大企業の儲け優先で、路上生活者排除は許されない ~区議会第4回定例会が閉会―田中まさや議員が、補正予算(第6号)に反対討論 田中まさや議員が、区政リポート12月9日号を発行しました

人権安全・安心活動報告渋谷区

区議会第4回定例会が閉会―田中まさや議員が、補正予算(第6号)に反対討論

大企業の儲け優先で、路上生活者排除は許されない

区議会第4回定例は、12月7日閉会しました。日本共産党区議団は、物価高騰で苦しむ区民や中小業者への支援を最優先にし、基本的人権の尊重や福祉の増進という自治体本来の役割を発揮させるために全力をあげました。

最終本会議で表決された主な議案について、態度表明は以下の通りです。

  • 渋谷区個人情報の保護に関する法律施行条例には、データ利活用優先でプライバシー権など基本的人権を後退させる改正個人情報保護法を施工する条例であり反対しました。
  • 渋谷区千駄ヶ谷区民施設条例については、開館時間などこれまで条例で定めていたものを区規則で定められるようにすること、指定管理者に運営を管理させるなど、営利優先で区民の声が届き難くなるとして反対しました。
  • 渋谷区放置自転車等に関する条例の一部を改正する条例、渋谷区清掃及びリサイクルに関する条例の一部を改正する条例については、物価高騰やコロナで苦しむ区民や中小業者に、手数料や有料ごみ権の値上げを押し付けるもので許されないとして反対しました。

令和4年度一般会計補正予算(第6号)については、私が本会議での反対討論を行いましたのでご紹介します。

 本補正予算について、出産・子育て応援事業として、妊娠時に妊婦一人当たり5万円、出産時に子ども一人当たり5万円の経済的援助を行う事業は賛成です。しかし、公園維持管理事業として「都市再生ステップアップ・プロジェクト(渋谷地区)渋谷一丁目地区共同開発事業」にともない区立美竹公園の工事着手のために7898万5千円を計上していることは認められません。

第1の理由 大企業の儲けのために美竹公園など区民の財産を提供する事業を進める予算

 ステップアップ・プロジェクトは、旧第二美竹分庁舎跡地と区立美竹公園を、旧東京都児童会館跡地と一体に70年間貸し出し、ヒューリックと清水建設が14階建ての業務施設を建設してオフィスや店舗として貸し出し儲ける事業で、区民のための土地利用ではありません。

 燃料費の高騰に苦しんでいる区民や中小業者への支援はそっちのけで、大企業のための計画を進めるために税金を投入することは許されません。

第2の理由 美竹公園の路上生活者との話し合いがついていないのに、排除するための工事の予算

 この予算のほぼ全額が仮囲い増強工事や公園警備業務であり、公園を利用している路上生活者を排除し、困窮者支援の炊き出しの場を奪うための工事です。区は10月25日、事前の予告もなしに公園の水道を止め、トイレを利用できないようにバリケードで囲い、さらに公園全体を封鎖しました。公園内に残った利用者は、長時間にわたりトイレにも行けず、食事もできない状態に追い込む人権侵害行為を行ったことに対して、厳しい批判の声が上がりました。この工事に既に1000万円以上も支出しています。その後、区は、公園を利用している路上生活者と話し合いをしましたが、合意に至っていないと聞いています。

 行政機関としては、何よりも人権を尊重することが求められており、粘り強く話し合いを続けるべきです。福祉的アプローチといいながら、話し合いの最中に、公園利用者の排除のための予算を計上することは認められません。以上、反対討論とします。

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