感染症拡大のもと、行政の役割と防災対策強化が必要~第62回自治体学校・「災害問題と行政等の役割」分科会に参加 田中まさや区議会議員が区政リポート8月28日号を発行しました

安全・安心活動報告渋谷区

第62回自治体学校・「災害問題と行政等の役割」分科会に参加

感染症拡大のもと、行政の役割と防災対策強化が必要

8月1、2日から8、9日の4日間、第62回自治体学校が開かれました。例年、全国の自治体労働者や地方議員などが結集し大規模に開催されますが、今年は新型コロナ感染拡大のもとでのリモート開催となり、私は渋谷区議団控室から分科会「災害問題と行政等の役割―事前の十分な防災対策を」(講師・磯部作 元日本福祉大学教授)に参加しました。

この分科会を選んだのは、コロナ禍のもとでの今年7月の豪雨災害を目の当たりにして、感染症拡大のもとでの避難のあり方について、渋谷区でも対応すべき課題と考えたからでした。

以下、分科会で学び、渋谷区の防災対策に生かすべき点を報告します。

災害を「人災」ととらえる

近年、地球温暖化が進む中で梅雨の時期の豪雨、台風による暴風雨などが激化するとともに、首都直下型地震や南海トラフ巨大地震の発生も切迫しています。それに加えて新型コロナウイルス感染症。またこれらが同時に発生する複合災害も想定されます。地震などは別にして、地球温暖化による気候変動や乱開発に起因する感染症の多発は「人災」ととらえ、抜本的な対策が必要との指摘がされました。

災害対策の基本は防災

最近「減災」が重視されています。発災後の避難は重要ですが、予測される災害に対する防災対策を十分に行うことが重要。特に、利潤や効率優先による大都市への人口集中と地方の過疎化、低湿地など災害不利地域への住宅建設などは、二酸化炭素排出量の規制などと合わせて社会的な問題として解決しなければなりません。

また、災害時に「自分の命は自分で守れ」との言葉は、一見当然のようですが、必要な防災対策を放棄する行政の責任放棄に使わせてはならなりません。とりわけ「自助」が不可能な障がい者、高齢者、子どもなど災害弱者を守ることは、「共助」とともに地域住民の「いのちを守る」という行政の最も重要な役などの大企業は、その社会的役割にふさわしい責任を果たさせる必要があります。

とりわけ災害に強いまちづくりや科学的知見に基づく正確な情報提供は巨額の費用と専門家の知見が必要となることから国の責任で。避難所の確保や整備などは、地域の実情に明るい自治体の役割発揮が求められます。こうした対策の上に、共助や自助が有効に機能するのではないでしょうか。

感染症対策と避難所の課題

災害時の避難所については、体育館での密集や雑魚寝などの劣悪な環境が課題でした。新型コロナなど感染症拡大のもとでの避難所整備は、これまでの課題を放置することができないことを示しました。

渋谷区の避難所の感染症対策には、この点が欠落しています。私が、分科会で感じた現在の避難所の課題について先にまとめました。今後、解決に向けて議論・提案していきます。

感染症拡大のもとでの避難所の課題

⑴「3密」を避けるための十分なスペースの確保

区民会館などの区有施設に加え、都や国の建物、神社仏閣、民間の建物の利活用

⑵高齢、障がいなどの特性に応じた福祉避難所の整備

・特養、通所施設など、日頃利用している施設やホテル・旅館の活用

・要配慮者一人一人についての避難計画の作成

⑶在宅避難、近所の親戚・知り合い宅などへの避難

⑷避難所の医療・介護体制・マスクなど備蓄品の配備

⑸分散した避難場所への備蓄品や物資の供給

⑹災害時に行政と住民が協働できるよう地域に密着した訓練

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