9070問題。犠牲者を出さない社会に。
92歳の母親が、中途障害の70歳の息子を介護してきた。ところが息子が転倒して脱臼骨折。
最初に治療した病院は、入院治療の必要なし、と家に返したが、再び転倒。「私がなんとかしなければ」と頑張ってきた母親もとうとう限界に。
再入院した次の病院からも、1週間で退院、と言われたが、私は母親に「心を鬼にして療養病床への転院を」と説得、ドクターとかけ合った。しばらく入院の方向になった。
今日、母親から「ようやく眠れるようになって身体が軽くなった」と明るい声で電話があった。
8050問題ならぬ9070問題。「子どもは私がなんとかしなければ」との思い込みは、ときに負のスパイラルに陥れられる。
このところ街で「2割負担の保険証が届いた」と75歳以上の高齢者から話しかけられることが続いている。
高齢者に優しくない社会が、子どもたちに希望ある社会であるはずはない。