学校給食無償化:拒否→「社会情勢の変化を見極め判断」に変化 ~区議会第1回定例会開会・田中まさや幹事長が、代表質問③ 田中まさや議員が、区政リポート3月17日号を発行しました

中小企業人権子ども・子育て・保育学校教育安全・安心渋谷区

区議会第1回定例会開会・田中まさや幹事長が、代表質問③

学校給食無償化:拒否→「社会情勢の変化を見極め判断」に変化

学校給食の無償化を求める声が高まるなか、区議会第1回定例会の本会議での日本共産党渋谷区議団の代表質問で、私は区長に渋谷区での実施を強く求めました。

今号では、代表質問での教育にかかわる質問(要旨)の前半をご紹介します。

 

  • 学校給食無償化について

 住民の運動と世論で、学校給食費を無償化する自治体が大きく広がり、23区内では、すでに葛飾、北、品川、荒川、中央、世田谷、台東と中学生だけの足立の8区が4月から所得制限なしで実施を決めました。渋谷区でも、「学校給食無償化プロジェクト@渋谷」が結成され、署名運動が急速に広がっています。

 わが党区議団は、毎議会ごとに学校給食の無償化を求め、予算修正案や条例提案もしてきました。区長は、必要な世帯はすでに無償化していると言いますが、就学援助等で無償化しているのはわずか16%です。そもそも憲法26条の義務教育無償は、教育の機会均等を保障するため、教育の責任を家庭でなく、社会で担うとの考えです。政府も、授業料や教材費の他、学校給食や交通費も無償の対象と認めています。

 厚生労働省の調査では、少子化の原因は、「子育てや教育にお金がかかりすぎるから」が56.3%でトップです。東京都の調査でも、義務教育で、最も重い教育費が学校給食費で、渋谷区では年間中学生6万4220円、小学生の高学年5万4320円です。

 小中学校給食を無償化すべきです。また私立小中学校に通う子どもの世帯にも、区立の給食費相当額を支給すべきです。区長の所見を伺います。

区長答弁 「学校給食については、経済的な支援が必要な世帯へは就学援助により軽減負担を行っています。無償化は、国や都のレベルで格差なく行うべき施策であり、公立、私立にも差がないことが基本と考えますが、社会経済情勢の変化を見極めつつ、必要な判断を行ってまいります。」

 

田中議員の再質問

区長が社会情勢の変化をふまえて判断するとおっしゃいました。これまで拒否されていましたけれども、一歩前進なのでしょうか。

ただ、私は、区長が必要な人は支援を受けられていると言っていることは、まったくこれは当たらないと言わなければならないと思います。そもそも就学援助の基準は、生活保護基準の1.2倍です夫婦と子ども2人だと月収が32万2393円以上は対象外です。地域の方から「夫婦で月収は40万円だが、家のローンが月10万円、物価高騰で毎月赤字が拡大。2人の子どもの食費は削れない。何としても無償化を」と訴えていらっしゃいました。

そもそも義務教育なのに、学校給食無償の子どもとそうでない子どもがいる、教育に差別、分断を持ち込むことは、憲法26条の精神に反しているのではないでしょうか。その点の認識をお伺いしたい。学校給食費は無償にすべきです。直ちに判断すべきです。区長に再質問します。

再質問に対する区長答弁

憲法違反とまでおっしゃるのであれば、しっかり国に求めていってほしいなと思います。

 

  • 渋谷図書館について 

 図書館は「生存権の文化的側面である学習権を保障する機関」です。区長が、多くの区民、利用者の存続の声を無視して、昨年度末で渋谷図書館を廃止したことは、学習権の蹂躙であり許されません。住民や利用者らでつくる「渋谷の図書館を考える会」は、まだ活用できる渋谷図書館の施設をリニューアルして、再開するよう求め、区長への署名運動を進めています。地域の文化、教養、教育の拠点を復活すべきです。

 直ちに旧渋谷図書館をリニューアルして再開すべきです。区長に伺います。

区長答弁 (区議会で)ご議決をいただいて廃止した渋谷図書館を、リニューアルして再開する考えはありません。

 

  • 渋谷区「新しい学校づくり」整備方針について

①計画は撤回し、こども、学校関係者、住民参加で検討を

 渋谷区が昨年、パブリックコメントも実施せずに突然発表したこの方針について、多くの保護者や区民からとまどいと不安、反対の声が寄せられています。新年賀詞交歓会で、「未来の学校プロジェクト」のスライドを見た区民から、「子どもの教育がどう充実するのかが全く見えない」と酷評されました。また、「校庭開放や地域行事はどうなるのか、災害時はどうするのか、まったく説明もなく計画を進めること自体住民無視だ」、「スポーツセンターに仮設校舎をつくるなんてまったく聞いてない」などの怒りの声があがっています。

 「新しい学校づくり」整備方針は、撤回して、こども、保護者、学校関係者、住民参加で、それぞれの学校をどう整備すべきか、子どもの教育最優先に検討し直すべきです。また、建て替えありきでなく、60~70%のコストで環境にやさしく長寿命化を可能にする再生建築は、杉並区でも採用するとしており本区でも検討すべきです。

区長答弁 (見直す)考えはありません。学校関係者や地域のみなさまと検討を重ね、建築や教育の知見を得ながらプロジェクトを進めてまいります。

 

区政リポート2023.3.17docx