特養待機者338人・要介護4・5の重度者は173人に~田中まさや区議会議員が、区政リポート10月25日号を発行しました

安全・安心渋谷区

特別養護老人ホーム10月現在の入所希望者数報告

待機者338人・要介護4・5の重度者は173人に

第3回定例会中の10月7日、福祉保健委員会に10月1日現在の特別養護老人ホーム待機者(入所希望者数)が報告されました。(下表)
待機者数は338人で、4月時点より79人減りました。
その原因は、つばめの里・本町東への入所が進んだこと、入所指針の簡素化を進めたこと、一人一人の入所希望者についての実態把握を進めた結果、死亡しているなどのケースがあったとの報告がありました。しかし待機者の介護度別では要介護度Ⅴが74人、要介護度Ⅳが99人など重度者であってもなかなか入所できない深刻な事態が続いています。
また、委員会では、民間事業者が神宮前3丁目の国有地を借地して、地域密着型小規模特養29床を整備する計画が、事業者の都合で中止になったとの情報提供がありました。
区長はこの間、民間が特養整備を進めることに期待を表明していましたが、地価が高い区内で特養老人ホームを整備するためには、区の責任で進めることが重要であることが浮き彫りになりました。
私は、区の責任で特養老人ホームを増設し、待機者を解消するよう強く求めました。
以下は、第3回定例会本会議でのトマ議員の代表質問で、特養の増設を求めた質問と区長答弁の要旨です。

特別養護老人ホームの増設について
今年4月1日現在の待機者は417人で、きびしい事態が続いています。高齢者ケアセンター跡地に84床のホームが建設中であり、神宮前に29人入所の民間のホームがつくられます。しかし、それらが完成しても300人は取り残されてしまいます。ある人から「母は重い認知症で、自宅での介護はとても困難で特養への入所を願っていました。だけど入れないまま亡くなりました。」ときかされました。
早急に、代々木二・三丁目の国有地、幡ヶ谷二丁目の都営住宅跡地などを取得し、特別養護老人ホームをはじめとする複合施設として整備すべきです。
とくに、代々木二・三丁目の国有地は特養ホームをはじめ、保育園、障害者グループホーム、高齢者住宅など、福祉の総合施設として、区が直接整備することを明確に示して、政府と交渉すべきです。合わせて区長の見解を伺います。

区長答弁
※長谷部区長は、特別養護老人ホームの増設による待機者解消を求める質問には正面から答弁しませんでした。
[以下、区長答弁要旨]
代々木二、三丁目の国有地を複合施設として整備し、区が直接整備すべきとのお尋ねですが、保育園や高齢者施設とともに、地元の南新宿まちづくり検討会からいただいているご要望を踏まえ、子育て世帯から高齢者まで世代を超えて助け合いができるような、多世代共生モデルとなる区民住宅を整備する方向で協議中です。
この施設の整備は巨額の経費が見込まれる大型事業であり、行財政運営の持続可能性確保の観点から、整備工事や運営苗ける公的負担抑制も課題の一つであり、区の直接整備に限定した交渉を進める考えはありません。

区政リポート2019.10.25