないが、福祉避難所核施設に対し、防災システムのアカウント付与、防災無線の配備など、発災時の情報伝達手段の確保を進める。