敬老祝い金の継続、介護保険料引き上げ中止など3つの請願は、不採択に ~第1回定例会閉会…区民の願いの込められた請願採択に全力 田中まさや議員が、区政リポート3月28日号を発行しました

安全・安心活動報告渋谷区

第1回定例会閉会…区民の願いの込められた請願採択に全力

敬老祝い金の継続、介護保険料引き上げ中止など3つの請願は、不採択に

区議会は3月21日の最終本会議で、住民から出された請願などを表決して閉会しました。日本共産党区議団は、多くの区民の願いが込められた請願を採択するために全力をあげました。

今号では、私が最終本会議でおこなった「敬老祝い金給付の現行水準での継続を求める請願」に対する賛成討論告(要旨)をご紹介します。

 敬老祝い金は、高齢者の長寿を祝い、敬老を表すための事業で、コロナ禍の対応は別として、現在、75歳以上のすべての高齢者に対して、1人1万円を給付してきた事業です。しかし、渋谷区が高齢者人口の増加や配布者の負担軽減等を理由に、2024年度から支給対象者を約62%、予算額も約1億2千万円以上、52%も削減する案を示したことから、24年度以降も、これまで通り75歳以上のすべての高齢者に敬老祝い金の贈呈を継続するように求めるものです。

第1の理由は、敬老祝い金の大幅削減が、敬老の精神を切り捨てだから

 本事業を規定しているシニア・いきいきコミュニティ条例は、第1条で「永年にわたり区の発展に貢献し区の支えとなってきた高齢者に敬意を表するとともに、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けられることを目的」とし、この目的を達成する事業として敬老祝い金を位置付けています。今回の大幅削減は、条例の目的に反し、敬老の精神を踏みにじるもので許されません。

 区は、削減の理由としている民生委員さんによる配布の負担軽減を理由にしていることは重大問題です。条例上、配布者に関する規定はなく、民生委員さんによる配布が困難であることを理由に削減することは許されません。配布方法については、様々な方法を検討して継続することこそ敬老の精神です。

 また安否確認の強化が求められていますが、今回の削減によって認知症リスクの高まる80代、90代とも、見守りは10年間で3回に減ることも重大です。わが党区議団がかねてから提案しているように、地域包括支援センターの体制を強化して、港区や練馬区でも実施している、専門職が介護・高齢者福祉サービスを利用していないすべての高齢者世帯を訪問して、必要な支援につなげる「ふれあい相談員」制度こそ実施すべきです。こうした事業も検討しないで、民生委員さんによる配布の負担軽減を理由に削減することは許されません。

第2の理由は、渋谷区の人口推移や財政状況から、廃止の理由にしている高齢化・持続可能性は成り立たず、根拠がないこと

 渋谷区の75歳以上の高齢者人口の推計では、17年後の2040年でも、現在より増えるのは約4000人と予測しており、現行の1万円給付を継続した場合でも増加額は4000万円です。今後17年間の増加額の累計でも3億4千万円です。この17年間の増加額の年平均は約2000万円であり、来年度の一般会計予算に占める増加額の割合は0.2%程度に過ぎません。今定例会の補正予算で都市整備基金に積み立てた75億円あれば、30年間もこの事業は継続できます。ましてや住民が反対している玉川上水旧水路緑道整備に100億円も投入する一方で、財政を理由に敬老金1億2千万円を削減することにまったく道理はありません。

第3の理由は、敬老祝い金の継続を求める多数の区民の声を切り捨てることは許されない

 本請願では、実質年金の低下、物価高騰、保険料や医療・介護の負担増のなかで、「貴重な生活支援を無くさないで」との声を紹介しており、1296人という多数の方が賛同されています。実際、シニアの会をはじめ多くの高齢者、区民から、「物価高騰などで生活が苦しいのに、なぜいま削減なのか」など、敬老祝い金の継続を求める声が寄せられています。代々木にお住いのある高齢者は、「削減の話しを聞いて、20人で区長に1万円を現金で給付してほしいと手紙を書いたら、区長から『区民のみなさまのご意見を参考に検討してまいります』と返事が来たのに、悔しい」と話しておられました。区長は、わが党の代表質問に「ご理解を」と答弁しましたが、とうてい区民は理解しません。こうした多数の声を切り捨てて、敬老祝い金の大幅削減の強行を、住民代表の機関としての区議会が容認すべきではありません。

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