高齢者の尊厳を傷つける介護保険料値上げは中止を ~第1回定例会本会議で、区民の願いが込められた請願に賛成討論 田中まさや議員が、区政リポート4月12日号を発行しました⑴

人権安全・安心活動報告渋谷区

第1回定例会本会議で、区民の願いが込められた請願に賛成討論

高齢者の尊厳を傷つける介護保険料値上げは中止を

物価高騰によって、とりわけ高齢者のくらしが困難になっています。年金の増額が物価高騰に追い付かないなかで、渋谷区が今年度から国保料、介護保険料、後期高齢者医療保険料をトリプル値上げしたことに対して、日本共産党区議団は、くらしを守る区政の役割を投げ捨てる冷酷な仕打ちだとして、値上げの中止や引き下げを求めました。

住民のみなさんが第1回定例会に提出した「介護保険料を引き上げないことを求める請願」についても、私は、紹介議員として福祉保健委員会で説明するとともに、本会議では請願に対する賛成討論を行いました。

以下、私の本会議での賛成討論(抜粋・要旨)をご紹介します。

本請願に賛成する第1の理由は、物価高騰のなかでの介護保険料値上げは、高齢者のくらしや介護サービスの利用を困難にするもので許されない

 渋谷区が提案している第9期介護保険料は、基準額で年間保険料は一人平均2,520円、3.5%引き上げて、年間7万4040円に値上げです。無年金者や合計所得金額が80万円以下の第1段階は1,400円像の19,300円、住民税非課税世帯の第3段階は1900円増の35,600円、本人住民税非課税の第5段階は、2,800円増の6万円になります。

 この間の高齢者の生活実態は、昨年の物価上昇3.2%の負担増に加え、4月から受け取る年金額はさらに削減され、高齢者の生活は一層困難になります。わが党区議団のアンケートでは77%が「生活が苦しい」と訴えており、介護保険料の改定について63%が「引き下げ」、22%が「据置き」と、85%が値上げに反対の声をあげています。

 区は後期高齢者医療保険料も6.2%も大幅値上げしようとしており、介護保険料の値上げは、深刻な生活悪化と必要な医療・介護サービスの抑制を招き、いのちや自立した生活を損ないかねません。住民からは「いまでも生活費を削っているのに、介護サービスを受けたくても利用できない」との声が寄せられています。介護保険料や利用料を値上げすれば、滞納による給付制限や深刻なサービス利用控えが増加し、「保険あって介護なし」の介護崩壊になりかねません。高齢者の尊厳を傷つける介護保険料の値上げは中止すべきです。

 

第2は、低所得者を中心に介護保険料の値上げを中止することは可能だから

 第8期の介護保険料は、区民の声と運動によって値上げを中止し、区民から大変喜ばれました。この据え置きは、介護保険給付費準備基金14億円の一部を活用しました。

 区の提案は、保険料の引き上げを抑えるため現在の所得階層を1段階増やすとともに、介護給付費準備基金23億円のうち8億円を活用して保険料の値上げを抑制したとしていますが、これでは不十分です。

 わが党区議団の試算では、住民税非課税世帯の第5段階までの保険料据置きに必要な予算は、単年度4000万円、3年間で1億2000万円であり、第1号被保険者のうち、2万269人・全体の46%の保険料を据え置くことができます。さらに、所得500万円以下の第9段階までの据置くには、単年度1億6200万円、3年間で4億8600万円で可能であり、3万6854人、全体の84%を据え置くことができます。

 未活用の介護給付費準備基金15億円の一部活用や、高額所得者の保険料をさらに多段階化するなどで、低所得者の保険料を据え置くことは十分可能です。

 本請願には、署名を提出した1190人をはじめとした多くの区民の願いが込められています。この願いに応えて、本請願への賛同を訴えまして賛成討論とします。

介護保険料の据え置きに必要な3年間の予算

・第5段階まで…1億2000万円(全体の46%)

・第9段階(所得500万円以下)…4億8600万円(同84%)

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