新型コロナから、区民のいのちと営業、学生を守る⑵ ~区議会第3回定例会・日本共産党区議団代表質問より③ 田中まさや区議会議員が、区政リポート10月2日号を発行しました

中小企業安全・安心渋谷区

区議会第3回定例会・日本共産党区議団代表質問より③

新型コロナ感染症の影響による解雇が6万人を超えました。8月31日から20日間で1万人の急増です。この中には、失業状態のフリーランスは含まれておらず、実際に職を失っている人は、はるかに多いと指摘されています。このままでは、国民のくらしも経済も深刻な事態に陥ることになります

しかし菅新政権は、社会経済活動と感染対策を両立させるための検査・医療体制の構築も雇用継続のための強力な対策も中小業者やフリーランスへの追加支援策も明らかにせず、国会さえ開こうとしません。いまこそ区政が、いのちとくらしを守る防波堤の役割を果たすことが求められています。

日本共産党区議団は、第3回定例会で新型コロナ対策として、検査・医療体制の構築とともに中小業者、学生支援を提案しました。以下、前回に続いて代表質問の要旨を紹介します。

日本共産党区議団代表質問の柱

1.コロナ感染症対策の強化について

2.いのちとくらしを守る区政への転換について

3.介護・高齢者福祉について

4.国民健康保険について

5.教育環境の改善について

6.羽田空港の低空飛行増便問題について

7.核兵器廃絶について

新型コロナから、区民のいのちと営業、学生を守る⑵

保健所の体制強化について

渋谷区は、保健所の検査職員などを削減してきました。いま、コロナ禍で事務量が大幅に増え、他部署や東京都の職員の応援でしのいでいますが、9月6日付東京新聞の都内保健所の調査記事では、ほとんどの保健所がひっ迫しており、「現在の都や他部署からの応援では、不十分」と答えています。

区長は、インフルエンザとコロナの同時感染拡大やいつ起きるかわからない感染症に対応できるよう保健所の体制を抜本的に強化すべきです。

区長答弁 体制は、保健所内及び他部署の応援体制、都からの応援、看護師の配置など段階的に拡充し、既に必要な人員を確保している。

コロナ禍で苦しむ区民への生活支援策について

日本共産党区議団の「くらし・区政アンケート」には、「コロナ後、夫の給料は30%以上カット」、「コロナで仕事も収入もほぼなくなり、これからの生活が本当に心配」などの声が届けられ、私には、演奏家から「2月から演奏活動、個人レッスンの指導もできなくなり、収入はゼロで、家賃も電気、ガス代も払えない」と悲痛な訴えも寄せられました。区長は、深刻な区民の状況をどう受けとめているのですか。

品川区は全住民に1人3万円、中学生以下は5万円を生活支援一時金として支給します。千代田区では、区民一人につき12万円、奥多摩町は1人2万円を支給します。当区でも給付金を支給すべきです。

区長答弁 休業や失業等でお困りの方々に対しては、大変心を痛めている。生活に困窮した方は、それぞれ様々な事情があるものと考える。また、一時的な支援でなく、継続的な支援が必要。したがって、区民一律での一時金を支給する考えはない。

中小企業支援について

区内の中小企業は、コロナ禍で大打撃を受け、苦境におちいっています。区民のくらしと雇用を支えている中小業者や商店街を区として支援すべきです。日野市では、独自に4月または5月の売り上げが、前年同月比20%以上減少の事業者へ家賃の2分の1、20万円を上限に補助する制度を始めました。西東京市でも同様の固定費支援を行っています。あきるの市は、国の持続化給付金の対象外の500事業所に1億450万円を助成します。渋谷区でも、コロナ禍で減収となっている、おり中小業者への直接支援を実施すべきです。

区長答弁 区では、融資制度を拡充しながら支援してきた。直接支援については、新型コロナの影響が長期化する中、次年度以降の財政運営など総合的に考えると、困難さがあると考える。

学生に対する支援について

全国各地から上京し、渋谷区に住み勉学に励んでいる学生の多くは仕送りと奨学金、アルバイトで生活しています。ところが、コロナ禍でアルバイトがなくなり、生活ができず、授業料も払えず学業が続けられないという苦境におちいっています。八王子市は国の学生支援緊急給付金の対象外となった市内在住か市内出身の学生に対して10万円を給付しています。学生たちが学業を続けられない事態は、日本社会の危機と言わなければなりません。もともと日本の学費は高すぎます。区長は政府に対し、学費を半額にするよう申し入れるとともに、渋谷区に独りで住みアルバイトで生活している学生に月額5万円の補助を実施すべきです。

区長答弁 学費を半額にすることについては、国政の場で総合的に議論すべきこと。区内在住の学生への補助金を支給することも、広域的な視点による検討が必要であり、現時点では考えていない。

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