70億円は、学校給食無償化など区民のために使うべき~第3回区議会定例会中間本会議・補正予算第2号に反対討論 田中まさや議員が、区政リポート9月30日号を発行しました①

中小企業安全・安心活動報告渋谷区

第3回区議会定例会中間本会議・補正予算第2号に反対討論

70億円は、学校給食無償化など区民のために使うべき

第3回区議会定例会の中間本会議が9月20日行われ、令和4年度渋谷区一般会計補正予算(第2号)について日本共産党区議団は反対しました。今号では、私、田中まさやの本会議での反対討論(要旨)をご紹介します。

 本補正予算について、子ども医療費無料制度を自己負担も所得制限もなしに高校生まで拡大するための予算や不妊治療への助成については賛成です。

本補正予算に反対する第1の理由は、多くの区民や中小業者が、物価高とコロナ禍で苦しんでいる時に、くらしや営業などへの支援を求める切実な願いに背を向けている

 補正予算総額102億6274万9千円の約7割に当たる70億円は、都市整備基金への積み増しです。この増額によって、都市整備基金は817億円に、財政調整基金を合わせると、渋谷区のため込みは1263億円にも達します。その一方、物価高騰への対策は、介護・障がい者施設への補助事業に5745万円余を計上していますが、実際の減収額の半額しか補助しません。小中学校給食についても1255万円余を助成しようとしていますが、実際の物価高騰分を補うには不十分で、給食の質の低下が懸念されます。地域通貨については、マイナンバーカードを利用する約2万人の区民とハチペイを利用する当面約2000の中小業者にしかメリットがありません。これでは余りにも不十分です。高齢者も使え、地元商店街でも活用できるプレミアム商品券を実施すべきです。

 多くの自治体が、様々な努力と工夫をして区民や中小業者への支援を行っています。杉並区では、国の住民税非課税世帯への給付金の対象にならない均等割のみの約7000世帯に対して、約4億円で区独自で5万円の給付金を支給します。また区民や商店街支援として8億7千万円でプレミアム商品券を発行します。東京都も、市区町村が低所得のひとり親世帯に5万円を給付する場合、半額を都が助成する予算を発表しました。葛飾区では、約10億円の予算を増額して、小中学校給食費の無償化を来年度から実施しようとしています。葛飾区長は、「子育ては親や関係者に任せるのではなく、社会全体でできることはやっていくべきだ。負担の軽減は重要な課題」と発言しています。

 本区でも、区独自で、低所得世帯やひとり親世帯への給付金支給、物価高騰で困窮している中小業者への支援、介護・障がい者施設の減収分の全額助成、学校給食の無償化を実施すべきです。これらの事業は、地方創生臨時交付金や都の事業を活用できます。基金にため込もうとしている70億円も使って実施すべきです。

 

第二の理由は、区内の中小業者支援に背を向けて、スタートアップ企業への支援を優先することは認められない

 政府と財界は、日本経済全体を浮揚させ、国際競争力を取り戻すための最も重要な課題として、高い技術力を力に短期間に成長する企業を育成するスタートアップエコシステムの抜本的強化を求めており、そのために大量のスタートアップ企業を育成し、国内外から人材と投資を呼び込もうと、税制、教育、規制改革、公共調達などの分野で支援を強めています。そもそもスタートアップ戦略は、格差と貧困を拡大した新自由主義経済政策にもとづくもので、経済成長最優先であり、国民のくらしや福祉の向上を目的としたものではありません。実際、今回の補正予算で、グローバル・スタートアップ育成・支援のための新たな法人をつくるために7000万円も投資しようとしていますが、国内外からスタートアップ企業を呼び込んで支援するためであり区内の中小業者支援ではありません。また、「本区の課題解決」、「区民福祉の向上に寄与」と言っても「どんな課題」なのか「どう福祉の向上につながるのか」その内容は不明で、区民のくらしや福祉の向上につながる保証は全くありません。

 いま求められているのは、地域に根をおろし、ものづくりやサービスでの需要にこたえ雇用を生み出している中小企業全体を支援することです。物価高とコロナ禍で苦しむ中小企業への支援に背を向けて、渋谷区と直接関係のない一部企業を支援することは、区民福祉の増進を目的とする自治体として認められない予算です。

 しかも、新しい法人の事業計画も収支計画も明らかにせず、今後のことはこれから準備委員会で決めるというのでは、区民と区議会に白紙委任を迫るものであり、財政民主主義の否定です。

 住民福祉の向上を目的とする自治体の役割に反するとともに、住民自治を否定するこの補正予算は認められません。

区政リポート2022.9.30docx